まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

神を慕いすぎた女

2013-11-24 | 欧米のドラマ
 19世紀の文豪モーパッサンの短編を映像化したフランスのTVドラマ「モーパッサン劇場 ミス・ハリエット」を観ることができました。
 画家のシュナルは、旅先の田舎宿でミス・ハリエットというイギリス人女性と出会う。誰とも打ち解けず謎めいた彼女に、シュナルは興味を抱くが…
 モーパッサン劇場シリーズは10本ぐらいあるのですが、その中でこの作品をピックアップして観たのは、言うまでもなく主演がジェレミー・レニエだったら♪若き画家に扮したジェレミっち、相変わらずカッコカワいかったです。小柄だけどガッチリした体格とか、可愛い猿顔とか、ほんと私のツボつきまくりな容貌なんですよねえ。最近は、いい感じにおっさんぽくなってきてるジェレミっちですが、この頃は(当時23、4歳ぐらい?)まだ少年っぽさが残ってて、美白肌もピッチピチ。サラサラの金髪、いつも触ってみたくなります。

 ジェレミっちがキラキラ放つ、若々しい明るさと自由さが眩い。優しくて女好き、なシュナルのキャラはいかにもフランス男で笑えた(ジェレミっち本人はベルギー人だが)。据え膳は躊躇いなく食う、宿のピチピチギャルメイドと速攻でヤっちゃうところも素敵でした。ジェレミっちみたいなカッコカワいいお客さんなら、私がメイドでも夜のサービスしちゃいますよ。あと、ジェレミっちが身につけてる上着やブーツが、すごくオシャレに見えた。
 エロいギャルとは楽しくニャンニャン(死語)するシュナルですが、怪しい異国のおばさんミス・ハリエットには、まったくそういったセクシュアルな欲望は抱かず、その代わりに彼女とは精神的に強く深く結ばれていく、という設定が面白かったです。男と女の範を超えた、肉体を持たない男女の愛って、深淵で美しく、清らかだけど悲しいですよね。古くは源氏物語の槿の姫君や宇治の大君、そしてアンドレ・ジッドの小説「狭き門」のアリサ。男の心しか求めない、女の心だけ捧げたい彼女たちは、はたから見たら異常な潔癖症、一種の精神疾患。汚れることを、傷つくことをあまりにも恐れ、自分を守ってばかりな自己愛が強すぎると、返って不幸になるんだなあと彼女たちは教えてくれます。

 ミス・ハリエットも、世間によくいる宗教き○がいで、ある意味すごく危ない人。何であんな狂信的になってしまったのでしょう。神さまに愛を誓った殉教者なはずのミス・ハリエット、だんだん性的に抑圧されたオールドミスにしか見えなくなります。彼女に生身のおんなの欲望を抱かせてしまったシュナルは、罪な男!シュナルに近づき悶々ハアハア、シュナルの上半身裸(ジェレミっちのお約束!画家にしては筋肉質!)を生唾ゴックンで遠くから見てるミス・ハリエットは、かなりヤバくて笑えました。男という注射が必要な病人!彼女の最期も戦慄!あんな客、宿にとっては迷惑すぎる。ミス・ハリエットみたいな女がいるから、女の独り旅は難しいんだよ。
 イギリスの田舎も美しいけど、フランスの田舎も美しい。降り注ぐ陽の光が温かく優しく、柔らかい。澄んだ青空、海や岬も絵画みたいで、心洗われる風景でした。

 ワイルドだぜぇ~(死語)なジェレミっち。彼のベストパフォーマンスと評判だった「最後のマイウェイ」を観に行けなかったのが、今も残念無念。最新作は、ギャスパー・ウリエルと再共演してるイヴ・サンローランの伝記映画。サンローラン役のウリ坊と、またまたBLな関係っぽいのが楽しみ♪

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