リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

クズ人間ふたり

2016-12-25 08:26:00 | オヤジの日記
井の頭線に乗っていたときのことだ。

渋谷から吉祥寺へ。
車内は、12時前ということもあってか中途半端な混み方をしていた。

満員というわけではない。
しかし、座席は、ほぼ埋まっていた。

電車が久我山駅に着いた。
そのとき、親子3人連れが、車内に入ってきた。

奥さんが、一つだけ空いた席に、ためらうことなく座った。
旦那さんは、大きな紙袋を3つ手に提げていた。
ボーナスで、楽しいものを買ったと見受けられた。

奥さんは、とても満足そうな顔をしていた。
しかし、そのとき幼い抗議の声が聞こえた。

「ママは、ずるいよ。
ママは、軽いバッグ一つだけど、パパは大きな荷物を3つも持っているんだよ。
座るのは、ママじゃなくて、パパでしょ!」

幼い声の主は、5、6歳くらいの女の子だ。
幼いが、張りのある声で「ずるいよ!」とまた抗議した。

奥さんは、「ゴメンゴメン」とばつが悪そうな顔で、夫に席を譲った。
席をゲットできた夫は、笑いながら「ありがとな」と娘の頭を撫でた。

それは、車内が笑顔になる光景だった。


その光景を見て、我が娘の幼稚園の面接を思い出した。

17年前、娘が4歳のときのことだった。

娘とヨメと私は、面接官の前にいた。
面接官は、園長先生と年輩の先生の二人だった。

当たり障りのないことを聞かれたので、当たり障りのない答えを返した。
娘も、子どもらしい当たり前の答えを返していたと思う。

最後に、園長先生が、娘に聞いた。
「夏帆ちゃんは、お父さんお母さんのことを、どう思いますか?」

これも、まともな問いかけだった。
しかし、このあと娘は、みんなが、ぶっ飛ぶようなことを言ったのだ。

「ママは、パパを、こき使い過ぎです!」

全員の口元が「え」になった。

娘は、かまわずに続けた。
「パパは、仕事もして、料理も作って、洗濯もして、ゴミも出します。買い物にも行きます。
働き過ぎなんです!」

「え」の口から、最初に立ち直ったのは、園長先生だった。

「それで、お母さんは、何をしているの?」
笑顔で聞いた。

「ママは、掃除だけです。
キレイ好きなんです」

そして、大きく息を溜めてから「スッゴク!」と力を込めて言った。

園長先生と年輩の先生は、手を叩いて喜んだ。

しかし、我々夫婦は、蒼白だった。
やっちまった、と思った。


そのときのことを、韓国留学中の娘に、Skypeのビデオ電話で「覚えているか」と聞いてみた。

「覚えているぞい。
あれは、初めて覚えた難しい言葉だったから、使ってみたかったのさ。
ファンキーなガキだったろ?」

ファンキーすぎて、ぶっ飛んだよ。

そして、娘は、こう話を続けた。

「だいぶ前から薄々気づいていたんだけどな・・・。
おまえって、本来はナマケモノだよな」


よくご存知で。

私は、40年前に死んだ祖母のことを今も尊敬していた。
祖母は、若い頃、男尊女卑の時代に、島根県で師範学校の教師をしていた。
とても優秀な教育者だったと聞く。

その優秀な教育者が、私が小学校に上がる前日に、こう言ったのだ。

「あなたは馬鹿で怠け者だから、絶対に休んでは駄目ですよ。
休まなければ、あなたは必ずできます。
いいですね」

馬鹿で怠け者の私は、祖母の言いつけを守った。
学校は休まなかったし、陸上部の練習も仕事も休まなかった。
熱があっても学校に行ったし、練習にも仕事にも行った。

休まなかったおかげで、できることが増えた。
祖母は、正しいことを言ったと思った。

同じように、娘も休まない。
小中高大学と休んだことがない。
アルバイトも休んだことがない。
留学先でも皆勤だ。

39度近い熱があったときも学校に行った。
私が、休めば、と言うと、娘はムキになって「では聞くけどな・・・おまえは熱が出たら休んだか?」と口を尖らせた。

そう言われたら、何も言えない。
「無理をするなよ」と送り出すしかない。

「ボクもおまえも、結局は怠け者なんだよな。
休むのが怖いんだ。
休んだら、ただのクズ人間だからな」

「マミーがおまえをこき使うのは、その辺のことを知っているからだろうな。
こいつは、休ませたら、休みっぱなしになるって思っているんだろう」


たしかに、俺は、クズ人間だな。
納得した。


そうつぶやいたとき、画面に金髪の女の子が顔を出した。
娘のクラスメイトであり、ルームメイトであるブルガリア人だ。

身長181センチのGカップ。
顔は、妖精のように可愛い。

その子が、「KUZU? WHAT?」と娘に聞いた。

「Let's call him KUZU」と、娘が私を指さして答えた。

妖精が、この世の美をすべて集めたような笑顔で「クズ」と言った。
娘も「クズ」。
そして、妖精が「クズ」。
また、娘が「クズ」。


「クズ」の4打席連続ホームランか~い!


