ネットの記事で、夕刊フジ編集委員・江尻良文という人が書いたものを見つけた。
それは、いかにも夕刊フジらしい、底の浅い批判記事だった。
まず、まだ本人が表明すらしていないのに、「今オフに海外FAでメジャー入りが有力視されているソフトバンク・和田毅投手(30)、川崎宗則内野手(29)に対し、球団側は早々と残留要請しているという。2人とも受け入れた方が賢明だ。レベルダウンした日本人メジャーリーガーばかりで、ファンはウンザリしているからだ」という憶測記事で、この駄文は始まる。
私は、プロ野球には、あまり詳しくないのだが、ペナントレースが始まって2ヶ月も立たないうちに残留要請をするのは、当たり前のことなのだろうか。
本当に残留要請があったというのなら、「憶測記事」というのは撤回するが。
ただ、記事中の「レベルダウンした日本人メジャーリーガーばかりで、ファンはウンザリしているからだ」のファンは、何を指しているのだろう。
メジャーリーグファン? プロ野球ファン? それとも、曖昧な書き方をして、どちらでも解釈できるようにしたのか。
誰が、うんざりしているのだろう?
私の読解力が貧しすぎて、理解できなかった。
そして、次に唐突に張本勲氏の「メジャーなんて“ダメジャー”だから、話題にする必要すらない。日本の選手は日本球界で頑張ればいいんだ」という話を持ち出して、メジャーリーグを槍玉に上げる。
さて、張本勲氏が「メジャーなんて“ダメジャー”」と言っている根拠は何なんだろう。
私は、野茂英雄氏より前の「古い時代の野球有名人」の言動には、興味がないので、ご老人が日頃から何を言っているのかを知らない。
鎖国時代の野球有名人が、何を言っても、あまり説得力を感じない。
しかも、「ダメジャー」などという、恐ろしく品質の劣化した言葉を使う人のことばを取り上げる勇気はない。
夕刊フジの江尻良文氏は、とても勇気のある人だ。
それだけは、褒められていい。
薄っぺらで勇気のある記事は、さらにこう続く。
「そんな厳しい現実を直視せず、相変わらずメジャー行きを口にする選手が後を絶たない。ソフトバンク・川崎、和田の2人だけではない。楽天・岩隈久志、西武・中島裕之、来季海外FAの資格取得予定の阪神・藤川球児…。自分の実力、足下を見つめ直さないと、ファンからもそっぽを向かれてしまう」
そして、ダルビッシュ選手だけが、メジャー挑戦をする権利があり、「新たな日本人メジャーリーガーは、日本プロ野球界を代表し、ファンが素直に熱い声援を送れる、メジャー側が脱帽するようなスーパースターだけに限定してほしい」と締めくくっているのである。
日本プロ野球機構側が、日本人選手が、メジャーリーグに行くことを容認している以上、希望者がメジャーに行くのは、当然の権利である。
それは、実力云々ではない。
彼らの当然の権利なのだ。
「ダメジャーになんか行くな。レベルダウンした選手をメジャーに行かせて、もしいい成績を残せなかったら・・・・・」
余計なお世話である。
レッドソックスの岡島秀樹投手は、メジャー挑戦一年目は、ほとんど期待されていない選手だったが、オールスターに出るほどの活躍をした。
今期、残念ながら、3Aに落とされてしまったが、彼の今までの挑戦は、無駄ではなかったと思う。
彼はメジャーで確実に足跡を残した。
張本氏が言うところの「ダメジャー」でだ。
そして、彼は、今もおそらく、「ダメジャー」に這い上がろうと、自分を追い込んでいるに違いない。
「ダメジャー」こそが、自分のいる場所だと、思っているに違いない。
FAの資格を持った選手の「権利」を「夢」を、まるで対岸の火事を見るように「ウンザリだ」というのは自由だが、それなら、夕刊フジは、レベルダウンした選手がダメジャーで活躍したとしても、報道しないでほしい。
ずっと、ウンザリしたままでいてほしい。
レベルダウンした選手に、夢を見ることを諦めさせたいなら、自らも報道するのをやめないと、フェアではない。
マスメディアが、確かな根拠を元に、すべての事象を記事にする権利があるのと同じように、プロスポーツの選手もその「資格」を得たなら、それを当然のように行使する権利がある。
それは、「ウンザリだ」などという底の浅い言葉で表現できるものではなく、彼らが自分の実力で得た「プロスポーツ選手の尊厳」と言っていいものだ。
プロ・アスリートを尊敬していない人が文章を書くと、体面だけを気にした表層的なものですべてをまとめようとする。
要するに、小手先だけだ。
記事をまとめることだけが仕事だと勘違いしているから、ご都合主義的な取材をして、ご都合主義的な文章を書いて「一丁あがり!」。
レベルダウンして、地の底まで落下した文章を読むのは、もう「ウンザリだ」。
それは、いかにも夕刊フジらしい、底の浅い批判記事だった。
まず、まだ本人が表明すらしていないのに、「今オフに海外FAでメジャー入りが有力視されているソフトバンク・和田毅投手(30)、川崎宗則内野手(29)に対し、球団側は早々と残留要請しているという。2人とも受け入れた方が賢明だ。レベルダウンした日本人メジャーリーガーばかりで、ファンはウンザリしているからだ」という憶測記事で、この駄文は始まる。
私は、プロ野球には、あまり詳しくないのだが、ペナントレースが始まって2ヶ月も立たないうちに残留要請をするのは、当たり前のことなのだろうか。
本当に残留要請があったというのなら、「憶測記事」というのは撤回するが。
ただ、記事中の「レベルダウンした日本人メジャーリーガーばかりで、ファンはウンザリしているからだ」のファンは、何を指しているのだろう。
メジャーリーグファン? プロ野球ファン? それとも、曖昧な書き方をして、どちらでも解釈できるようにしたのか。
誰が、うんざりしているのだろう?
