まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

そんなマットにチクられて

2016-11-11 | 北米映画 08~14
 ジェイソン・ボーン日本公開記念!お松の独りマット祭②
 「インフォーマント!」
 大手食品会社の営業本部長であるマークは、会社が不正なカルテルに関わっているとFBIに内部告発する。マークの告発の裏には、さらなる秘密が隠されていたが…
 マット・デーモンが役作りで百貫デブになったことが話題に。特殊メイクじゃないところがスゴい。確かにすごい太ってましたが、うう~ん…ぶっちゃけ、超イケてました~女性のふっくらぽっちゃりは大好きな私ですが…私はデブ専どころか、だらしなく醜く肥えた男の贅肉が苦手で、北の将軍さまとかマツコデラックスとか、できればあまり目にしたくないのですが、この映画のマットなら全然OK、むしろ抱かれたい

 この映画のマット、デブはデブでもブヨブヨでもボテボテでもなく、すごく張りが合って堅そうなデブなんですよ。肥満って感じじゃないんです。デブにありがちな怠惰な鈍重さ、緩みがない。太ってるのに、動きは軽やかで敏捷、ほとんどじっとしてるシーンがないほどエネルギッシュ。普段のゴリマッチョな力強さ、頼もしさに、愛嬌と温かさとユーモアが加わって、ゴリラがクマのプーさん化してました。ハンパなく愛くるしい。癒される風貌でした。でも、これはマットだからこその奇跡なんでしょうね~。演技力がなく性格が悪そうな俳優は、ただの見苦しいデブになる可能性が高いので、同じような挑戦はやめたほうがいいかも。

 それにしてもマット、デブっても暑苦しさゼロな爽やかさ!大企業の重役ポジションである中年男の役なのに、全然おやじ臭がしないんですよ。おっさん役にはそぐわないほどの若々しさ。顔もツルツルでシワひとつないし。大学生といっても通じる見た目だった。あんな大学生、フツーにいますし。

 「ふたりにクギづけ」や「恋するリベラーチェ」など、コメディも得意なマット。今回の彼も、なかなかの喜劇役者っぷりでした。軽妙でトボけた味わいの中にも、キラリと光る知性がマットならではでした。主人公のマーク、かなり心に闇を抱えたコワレ人なのですが、ありがちな狂気演技ではなく、徹頭徹尾明るさと善良さを貫くことで、返ってヤバさを浮き彫りにしてたマット。彼の役者としての技量の高さに、あらためて感嘆。

 内部告発は正義感にかられてなのか、それとも恐るべき野心のためか、はたまた病んだ精神のせいか。真意を読ませないマークに 翻弄される会社やFBI、家族の姿がコミカルに描かれています。実話を基にしているらしく、日本の某大会社も実名で登場。あれ、いいの?!訴えられなかったのでしょうか。日本をかなりおちょくった描写が、ちょっと不快でした。ほとんどのアメリカ人って基本は、何の根拠もなくアジア人のことを下に見てるんでしょうね~。アメリカ人のほうがよっぽど浅はかで愚劣だと思うことが多いけど…

 ↑この人、ジェイソン・ボーンと同一人物
 チャーミングなおもしろキャラになってたけど、実際にマークみたいな人が自分の夫、上司あるいは部下だったら、すごい迷惑だろうな~。でも何であんなおかしくなっちゃったんでしょう。生まれついての虚言癖なのでしょうか。あんなに賢くて教養も学歴も社会的ステイタスもあってコミュ力も高いのに、残念すぎるわ。でも、スケールの大小の違いはあれ、マークみたいな人っていますよね~。悪意や他意なくウソばっかついてる人。自分ではウソだと思ってないところが怖い。虚言癖に頭の良さが加われば、マークみたいなトンデモない詐欺師になってしまうのですね。どんなに巧妙な嘘つかれても、見た目が大泉洋とか宮根みたいだったら身構えることができそうだけど、マットみたいな胡散臭さ皆無な、誠実を絵に描いたような男なら、いくら用心深い私でも騙されない自信はない…
 マットとは、オーシャンズシリーズや恋リベなど、多くの作品で組んでるスティーヴン・ソダーバーグ監督作品。若かりし頃のマット同様、ソダバ監督も昔は何となく知性や才能をひけらかす気取りや驕慢さが作風にありましたが、だんだん円くなってきて、今作や恋リベみたいな楽しい作品を作るようになりました。

 マットはジョージ・クルーニー兄貴が監督の新作で、またデブってるらしいです 
コメント (2)
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