まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

ブラッディキャッスル

2016-01-11 | 日本映画
 ゴールデングローブ賞が発表されましたね!
 
 作品賞(ドラマ) 「レヴェナント 蘇えりし者」
 作品賞(コメディ)「オデッセイ」
 監督賞 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
 主演男優賞(ドラマ) レオナルド・ディカプリオ
 主演女優賞(ドラマ) ブリー・ラーソン
 主演男優賞(コメディ)マット・デーモン
 主演女優賞(コメディ)ジェニファー・ローレンス
 助演男優賞 シルベスター・スタローン
 助演女優賞 ケイト・ウィンスレット
 外国語映画賞 「サウルの息子」

 まずはレオ、おめでと!

 これで一気呵成にオスカーも受賞ですね!初受賞で感極まるレオが見たい!
 マット・デーモンの受賞も嬉しい!

 レオとマット、また共演してほしいな~。意表を突いて、コメディとかで。
 助演女優賞が、最大のサプライズだったケイト・ウィンスレット!

 おケイさんご自身もビツクリだったご様子。レオと彼女のタイタニックコンビ、久々の再会にもファンは狂喜!
 そしてそして!TV部門の主演男優賞に、何と!ガエル・ガルシア・ベルナル!

 メキシコのスターが、アメリカのテレビドラマでまさかの受賞。「モーツアルト・イン・ジャングル」早く観たい!
 その他の受賞者も、レディガガとかスタローンとかジェニファー・ローレンスとか、例年以上に派手でミーハーな結果だったGG賞。来たるオスカーノミネーションはどうなるか、ドキドキワクワクで発表を待ちたいですね

 レオ&おケイ、久々のツーショット。そろっての受賞に、タイタニック以来のファンは嬉しさと隔世の念。それにしても。いつ見てもこの二人、姉弟にしか見えんのお。レオのほうが年上なのにね。ハリウッドの大スターとして貫禄も恰幅も備えたレオが、今でもおケイの前では可愛い男の子に見えるところが、何か微笑ましく温かい気持ちにさせます。今をときめく演技派マイケル・ファスベンダーも、おケイにとっては可愛い舎弟も同然!

 「蜘蛛巣城」
 戦国時代。謀反を鎮圧した鷲津武時は、森で出会った妖婆から蜘蛛巣城の主になるという予言を受ける。それを知った武時の妻浅茅は、迷う夫を唆し主君を殺させる。予言通り、武時は城主となるが…
 「リア王」が原案の「乱」同様、シェイクスピアの「マクベス」をアレンジした黒澤明監督の1951年の作品。スピルバーグ監督や宮崎駿監督に多大なる影響を与えたことでも知られる名作です。
 いや~。聞きしに勝る傑作でした!今まで観た黒澤監督作品の中では、いちばん好きかも。なかなかお目にかかれない、異色の時代劇ですよね~。本格的時代劇の骨太さとダークファンタジーの妖しさが融合していたのが、独特かつ斬新でした。印象的なシーンはたくさんあるのですが、特に強烈で好きなのは、森での妖婆の予言シーンと、ラストの矢浴びシーンです。あの怒涛の矢のシャワー、実際に三船敏郎に向かって放ってるとか。大胆で無謀すぎる演出に驚嘆。サクっと手軽にできるCGとにはないリアリティと迫力。この2シーンは、圧巻の映像美と演出です。50年以上も前の作品なのに、いま観てもスタイリッシュでユニーク。黒澤監督の偉大さを、今さらながら思い知った私です。最近のドラマや邦画の時代劇は、お花畑系か軽薄系ばかりでトホホ。本格的な時代劇を作るための人材が、絶望的に不足してるんでしょうか。

 美しいモノクロが、荒々しく血みどろな内容や場面を、耽美的なヴェールで包んでいるようで素晴らしい。演出や演技に色濃く出ている能のテイストが、妖しく強烈です。
 主演の二人、戦国時代のマクベスとマクベス夫人である武時と浅茅夫妻を演じている三船敏郎と山田五十鈴が、凄絶でディープインパクト!

 猛々しいけど、実は小心者で優柔不断、重要なことは自分ひとりでは決定できず、流されやすくて操られやすい武時は、今の時代の政界や経済界にもいそうな男。こういう人が権力を握ってはいけないんですよね~。三船敏郎の、今の時代の俳優にはない男くささ、スケールの大きさ、重厚さが素敵です。その三船敏郎を圧倒、子どものような存在にしてしまっているのが、浅茅役の山田五十鈴。こ、怖い!あの白塗りメイク顔、仕草、歩き方、声音、すべてがまさにもののけ!妖怪じゃないのに、妖怪以上の禍々しさ、面妖さ。放ってる妖気、凄気がハンパない。子どもが見たら泣きますよ。座って喋ってる時の、あの人形のように身じろぎもしない姿が、おどろおどろしい~。不気味な衣擦れの音、すうっと暗闇の中に消えてゆき、すうっと再び現れるシーンも、妖女じみてて恐ろしい。ハイライトはやはり、マクベス夫人といえばの血がとれぬ~と狂ったように手を洗うシーン。黒澤明監督も絶賛したという山田五十鈴の名演には、目がクギヅケです。希代の大女優と、きれいなだけ可愛いだけ自称女優との違いを、まざまざと思い知ってしまいます。
 マクベスといえば。マイケル・ファスベンダー主演の「マクベス」が、今年日本で公開!マクベス夫人役は、マリオン・コティアール。うう~ん?マリ子は美人だし女優魂もあるので好きですが、悪女役や狂女役は似合わないような。マクベス夫人といえばの毒々しさ、貫禄、狂気はマリ子にはないし…まあ、山田五十鈴の強烈な名演怪演を凌駕できる女優って、なかなかいないとは思いますが…

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2 コメント

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好き好き! (くうこ)
2016-01-14 16:43:11
たけ子さんこんにちはー!

『白痴』は未見なのですが、こちらは鑑賞しました!
私も大好きです!蜘蛛巣城!

浅茅に子供ができたって場面で「えー!!」と驚いたりしたもんです。
ほんとインパクトありましたよねぇ!山田五十鈴さん!

黒澤監督が完璧主義ゆえに、この『蜘蛛巣城』の美術に凝りに凝って、更に孤立(シャレちゃいます)した、という逸話もなんか印象に残っています。

力強く魅せてくれる作品でしたよねぇ・・
私もまた観たいですわぁ。
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もう恋なんてしない (松たけ子)
2016-01-15 22:05:57
くうこさん、こんばんは!
くうこさんに触発されて、古き佳き時代の邦画を私も観たくなって、黒澤監督作品も。
蜘蛛巣城、いま観ても斬新で魅力的ですよね~。ほんと。演出もだけど、美術とか映像も素晴らしい。黒澤監督、あの矢攻めシーンとか、こだわりの鬼演出のせいで、三船敏郎とも大喧嘩だったとか?
あの浅茅と子づくりできるなんて、ある意味戦争で戦うよりも勇気が要りますよね~。山田五十鈴、スゴい女優。いま彼女みたいな女優、いないのが残念。
次は七人の侍とか観たいです☆彡
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