私の読解力が貧しすぎて、理解できなかった。
そして、次に唐突に張本勲氏の「メジャーなんて“ダメジャー”だから、話題にする必要すらない。日本の選手は日本球界で頑張ればいいんだ」という話を持ち出して、メジャーリーグを槍玉に上げる。
さて、張本勲氏が「メジャーなんて“ダメジャー”」と言っている根拠は何なんだろう。
私は、野茂英雄氏より前の「古い時代の野球有名人」の言動には、興味がないので、ご老人が日頃から何を言っているのかを知らない。
鎖国時代の野球有名人が、何を言っても、あまり説得力を感じない。
しかも、「ダメジャー」などという、恐ろしく品質の劣化した言葉を使う人のことばを取り上げる勇気はない。
夕刊フジの江尻良文氏は、とても勇気のある人だ。
それだけは、褒められていい。
薄っぺらで勇気のある記事は、さらにこう続く。
「そんな厳しい現実を直視せず、相変わらずメジャー行きを口にする選手が後を絶たない。ソフトバンク・川崎、和田の2人だけではない。楽天・岩隈久志、西武・中島裕之、来季海外FAの資格取得予定の阪神・藤川球児…。自分の実力、足下を見つめ直さないと、ファンからもそっぽを向かれてしまう」
そして、ダルビッシュ選手だけが、メジャー挑戦をする権利があり、「新たな日本人メジャーリーガーは、日本プロ野球界を代表し、ファンが素直に熱い声援を送れる、メジャー側が脱帽するようなスーパースターだけに限定してほしい」と締めくくっているのである。
日本プロ野球機構側が、日本人選手が、メジャーリーグに行くことを容認している以上、希望者がメジャーに行くのは、当然の権利である。
それは、実力云々ではない。
彼らの当然の権利なのだ。
「ダメジャーになんか行くな。レベルダウンした選手をメジャーに行かせて、もしいい成績を残せなかったら・・・・・」
余計なお世話である。
レッドソックスの岡島秀樹投手は、メジャー挑戦一年目は、ほとんど期待されていない選手だったが、オールスターに出るほどの活躍をした。
今期、残念ながら、3Aに落とされてしまったが、彼の今までの挑戦は、無駄ではなかったと思う。
彼はメジャーで確実に足跡を残した。
張本氏が言うところの「ダメジャー」でだ。
そして、彼は、今もおそらく、「ダメジャー」に這い上がろうと、自分を追い込んでいるに違いない。
「ダメジャー」こそが、自分のいる場所だと、思っているに違いない。
FAの資格を持った選手の「権利」を「夢」を、まるで対岸の火事を見るように「ウンザリだ」というのは自由だが、それなら、夕刊フジは、レベルダウンした選手がダメジャーで活躍したとしても、報道しないでほしい。
ずっと、ウンザリしたままでいてほしい。
レベルダウンした選手に、夢を見ることを諦めさせたいなら、自らも報道するのをやめないと、フェアではない。
マスメディアが、確かな根拠を元に、すべての事象を記事にする権利があるのと同じように、プロスポーツの選手もその「資格」を得たなら、それを当然のように行使する権利がある。
それは、「ウンザリだ」などという底の浅い言葉で表現できるものではなく、彼らが自分の実力で得た「プロスポーツ選手の尊厳」と言っていいものだ。
プロ・アスリートを尊敬していない人が文章を書くと、体面だけを気にした表層的なものですべてをまとめようとする。
要するに、小手先だけだ。
記事をまとめることだけが仕事だと勘違いしているから、ご都合主義的な取材をして、ご都合主義的な文章を書いて「一丁あがり!」。
レベルダウンして、地の底まで落下した文章を読むのは、もう「ウンザリだ」。