
台湾映画祭④

「帯我去遠方」
台湾の南部の港町。両親が離婚し、父親とともに祖母の家で暮らす少女阿佳は、従兄の阿賢を慕い、それはいつしか淡い恋心となっていたが、ある日阿賢の秘密を知ってしまい…
地味で小粒ながら、愛らしくホロ苦い青春の1ページ映画でした。女の子の成長ストーリーなんて、私がもっとも興味がないジャンルですが
この映画に食いついたのは、BL要素があったから(^^♪従兄の阿賢がゲイで、行きずりのイケメンや年上の男との恋にときめいたり傷ついたりなエピソードが、なかなか切なかったです。

それにしても。あまり文化的とは言えない田舎町でゲイでいるのは、何という孤独と苦痛だろうと、阿賢を見ていて思いました。カミングアウトなんて論外、理解者に出会える希望もない。阿賢みたいに見た目も頭もよいゲイならなおさら、絶望と閉塞感で窒息しそうな日々。でも、あんな田舎で恋に落ちる男たちと出会えるなんて、奇跡みたいな幸運でもあったような。でも。どれも幸福に進展せず、初恋もガチ恋も悲恋に終わってしまうという、腐が大好きなBLのさだめに阿賢も従ってしまってます。

感受性が強く繊細すぎる阿賢、彼にはもうちょっと強くなってほしかったわ。絶望も失望も糧にして、あいつらだけが男じゃない!素敵な大人、いい男になってやる!と奮い立ってほしかった。まだ若いんだし、夢にも希望にもあふれている未来が待ってる。田舎を出て台北とか憧れてたニューヨークとかに行けば、きっと本当の愛を見つけることもできたはず。しっかりしろ!と阿賢の肩を叩きたくなったけど、あらら、彼が選んだのは悲しすぎる逃避。何で!?と呆れてしまったけど、あの思いつめ方、激情は、純真な若者にしかない美しい危うさ、脆さ。私のような冷血で俗にまみれた老人などが、どうして理解できようか。

弱くはかない男に比べて。女はやっぱ強くて冷徹。幼いながらも、阿佳はまさに女でした。ゲイを愛してしまった女の悲しみもまた、痛ましく切ない。恋心を隠して、感情を抑えて阿賢を冷静に見守っている阿佳、少女なのに大人だな~と感嘆。阿賢と違い、コワレたりしません。もやもやや苛立ちを、誰にも気づかれずひとりで抱えている阿佳もまた、すごく孤独。孤独な者同士が労わり合い寄り添い合うような、阿賢と阿佳の親密さが微笑ましくも哀しかったです。阿佳が、見た目もキャラも女子女子しておらず、ぶっきら棒でクールな少女だったのが好感。彼女が色盲障害、という設定が辛いハンディキャップではなく、ちょっとファンタジックなシーンで表現されていたのが可愛かったです。

阿賢役は、これが映画デビューとなったリン・ボーホン。当時21歳。わ、若い、ていうか少年!雰囲気も顔つき、体つきもまだ蒼々しいです。現在の彼は肉体美も魅力の大人の俳優になってますが、この頃はまだ痛々しいまでにほっそりしててショタっぽい。顔は岸優太というよりマエケン(前田健太)っぽいかな。阿賢は美少年な俳優が演じたほうが腐受けするだろうけど、私は女よりもキレイな男の子って苦手なので、マエケン似のボーホンでOK!

阿賢の初体験相手となる旅人がイケメン!風来坊なバックパッカーも、イケメンだと絵になりますね~。日本人という設定で日本語も口にしてましたが、演じたのは台湾の俳優さんだとか。夜の校舎で寝泊まりする旅人に抱かれにいく阿賢、ドキドキ♡キュンキュンな展開でしたが、肝心のラブシーンは全然なし
見事に省かれてました。それにしてもあの旅人、さっさとそっけなく旅立っていって、ヤリ逃げですか?!甘いロマンスより刹那の性欲処理、それがゲイの現実?
台湾の南部の田舎町が、まるで60、70年代の風景。携帯が出てこなかったら、現代の話と気づかなかったかも。素朴な生活の情景は、昭和の日本のようでノスタルジック。夏が暑そう!青く張り詰めた快晴の空が美しかったです。