しかし、娘と妖精に、クズと言われるなら、私は本望だ。
いつ死んでもいい。



こう思う俺は、本当に「クズ」なのだろうか?





さて、みなさま・・・ハッピー・クリスマス!
(君たちが強く望むなら、争いは終わる)

            by ジョン・レノン


推測はゲスの極み

2016-12-18 08:30:00 | オヤジの日記
私が人に言われて困る言葉。

それは、「器用だよね」だ。

一か月前にも、業者さんとの話の中で、そう言われた。
相手は褒めているつもりだろうが、嬉しくない。
不本意だ。

相手は、私より10歳くらい年下だが、看板制作のプロフェッショナルとして尊敬しているので、いつも私は敬語で接していた。

いや、俺は器用なんかじゃないですよ。
世の中の99.9パーセントのことができないです。

子どもを産む機能を持っていません。
タイムマシンも作れない。
世界を平和にできない。
未来を予知できない。
そして、一番ダメなのは、人を幸せにする能力がないことです。

「からかってるんですか?」とキレられた。

からかってはいません。
素直に、自分の意見を述べただけです。

もちろん、いくら馬鹿な俺でも、それがお世辞だということはわかります。
お世辞に、過剰に反応するのが野暮だというのも、俺はわかっています。

この場合、気持ちよく受け入れることが、大人の対応だということも、わかっているんです。


ですが、たとえば、私がフ●●●さんに、こんなことを聞いたら、どうでしょうか?

フ●●●さんは、車の国際B級ライセンスを持っているんですよね。
それの方が、すごくないですか。

「いや、何の役にも立っていませんから。宝の持ち腐れですよ」

いま・・・謙遜しましたよね。

それは、当然の反応だと思います。
それは、フ●●●さんが持つライセンスが、謙遜に値するレベルだからです。

つまり、そのライセンスは、謙遜する価値があるものなんです。
でも、誰かが俺に対して言う「器用ですね」は、ただのお世辞で、しかも甚だしい誤解です。

謙遜に値しないレベルなんです。

だから、俺は「器用ですね」と言われても、謙遜はしません。
見当違いなんですから。

申し訳ないとは思いますが、現実と違うことを言われたら、謙遜するわけにはいきません。

(冗談で言ったつもりだったが、私の言い方が身もふたもないものだったせいか、これを冗談と取ってくれる人は少ない)


そんな可愛げのないことを言うから、私の仕事用のメールアドレスに「偉そーに上から目線で」などという、名無しの人からのメールが来る。


ところで、その「名無しの人」からのメールアドレスを何度も何度も読み返していたら、閃いたものがあった。

アドレスの2つのセンテンスから、ある人のものを推測することができたのだ。
その人が、仕事で使っている車の車種とカーナンバーだった。

車種は知っていても、ナンバーまでは知らないと思ったのだろうか。
だが、自分でも忌々しいとは思うが、私は覚えていたのである。



もちろん、この推測が間違っていることを祈りたい。
そして、こんなことをブログにのせるのは卑怯だというのも承知だ。

だが、名無しで人を誹謗するのも同じように卑怯な行為だ。

要するに、お互いが卑怯だ。


ただし、この車種とナンバーは、まったくの偶然で、たまたま一致したという可能性も大いにある。
私は、その方が嬉しい。


推測は、ただの推測。
ゲスの極みだ。


だから、間違っていたら、謝ります。



しかし、誰に・・・謝ればいい?



上から目線ブログ

2016-12-11 06:51:00 | オヤジの日記
変なメールが来た。

私のブログを読んでの感想だった。

「おまえのブログだけど
偉そーに、上から目線で言うなよ。
つまらないんだよ」

たった、それだけのメールだった。

私は、仕事用のアドレスを2つ。
個人用を2つ持っている。

その中の仕事用のメールアドレスに届いたのだ。
つまり、仕事関係の人だろうと推測した。

しかし、すべての仕事関係の方たちのメールアドレスを調べてみたが、該当するものはなかった。
要するに、私のように、複数のアドレスを持っている人なのだろう。

この感想の困るところは、具体的なことが書いていないところだ。
どのブログのどの箇所が「偉そーな上から目線」なのかが、まったくわからない。

だから、ゴメンナサイと謝りようがない。


私は2つのブログを持っているが、このメールの主さんは、そのすべてが「偉そーな上から目線」だと言っているのだろうか。

ただ、申し訳ございませんが、私は今の文体を変えるつもりはございません。
この場合、どの箇所が「偉そーな上から目線」かを教えていただければ、その度に謝ることは、やぶさかではございません。

私のブログを読んで不愉快になられる方がおられたら、それはすべて私の不徳の致すところでございます。

具体的なご指摘をいただけたら幸いと存じます。

よろしくお願いいたします。



 


さて、我が娘の学期間休みが今日終わるため、娘はまた韓国に戻ることになった。

次の休みは、12月30日から1月1日まで。

娘の留学する大学では、日本のような正月休みはない。
大晦日と元日だけが休みだ。

そこで、娘は30日を自主休講として、29日の授業後に日本に帰ることにした。
そして、元日にはもう韓国に戻る。

なんとも慌ただしい年末年始だ。

30日には、お友だち4人と新宿2丁目のゲイバーに行く約束をしたようだ。

なぜ、ゲイバー?

