まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

極楽逆噴射家族

2007-06-19 | 北米映画 20s~50s
 実録・乙女の事件簿~悪夢の整体!“若先生の手が私の...”~(後編)
 頼まれもしないのに、受付の観葉植物の枯葉を摘み、手入れがなってないと文句を言いながら、おもむろにトイレに入るオバハン。次の瞬間...ブッブブブブリブリ!トイレから聞こえてくるイヤな爆音に、ゲゲゲゲエ~!ありえな~い!ショック状態の私に追い討ちをかけるように、オバハンがトイレから出てきたと同時に、サリン級の猛毒ガスのごとく、強烈な臭いが...
 受付嬢に名前を呼ばれ、診察室へ向かう私の足取りは、聴覚と嗅覚への凄まじいダメージのせいで、フラフラ...
 電気マッサージ中も、隣のベッドで先生に診てもらってるお婆さんは、チ○コの玉や袋がどーのこーのと、年甲斐もなく嬉しそうに下ネタ猥談してるし。
 ああ~最低限の恥じらいや慎みを忘れたら、もう女としてはthe endだなあと、あらためて思い知ったのだった。ほんと、気をつけねば...

 「我が家の楽園」
 名匠フランク・キャプラ監督、1938年アカデミー作品賞受賞の名作。
 土地開発を進める冷徹な実業家カービー氏。彼の一人息子は、立ち退きを拒否しているヴァンダーホフ老人の孫娘と恋仲。お金よりも自由と夢を大事にして暮らす、風変わりだけど明るく愉快な一家との出会いが、やがてカービー氏を変える...
 キャプラ監督作品らしく、性善説に則った、明るく楽しい心温まる佳作でした。
 ヴァンダーホフ一家のキャラと暮らしぶりが、かなりブっとんでて笑える、というより、何なんだコイツら?!な奇人変人大集合で、ちょっと怖い。
 ヴァンダーホフ爺ちゃんは早くに勤めを辞めて、のんびり趣味に生きてる。その娘は一日中タイプライターに向かって劇を書いてる。地下室では、娘の夫と居候たちが日がな一日花火を作ってる。孫娘の妹のほうは、いつでもどこでも踊り狂ってて、その夫も妻の踊りに合わせて木琴を弾きまくり。老人は居候を気軽に増やすし。みんな好きなことして楽しそうだけど、生活費はどーしてんの!?立派な屋敷に住んでるけど、別に大金持ちってわけではなさそうだし。娯楽や食事はケチらず、でも納税は拒否だなんて!国民の義務は、ちゃんと果たしましょう...
 明るく楽しいのはいいけど、あんなにハイテンションでドタバタにぎやかな家、落ち着かないなあ。私なら、1時間もいられないかも。
 アナーキーなまでに陽気なだけでなく、とってもデンジャラスなヴァンダーホフ一家。だって地下で花火の実験してるし!ついに爆発して、外の路上にまでバンバン飛び火してるシーン、怖っ!近所の人たち、大喜びしてたけど、危ないよ~!死傷者が出なかったのが、不思議。絶対隣には住みたくない、危険で迷惑な家族です。
 騒動に巻き込まれて、一家共々ブタ箱にブチこまれてしまうカービー氏が哀れ。傲慢不遜な金持ちカービー氏に、ついキレてしまったヴァンダーホフ爺さんがぶつける非難の言葉が、キッツ~い。あんたは父親、いや人間失格!あんたが死んでも誰も泣かないだろう、とか、完膚なきまでにカービー氏を凹ます。いくら何でも言いすぎ!ひどい!けど、お詫びとして爺さんがカービー氏にあげたハーモニカが、後で小粋な結果をもたらす素敵な小道具に。
 良い意味でアメリカ的おめでたさ全開のハッピーエンドも、明るく温かい後味。
 ヴァンダーホフ老人役ライオネル・バリモアは、なぜか今アメリカ一の美女なドリューのお祖父さん。やっぱ、どことなく似てるかも?
 孫娘の恋人役ジェームズ・スチュアートが、わ、若い~!ひょろっとした長身と、頼りな~い感じの優しい顔が、可愛いです。
 あと、居候のおじさんが作ったウサギのオモチャとか、おとなしく原稿の文鎮代わりに使われているネコが、めちゃくちゃ可愛い!
 同じキャプラ監督作品なら、私は断然「或る夜の出来事」と、ジェームズ・スチュアートとライオネル・バリモアも出てる「素晴らしき哉!人生」です。どっちも、私の生涯best movie トップ10には確実に入ります。

