まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

仁義なき跡目抗争!

2008-10-17 | 日本映画
 「柳生一族の陰謀」
 こないだのスペシャルドラマが面白かったので、映画版もレンタル♪
 徳川幕府三代将軍の座をめぐり、血みどろの戦いの火蓋が!
 話も、そして細かい台詞まで、こないだのドラマとほぼ同じでした。俳優のメンツが違うだけ?さすがに映画のほうが、パワフルで濃いけど。
 やくざ映画で名を馳せた故・深作欣二監督(DVD特典の予告の監督、めちゃ男前!)の初時代劇だとか。さすが深作監督というか、時代劇なのに全般に漲るやくざテイスト!ほとんど将軍=組長、老中・大目付=組の幹部、家臣=組員、公家=腹黒な政治家・役人、下っ端武士&浪人=鉄砲玉な組の下層部チンピラ、なんですよねえ。上も下も入り乱れての血生臭さくドロ臭い闘争、観ていて「仁義なき戦い」のテーマが聞こえてきそうになります。
 なので、華麗なる鮮やかなチャンバラ、というより、まさに狂騒バトルロワイヤル。本格的時代劇ファンには、何じゃこりゃー!なトンデモぶりなのですが、それが魅力でもあります。とにかくパワフルです。篤姫的ヌルいスウィートなホームドラマ時代劇に飽き足らない人は、楽しめる映画ではないでしょうか。もうこんな時代劇は作れないと思うので、貴重な一作かもしれません。
 冒頭の、掻っ捌かれる前将軍の遺体の腹や、ラストの斬られた首&片手は、どー見てもゴム人形。リアルさを欠いた稚拙さが、いかにも昔の映画って感じで何か微笑ましいです。

 キャストの特濃さも、今の時代劇ドラマや映画では味わえない珍味です。とにかくみんな、イっちゃってるのが怖くて笑えます。
 陰謀を仕切る柳生但馬守役の萬屋錦之介が、強烈、ていうか、異様異質!あの大時代的な大芝居は、意図したものなのでしょうか。めちゃくちゃ浮いてるのですが、それが奇妙で独特な面白さを醸しているのも事実。ラストの狂乱シーン、ほとんど歌舞伎です。
 こないだのドラマでは柳生但馬守を演じてた松方弘樹(当時の記者会件映像での松方さん、どー見てもヤーさん...ワタシ世代にとって松方さんといえば、たけしの元気が出るTVのヘンなオヂさん、なんですが)が、徳川家光を怪演。き○がいな放送禁止的キャラで、ヤバすぎ。ドラマでは、高橋和也に色々アドバイスしたのかな?
 柳生十兵衛役の千葉真一は、豪放ワイルド。サニー千葉の愛弟子、まだ少年っぽい真田広之が可愛い!ほんとに忍者みたいな身のこなしが驚異!志穂美悦子の男前な女戦士ぶりもカッコいい!
 出てやったぞ!的にフンゾリ返った三船敏郎御大の、尊大な貫禄とオーラ。山田五十鈴は、そこにいるだけで怖い。この手の映画やドラマには必ずといっていいほど出てた丹波哲郎先生は、スゴい存在感にしてはあっけなく死ぬ、というお約束出演を、ここでも。
 悲劇の忠長役、西郷輝彦が凛々しくて男前でした。声がきれいだなあ。浪人役の原田芳雄も、激シブ~!
 萬屋錦之介の大芝居同様、強烈なインパクトなのが、おじゃるおじゃるな白塗り公家役の成田三樹夫&梅津栄。特に梅津さん、大ボケかましまくり。ぴぎゃー!ぎゃぼー!と大騒ぎする姿は、まるでオヤヂのだめ。

 出雲の阿国役の大原麗子が、きれい、というより可愛かった。ドラマは内山理名だもんねえ。比較にならない。
 萬屋錦之介の『親に会うては親を殺し、仏に会うては仏を殺す』『我(わし)につくも敵にまわるも、心して決めい!』ちょっと声に出して言ってみたいが言えない名台詞でした。
 ♂どもがギンギン猛りメラメラ燃える破天荒な時代劇、もう製作不可能なんだろうなあ。残念。
 
 

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