まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

夜明けまでのBL

2020-07-12 | 韓国映画
 「White Night」
 数年ぶりにソウルに降り立った客室乗務員のウォンギュは、テジュンという男娼を買うがセックスはできず、テジュンに冷たい仕打ちをしてしまう。テジュンはそんなウォンギュに憤りながらも、どこか翳りのある彼を放っておず、朝まで一緒にいることに。やがてテジュンは、ウォンギュに起きたある悲痛な事件と、彼の深い心の傷に気づくが…

 ゲイのリアルで痛ましくもメロウな愛を描いた「後悔なんてしない」のイソン・ヒイル監督の作品。同性愛に厳しく不寛容ってイメージがある韓国ですが、同性愛を題材にした映画製作は活発で、なかなかの衝撃作や秀作も少なくありません。この映画のBLは「後悔なんてしない」ほど濃ゆいイタい激愛ではなく、一夜限りの刹那の関係。出会ったばかりの若者二人が、朝までというタイムリミットを設けて一緒に行動し、やがて離れがたくなっていく…といった内容は、どこか名作「恋人までの距離」を思い出させます。

 「恋人までの距離」の男女と違い、この映画の男二人は寡黙で、本音とか心情などはほとんど口にせず、その沈黙がイタくて重い心の裡を饒舌に語ってるみたいでした。二人のバックグラウンドとか、説明らしい説明はほとんどなく、若いゲイの男二人が寒い夜の街を彷徨う様子を追うシンプルな内容には、男同士のアンなことコンなことや、キラキラドキドキなBLが好きな腐にはかなり物足りない、退屈かもしれない映画。凍えるような夜を通して浮かび上がってくるウォンギュの過去も暗くて重い。いくら昔よりもLGBTへの理解が深まり社会的権利も認められているとはいえ、まだまだ嫌悪や軽蔑も根強いのが現実なんですね。二人が彷徨う寒い夜の街が、ゲイが宿命づけられている孤独や悲しみ、虚無感とカブりました。

 ウォンギュの閉ざされた心や屈折した言動よりも、傷つけられても冷たくされてもウォンギュを許して寄り添うテジュンのけなげさ優しさ、ていうか人の善さ、いや、ドMさ?にほうが理解に苦しんだ。あんなにイケメンで心優しいのに、底辺生活から這いあがれず男娼をせざるを得ないテジュンに、やっぱ韓国の格差社会って険しく深刻だな~と暗澹となりました。

 ウォンギュ役のウォン・テヒは、ちょっと若い頃の近藤芳正似でイケメンではないけど、韓流俳優らしく長身でスタイルがいい。スチュワードの制服姿もカッコよかったです。テジュン役のイ・イギョンが、ワイルドスウィートなイケメン。エグザイルにいそうな風貌。彼も背が高くてスタイル抜群。ホテルでのセックス未遂シーンでは、二人とも大胆な全裸になって絡んでます。イ・イギョンの浅黒い艶肌と乳首、パンツを脱がされるシーンがエロかった。BLシーンはもうひとつ、公園のトイレでのファックシーンがラスト近くにあります。公衆便所での行為って、某タレントもヤッてたみたいですがありえんわ~。汚いし、他の人に迷惑でしょうが!公衆トイレでエッチはダメ!ぜったい!
コメント
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