リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

気になるニュース

2012-07-25 08:26:48 | オヤジの日記
大津市の中学生自殺の事件に関する、中日新聞の7月23日記事は、次の通り。


中日記事


これは、大津市立皇子山(おうじやま)中の男子生徒が飛び降り自殺した事件で、いじめたとされる同級生の母親と間違われ、インターネットで中傷され脅迫状も受けた大津市の女性が中日新聞の取材に応じ、「相手の顔は見えず声も聞こえないだけに、よけいに恐怖を感じる」と打ち明けた、という記事だった。


人を弾劾するなら、責任を持ちましょう。

ただ人を裁きたいだけで、不確かな情報をばらまくのは、「情報の暴力」だ。

思い込みや推測だけで、人を中傷する人は、加害者と同列にいるひとだと、私は思っている。





ところで、プロ野球の選手会が、WBCの不参加を決めたというニュース。

私は、プロ野球における選手会の立ち位置がよくわからないので、参加、不参加に関しての意見はない。

ただ、NPB(日本野球機構)に関しては、一つの疑問を持っている。

最初に、WBCを開催するにあたって、MLB66%、NPB13%の配分を、NPB側はなぜ、了承したのだろうか、ということ。

彼らの中に、その配分に異を唱える人は、いなかったのだろうか。

いま、配分比率が不公平である、ということが騒がれているようだが、NPBの責任者たちは、契約の段階で、その不公平さについて、何の疑問も持たなかったのだろうか。

疑問を持たなかったから、契約したのだとは思うが・・・・・。

まるで、かつての日米和親条約で交わされた片務的な「最恵国待遇」のような契約。
NPBの交渉能力が、安政のころと未だにに変わらないことに、驚かされる。

選手会には、主張を貫いて欲しいと思うが、「大人の事情」で、丸く収まる可能性もある。

そうなったらガッカリだが、それはいかにも「日本的な結末」で面白いかな、とも思う。


ただ、シーズン開幕前の大会というのがネックになって、メジャーリーグ側がベストメンバーを揃えられないという「中途半端な世界一決定戦」は、私としては、最初から興ざめだった。

だから、WBCは、ここでご破算にして、シーズン中に、最強メンバーを組んだ国の代表同士の戦いが新たに催されるのなら、サッカーのW杯なみに盛り上がるのではないか、と期待している。


むしろ、私は、そうなってくれた方が、嬉しい。


希望の轍

2012-07-16 08:18:52 | オヤジの日記
大学時代の友人Hが、昨年の6月に喉頭がんの手術を受けた。

殺しても死なないような男だったが、さすがにガンと宣告されて気分は落ち込んでいたようだ。

そんなこともあって、何の役にも立たないだろうとは思ったが、同じように喉頭がんの手術をして復活した桑田佳祐氏にあやかって、彼の名曲をCDーRにまとめて、入院前に友人に渡した。

・涙のキッス
・YAYA(あの時代を忘れない)
・真夏の果実
・慕情
・栞のテーマ
・Oh!クラウディア
・希望の轍
・EMANON
・明日晴れるかな
・彩 ~Aja~
・太陽は罪な奴
・八月の詩(セレナード)
・祭りのあと

友人は、このCDを気に入ってくれて、手術前、手術後、リハビリ終了、退院まで何度も聴いたらしい。

そして、今も突然聴きたくなることがあるらしく、夜中に起きて聴いたり、風呂で聴き、カーステレオで聴くこともあるという。

手術から6ヶ月ほど経った頃、もう一人の友人Kが私と友人Hをカラオケに誘った。
快気祝い、ということらしい。

しかし、私はカラオケが大嫌いなので、断った。
断ったのだが、私の2倍以上の体重がある友人Kが、力ずくで私をカラオケ店まで拉致したので、その暴力的な行為にヘソを曲げた私は、友人たちの歌を聴かずに、2時間近くをiPodを聴いて拒否の姿勢をとった。

友人Hは、時折泣きながらサザンオールスターズの歌を歌っていたが、大音量でiPodを聴いていた私は、それを聴き逃した。

その後私は、友人Kはともかく、友人Hには悪いことをしたと反省の日々を送ることになった。

だから、2日前、友人が退院して1年1ヶ月と11日経ったのを記念して、友人Hをカラオケに誘ったのである。

ただ、俺は絶対に歌わないからな、と念押しをするのは忘れなかったが。


2時間半のワンマンショー。
友人Hは、またサザンの歌を歌いまくった。

喉頭がんの手術をしたにしては、タフな喉である。

中でも、一番好きだと言う「希望の轍」を8回。
「明日晴れるかな」を4回熱唱されたときは、帰りたくなった。

しかも、すべて泣きながら歌っているし。

泣きたい気持ちはわからないでもないが、同じ歌を聞かされる私も、泣きたくなってきた。
それに、ちょっと飽きてきたし。

だから、歌う気は全くなかったのだが、俺にも一曲だけ歌わせてくれ、と私は、友人Hにお願いをしたのである。

サザンの歌を歌うのは、さすがに腹一杯でご勘弁を、という気分だったので数少ないレパートリーの中から尾崎豊の「I LOVE YOU」を選んだ。

数年ぶりのカラオケだったが、出だしは、下手くそなりに、歌い出せたと思う。

サビの部分も、私にしては奇跡的に音程のブレが少なかったと思う。

つまりは、いい気持ちで歌っていたということだ。

だが、小さな満足感に浸っていたところに、突然入り込んできたのが、友人Hである。
まるで人の手柄を横取りするように、2番から歌い始めやがったのだ。

それも、また泣きながら・・・・・だ。

友人Hは、一緒に歌おうと身振りで示したが、私は完全に歌う気が消滅し、ソファにケツをぶつけるようにして座った。

その後、友人Hは、また「希望の轍」を歌っては泣き、「明日晴れるかな」を歌っては泣いた。

その顔を見ていて、私は思った。

50男の涙に濡れた顔は、醜いかと思ったが、その泣き顔には喜びが溢れていたので、怒る気には、なれなかった。

そして、最後に「ありがとう」と言って、友人Hに深く頭を下げられたときには、自分でも予測できなかったことだが、両方の目から水が出た。


目から水を流しながら、友人Hの肩を抱いた私の右手には、震える肩の感触が鮮明に伝わってきた。

その感触が右手を通して、全身に伝わったとき、友人Hが、間違いなく生還したことを、私は実感した。


そのことを思い出すたびに、また目から水が出る俺だった。