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6 コメント

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大好き! (ゆきやっこ)
2007-06-21 00:09:19
たけ子さん、今晩は~
私も、フランク・キャプラが大好きです。彼の作品は、観た後に、温かい気持ちになりますね。
私は、特に「素晴らしき哉!人生」が好きで、最後は、もう涙が止まらなかった。(たけ子さんの生涯bestに入っているとは!うれしー)あまりに良かったので、映画好きの当時のボーイフレンドに、勧めたら「こんなベタな映画で泣く奴の気が知れない」と、言われたんすよ。めちゃめちゃ腹が立って、「この映画で感動できないなんて、あなたって可哀相な人ね。」とつい。カップルが皆、同じ価値観は無理だけど・・・・・
ま、確かにベタなんですよ。でも、とってつけたようなものじゃない、心温まるいい話に仕上げているのは、さすがフランク・キャプラ。それがわからないとは・・・・・・
「我が家の楽園」は未見なんです。是非とも観てみたいです。
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素晴らしき哉!シネマ (松たけ子)
2007-06-21 22:38:31
ゆきやっこさん、こんばんは!
おおっゆきやっこさんも、キャプラ監督お好きなのですね!ほんと、心温まる佳作ばかりですよね。
「素晴らしき哉!人生」、冷血人間の私に涙を催させた、数少ない映画です。ゆきやっこさんの元カレ、私以上に冷血?好きな人と感動を分かち合えないって、ちょっと悲しいけど、まあ価値観はホント千差万別だから...
私も遠い昔、付き合ってた♂と観に行った「ディープインパクト」。感動して泣いてる男に、なかなか隕石が落ちてこなくてイライラした!とかアクビしながら言って、怒られたことが...
「我が家の楽園」も面白かったけど、ワタシ的にはやっぱ、素晴らしき哉!には及ばないかなあ。ゆきやっこさんのご感想、ぜひ拝聴したいものです。おすすめ名画とかれば、教えておくれやす~♪
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本当ですね・・・・ (ゆきやっこ)
2007-06-22 20:21:05
たけ子さん、今晩は!
そうですよね、好きな人と感動を分かち合えないって、少し悲しい・・・・・
おススメの名画ですね、う~ん、いっぱいあります。
私、ビリー・ワイルダーが好きなんですよ。特にマリリン・モンローと組んだ「お熱いのがお好き」「七年目の浮気」あたりが。「七年目の浮気」はDVDを買って、時々観てます。きっと、たけ子さんは、もうご覧になっているでしょうね。
あの映画は、名画と言えるか、わかりません。でも、現代にも通ずるところがあって、古さを感じさせない。女房の留守中に、オツムの弱いオサセが、自分の家の上に、引っ越してくるシチュエーションが、男の願望をまんま描いていて笑えるんです。男の深層心理が、コメディというかたちで、描かれていて興味深い。セリフもプッと噴出すものが多いし、マリリン・モンローもすごくいい。そして、ソウル・バスによるオープニングが、なんともいい味。何度観ても、飽きないです。
「我が家の楽園」を観たら、たけ子さんにご報告しますね。
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三年目の浮気って歌もありましたね (松たけ子)
2007-06-23 00:45:28
ゆきやっこさん、こんばんは!
感動を分かち合えないのは悲しいけど、独善的にならず、違う価値観も面白いと受け入れることができる懐の深さを備えたいなあと、いつもI wish♪
ビリー・ワイルダー監督も、素晴らしい作品ばかりですよね。「七年目の浮気」は、でも未見!モンローのスカートのシーンが観たいです。話も面白そうですね。最近は、可愛いオサセより、性悪なオサセっぽい女優が多いですよね。
「我が家の楽園」や、他にも素敵なクラッシク映画を御覧になったら、ご感想お聞かせ下さいね~!
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善意っていいですね。 (ゆきやっこ)
2007-07-18 00:06:32
たけ子さん、今晩は♪
ようやく、「我が家の楽園」を観ました。
いい話だった。
こういう世知辛い時代に生きている私にとって、この作品は、クラシックながら、新鮮な感動を与えてくれました。
家族の面々が、変わり者揃いで、実際お隣さんだったら絶対迷惑。でも仲間になったら楽しいだろうな~。
ライオネル・バリモア、上手いですね。最初っから「このじいさんは、只者ではない」雰囲気をかもし出していて、変人じいさんを、魅力的な人物像に仕上げていました。
たけ子さんが指摘していた、おじいさんのきつい非難の言葉ですが、昔の自分を思い出させるカービー氏に、つい、その頃の自分を投影して言ったものではないでしょうか。大の男が、突然仕事を辞めてしまう理由は、そんな軽いものではないと思うので、きっと何か深いキズがあるように思えました。
このおじいさんは、とぼけているけど、バカじゃない。善意の策士なのかもしれませんね。
フランク・キャプラらしいタッチに、つい涙・・・・・。ちょっとした心の洗濯をさせてもらいました。
この作品を、紹介してくださって、ありがとうございます
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優しくしないでね涙になるから (松たけ子)
2007-07-19 23:12:04
ゆきやっこさん、こんばんは!
ご感想、ありがとうございます!ほんと、世知辛い時代には、この映画の優しさ温かさって、新鮮で心が洗われますよね。
ライオネル爺さんのキツい言葉も、愛があるからこそ口にしてしまった、優しさの裏返しなんですよね。私には、あんな風に言ってくれる人、いないのが悲しいです。いや、他人をアテにしてばかりじダメ、私が善意の策士になれるよう、心を豊かにしたいです。
ゆきやっこさんも、佳いクラッシック映画を御覧にあったら、またぜひ紹介しておくれやす~☆
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