「アリスのままで」
幸せな家庭と順調なキャリアに恵まれていた言語学者のアリスに、言葉や記憶が覚束なくなるという症状が。彼女は若年アルツハイマー病を発症していた…
ううう~ん…身につまされる映画を観てしまいました。若年アルツハイマー、怖すぎます劇中、『まだ癌のほうがまし』というアリスの台詞があるのですが、ほんとその通りだよな~と深く頷いてしまいました。癌なら、辛いけど周囲の理解も同情もケアも得られるし、何より命を終えるための準備や心づもりも自分でできる。最期まで自分自身でいられるけど、アルツハイマーのような痴呆症は…迷惑なボケ老人!と疎まれ蔑まれ、介護も大変。何より、記憶だけでなく自分自身まで失っていく怖さ、悲しさは癌の比ではありません。自分の意思に反して誇りや尊厳を失くしてしまうのは、命を失うことより恐ろしいです。アリスの場合は、知性もルックスも人柄もすぐれていたから、よけい悲惨に思えました。
。
私の祖母も、亡くなる前の数年間は痴呆状態で、それはそれは大変でした。本人よりも、周囲が。言い方は悪いけど、ボケたもん勝ちというか…完全に恍惚のひと化してしまえば、本人は返って楽になれるように思えます。でもアリスは、いちばん悲惨なパターン。正気と痴呆の行ったり来たりの、いわゆるまだらボケ。私がおかしい、周囲に迷惑をかけている、怖い、助けて、という自覚からくる不安や苦痛、羞恥や罪悪感…自分がどんどんコワレていくのが分かるのに、どうしようもない。なすすべもなくてコワレていくしかない、自殺したくてもできない、という生き地獄!セッションやマッドマックスとかの恐怖は、私にはありえないので面白おかしく笑いとばせるけど、アリスの恐怖は明日は我が身なリアルな恐怖。アルツハイマーは遺伝(!!)と医者から告げられ、アリスの家族がショックに打ちひしがれる姿も、戦慄を禁じ得ない悲劇でした。家族の苦悩はわりとサラっと描かれていて、ほんとなら生活や家族関係にはもっと破綻や不和が生じたり、醜態をさらしたりするはずなんだけどな、という物足りなさも否めませんでしたが、見苦しくイタい修羅場が展開されなかったので、ちょっと安堵しました。
アリスを演じたジュリアン・ムーアは、念願のオスカーを初受賞。美しく知的で優しいヒロインがじわじわ壊れていく過程を、髪振り乱しての大熱演!ではなく、繊細に美しく演じていたのが返って胸を衝きました。症状が出ているシーンもすべてが悲痛ではなく、何となく軽やかにトボケた感じがすることもあって、名女優の余裕と実力を再認識。彼女のシンプルかつフェミニンなファッションも素敵でした。
アリスの次女役は、「トワイライト」シリーズのクリステン・スチュワート。人相悪いな~と常々思ってたけど、この映画でもそれは不変。優しそうなジュリアン・ムーアとアレック・ボールドウィン(も、すっかり枯れた初老おじさまに。今もカッコいいけどね)から、クリステンみたいな娘が生まれるもんかね?彼女の魅力がいまだに理解できてない私。ヒロインだと違和感あるけど、脇役だと悪くなかったです。アリスの長男がイケメン!誰?と、さっそくチェキラー!ハンター・パリッシュくん、人気TVドラマにも出ているとか。今後の活躍が期待されます。
↑シャネルのショーに出席したジュリアン・ムーアをエスコートしてるのは、超大物俳優&大女優を両親にもつウルトラサラブレット!現在モデル、ラッパーとして活動してるとか。もうこんなに大きくなってたんですね~。隔世…
幸せな家庭と順調なキャリアに恵まれていた言語学者のアリスに、言葉や記憶が覚束なくなるという症状が。彼女は若年アルツハイマー病を発症していた…
ううう~ん…身につまされる映画を観てしまいました。若年アルツハイマー、怖すぎます劇中、『まだ癌のほうがまし』というアリスの台詞があるのですが、ほんとその通りだよな~と深く頷いてしまいました。癌なら、辛いけど周囲の理解も同情もケアも得られるし、何より命を終えるための準備や心づもりも自分でできる。最期まで自分自身でいられるけど、アルツハイマーのような痴呆症は…迷惑なボケ老人!と疎まれ蔑まれ、介護も大変。何より、記憶だけでなく自分自身まで失っていく怖さ、悲しさは癌の比ではありません。自分の意思に反して誇りや尊厳を失くしてしまうのは、命を失うことより恐ろしいです。アリスの場合は、知性もルックスも人柄もすぐれていたから、よけい悲惨に思えました。
。
私の祖母も、亡くなる前の数年間は痴呆状態で、それはそれは大変でした。本人よりも、周囲が。言い方は悪いけど、ボケたもん勝ちというか…完全に恍惚のひと化してしまえば、本人は返って楽になれるように思えます。でもアリスは、いちばん悲惨なパターン。正気と痴呆の行ったり来たりの、いわゆるまだらボケ。私がおかしい、周囲に迷惑をかけている、怖い、助けて、という自覚からくる不安や苦痛、羞恥や罪悪感…自分がどんどんコワレていくのが分かるのに、どうしようもない。なすすべもなくてコワレていくしかない、自殺したくてもできない、という生き地獄!セッションやマッドマックスとかの恐怖は、私にはありえないので面白おかしく笑いとばせるけど、アリスの恐怖は明日は我が身なリアルな恐怖。アルツハイマーは遺伝(!!)と医者から告げられ、アリスの家族がショックに打ちひしがれる姿も、戦慄を禁じ得ない悲劇でした。家族の苦悩はわりとサラっと描かれていて、ほんとなら生活や家族関係にはもっと破綻や不和が生じたり、醜態をさらしたりするはずなんだけどな、という物足りなさも否めませんでしたが、見苦しくイタい修羅場が展開されなかったので、ちょっと安堵しました。
アリスを演じたジュリアン・ムーアは、念願のオスカーを初受賞。美しく知的で優しいヒロインがじわじわ壊れていく過程を、髪振り乱しての大熱演!ではなく、繊細に美しく演じていたのが返って胸を衝きました。症状が出ているシーンもすべてが悲痛ではなく、何となく軽やかにトボケた感じがすることもあって、名女優の余裕と実力を再認識。彼女のシンプルかつフェミニンなファッションも素敵でした。
アリスの次女役は、「トワイライト」シリーズのクリステン・スチュワート。人相悪いな~と常々思ってたけど、この映画でもそれは不変。優しそうなジュリアン・ムーアとアレック・ボールドウィン(も、すっかり枯れた初老おじさまに。今もカッコいいけどね)から、クリステンみたいな娘が生まれるもんかね?彼女の魅力がいまだに理解できてない私。ヒロインだと違和感あるけど、脇役だと悪くなかったです。アリスの長男がイケメン!誰?と、さっそくチェキラー!ハンター・パリッシュくん、人気TVドラマにも出ているとか。今後の活躍が期待されます。
↑シャネルのショーに出席したジュリアン・ムーアをエスコートしてるのは、超大物俳優&大女優を両親にもつウルトラサラブレット!現在モデル、ラッパーとして活動してるとか。もうこんなに大きくなってたんですね~。隔世…