台湾の南部の港町。両親が離婚し、父親とともに祖母の家で暮らす少女阿佳は、従兄の阿賢を慕い、それはいつしか淡い恋心となっていたが、ある日阿賢の秘密を知ってしまい…
地味で小粒ながら、愛らしくホロ苦い青春の1ページ映画でした。女の子の成長ストーリーなんて、私がもっとも興味がないジャンルですが


それにしても。あまり文化的とは言えない田舎町でゲイでいるのは、何という孤独と苦痛だろうと、阿賢を見ていて思いました。カミングアウトなんて論外、理解者に出会える希望もない。阿賢みたいに見た目も頭もよいゲイならなおさら、絶望と閉塞感で窒息しそうな日々。でも、あんな田舎で恋に落ちる男たちと出会えるなんて、奇跡みたいな幸運でもあったような。でも。どれも幸福に進展せず、初恋もガチ恋も悲恋に終わってしまうという、腐が大好きなBLのさだめに阿賢も従ってしまってます。

感受性が強く繊細すぎる阿賢、彼にはもうちょっと強くなってほしかったわ。絶望も失望も糧にして、あいつらだけが男じゃない!素敵な大人、いい男になってやる!と奮い立ってほしかった。まだ若いんだし、夢にも希望にもあふれている未来が待ってる。田舎を出て台北とか憧れてたニューヨークとかに行けば、きっと本当の愛を見つけることもできたはず。しっかりしろ!と阿賢の肩を叩きたくなったけど、あらら、彼が選んだのは悲しすぎる逃避。何で!?と呆れてしまったけど、あの思いつめ方、激情は、純真な若者にしかない美しい危うさ、脆さ。私のような冷血で俗にまみれた老人などが、どうして理解できようか。

弱くはかない男に比べて。女はやっぱ強くて冷徹。幼いながらも、阿佳はまさに女でした。ゲイを愛してしまった女の悲しみもまた、痛ましく切ない。恋心を隠して、感情を抑えて阿賢を冷静に見守っている阿佳、少女なのに大人だな~と感嘆。阿賢と違い、コワレたりしません。もやもやや苛立ちを、誰にも気づかれずひとりで抱えている阿佳もまた、すごく孤独。孤独な者同士が労わり合い寄り添い合うような、阿賢と阿佳の親密さが微笑ましくも哀しかったです。阿佳が、見た目もキャラも女子女子しておらず、ぶっきら棒でクールな少女だったのが好感。彼女が色盲障害、という設定が辛いハンディキャップではなく、ちょっとファンタジックなシーンで表現されていたのが可愛かったです。

阿賢役は、これが映画デビューとなったリン・ボーホン。当時21歳。わ、若い、ていうか少年!雰囲気も顔つき、体つきもまだ蒼々しいです。現在の彼は肉体美も魅力の大人の俳優になってますが、この頃はまだ痛々しいまでにほっそりしててショタっぽい。顔は岸優太というよりマエケン(前田健太)っぽいかな。阿賢は美少年な俳優が演じたほうが腐受けするだろうけど、私は女よりもキレイな男の子って苦手なので、マエケン似のボーホンでOK!

阿賢の初体験相手となる旅人がイケメン!風来坊なバックパッカーも、イケメンだと絵になりますね~。日本人という設定で日本語も口にしてましたが、演じたのは台湾の俳優さんだとか。夜の校舎で寝泊まりする旅人に抱かれにいく阿賢、ドキドキ♡キュンキュンな展開でしたが、肝心のラブシーンは全然なし

台湾の南部の田舎町が、まるで60、70年代の風景。携帯が出てこなかったら、現代の話と気づかなかったかも。素朴な生活の情景は、昭和の日本のようでノスタルジック。夏が暑そう!青く張り詰めた快晴の空が美しかったです。
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