「それは、ホストクラブに行くのがイヤだったからさ」

たいへん論理的な答えが返ってきた。

「おまえも付いてくるか?」と誘われたが、いや、私は男に人気があるから危険が険しく危ない、と断った。

「わかるー」と娘。


では、これから成田まで娘を送っていきましょうか。



(今日は、ゼッタイ泣かないぞ)


卵がけご飯の威力

2016-12-04 08:28:00 | オヤジの日記
韓国留学中の娘が、予定より一日早く帰国した。

前期の授業が終わって、10日間の休みができた。
それで帰国したのだが、本当は土曜日帰国の予定が、金曜日に帰ってきたのだ。

前期の修了式で、思いがけず、成績が留学生全体でトップだったことを知り、舞い上がったまま飛行機に乗ってしまったのである。
金曜日は、買い物に費やす予定だったが、「それどころじゃねえ!」と飛んで帰ってきた。


成田駅の到着ゲートで、いきなり抱きつかれたときは、驚いた。
今回は泣かないつもりだったが、泣いた。

会わなかった3か月分の思いが詰まった抱擁だった。

その日は、夜中の4時まで、亀田の柿の種を食いながら、私はビール、娘は缶チューハイを飲みながら語り明かした。

留学生活の楽しいこと、辛いことを色々と語ってくれた。


同じクラスで仲良くなったブルガリア人の子は、身長181センチのGカップだという。
韓国に来てから50回以上、韓国の男に言い寄られたが、ブルガリアに恋人がいるので、すべて断った。
しかし、めげずに口説く男が後を絶たないらしい。

大学で朴槿恵大統領への抗議デモがあった。
150人程度の小さなデモだった。
そのデモのとき、10人くらいの中国人グループが、「私たちには関係ないわ」とばかりに、デモ隊を横切って通り過ぎようとして、デモ隊と喧嘩になった。

150人程度のデモなら、通り過ぎるまで待てばいいと思うのだが、中国人はどんな状況でも我流を貫くようだ。


同じ英語クラスの留学生のうち、中国人は丁度半分。
前期の授業が終了するので、親睦会の形で、全員で食事に行った。

頼んだのは、ピザとフライドチキン、サンチュを使った洋風のサラダとエビを炒めたものだった。
しかし、出てきた料理を食べた中国人はみな、「中国のものと味が違う」と言って、ひと口食べただけで食べるのをやめた。

もったいないので、他の国の子たちが、残り物を持ち帰った。
娘は、フライドチキンの食べ過ぎで、丸一日胃がもたれたと嘆いた。

その自由な生き方は、うらやましい、と親子して感心した。

英語の他に韓国語も上達した娘は、韓国人と親しくなった。
大学の人ではないが、よく行くスーパーの若い店員と仲良くなったのだという。

「え? 本当に日本人? 発音キレイだから、韓国人だと思ったよ」と褒められた。
娘と同い年の店員は、娘のことを気に入って、買い物をするたびに、自分の家で漬けたキムチをくれた。
その結果、あまりキムチが好きではなかった娘が、今ではオヤツ感覚で食べているという。

同じクラスの台湾人とは、週に一回外食をする仲になった。
しかし、その場には、必ずその台湾人の彼氏が同席した。

彼氏は韓国人。
しかも、とても嫉妬深いようだ。
台湾人の彼女が、誰と友だちで、何をしているかが、とても気になるらしい。

だから、食事の度に、必ずついてきた。
ただ、好都合なのは、必ず彼氏が奢ってくれることだ。
鬱陶しいが、それだけは助かると言っていた。

台湾人と彼氏の韓国人は酒が弱い。
ワインを1本頼むと、二人は一杯飲んだだけで真っ赤になる。
しかし、我が娘は、全然平気だ。
(おそらく私のDNAを受け継いでいるからだろう)

だから、残りを一人で飲むことになる。
だが、まったく酔わない。

二人からは、「大丈夫? 病気になるよ」と言われたとき、娘は「私の父ちゃんは、この何倍も飲んでも生きてるから」と答える。

「オオ、クレイジー!」と言われるらしいが、娘は笑いながら日本語で「それなー」と、いつも答えていた。


柿の種を食いながら、酒を飲んだあとで、娘が「卵がけご飯が食いたいな」と言った。
韓国の卵は殻が薄くて、黄身の色が薄いらしい。
匂いも生臭くて、ご飯にかける勇気が出ない。

かなり火を通さないと食べられない予感がして、フレンチトースト、親子丼以外では使うことはなかった。
だから、無性に卵がけご飯が食いたかったというのだ。

午前4時、親子で卵がけご飯を食った。

貪るように食った。

「うめーな」
「日本の味だな」
「生で卵が食える歓びを感じるな」
「最高のゴチソーだな!」


3か月ぶりに日本に帰った娘は、卵がけご飯で、日本を強く感じたようだ。



卵農家のみなさま、我々親子は、今とても日本の卵に感謝しております。