リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

カップラーメンは永遠に

2020-08-23 05:28:03 | オヤジの日記

前回、娘の専属ドライバー・ワセダ君が我が家に挨拶に来るというのをお伝えした。
しかし、都合のいいことに、日曜日は、私に急ぎの仕事が入った。
娘に、悪いな、延期しよう。ワセダ君に伝えておいておくれ、とお願いした(ヘッヘッヘ、永久に来なくていいぞ)。
娘がLINEすると、すぐに返信が来た。「では、土曜日は、どうですか。僕は、今週の金曜から火曜までお盆休みの代休を取ったんです。土曜日が空いていたら、是非」

運の悪いことに、土曜日の仕事は、ほんの少ししかない。午前中にチャチャチャッとやれば仕事は終わる。
午後はウォーキングをしようと計画を立てていた。だが、ウォーキングするから無理だもんね、とはさすがに言えない。
仕方ない仕方ないシッタカナイ。

私は、ワセダ君に伝えてくれ、と娘に言った。
スーツは絶対に着てくるな。たとえば、上がカラフルなアロハシャツで、下が明るい色の短パンだったら許す。
さあ、どんな格好で来るのかな。
出迎える私の方も、着るものには思い悩んだ。
しかし、自然体が一番いいと思ったので、普段着の甚平を着ることにした。ただ、ひとつだけ変化を加えた。
ジンベイザメの絵を描いて、それをアイロンプリントし、背中に刷りこませたのだ。
気づかないかもしれないが、遊びは大事ですよ。

土曜のお昼前、ワセダ君がやってきた。
顔は、落語家の立川志らく氏から、すべての毒を取ったような暢気な顔だった。
身長は、170に満たないかも。体型は中肉中背という、つまらないものだった。
「あのー、初めてお目にかかります」とありきたりの挨拶をされたので、挨拶は時間の無駄だから、上がって上がって、とダイニングの椅子に案内した。
注目のワセダ君のファッションは・・・・・上はアロハシャツ、下は鮮やかなオレンジの短パンだった。そして、スポーツサンダル。
プラス1点!

席に着く前に、お土産をいただいた。ヨメは大好物のくず餅、息子は手作りソーセージの詰め合わせ、娘はiPhoneのケース、私にはNIKKAの「余市」だった。
悪いですね、全員にお土産なんて。ただ、お土産を貰ったからと言って点数が上がるわけでもないけどね。
そして椅子に座った途端、自己紹介をしようとしたので、娘から全部聞いているから、悪いけど、そこは端折ろうかとストップをかけた。
その代わりに、こちらが自己紹介をした。
私が、変なお父さんです。隣が、変なお母さんです。その隣が変な息子です。そして、君の隣が変な娘です。合わせて、仲よし家族です。
「いいですね。僕なんか、そんな粋なキャッチフレーズはないです。強いて言えば、『変なひとりもの』でしょうか」
変なひとりもの、いいね。プラス1点!

雑談の中で、ワセダ君が資格マニアだということがわかった。運転免許だけでなく、仕事関係の資格、通訳の資格、中国語検定1級など。
なかでも私がうらやましいと思ったのは、一級小型船舶免許だ。
すべての水域をスイスイと操縦できるなんて、ロマンがあるではないか。
「これは遠い夢ですけど、いつかクルーザーを手に入れて、日本一周をしてみたいです。そのためなら、どんなに辛くても頑張れそうな気がします」
熱量の高い言葉だが、おっとりとした話し方をされると熱が伝わらない。でも、夢を持つっていいよね。
プラス1点!

ところで、もうお昼ごはんの時間だね。今から言う3つから選んでもらおうか。2つは、私の手料理だ。
1、回鍋肉、2、ペペロンチーノ、3、カップラーメン。
「カップラーメンをお願いします」即答だった。君、食生活が貧しいんだね。生活習慣を変えた方がいいよ。
全員がカップ麺を食うことにした。ワセダ君と娘は「ラ王」。息子は「凄麺仙台辛味噌」。ヨメは「ペヤング」。私は「まるちゃん赤いきつね」。
さすがに、カップ麺だけでは寂しいので、他の4人には、チャーシュー3枚と煮卵をつけた。私は、お稲荷さん1個をつけた。
アクリルの衝立を着けたので、マスクなしで心おきなく麺がすすれた。
やはり、と言うべきか。食べ終わったのが一番遅かったのは、おっとりのワセダ君だった。しかし、スープの一滴まで飲み干した。
「満足です。大満足です」
満足は、いいんだけどね。俺の回鍋肉はもっと旨いぞ。

食後の雑談は、「あつまれどうぶつの森」だった。
私以外の4人は、実際にゲームをしているから、とても詳しい。
私は、全然知らんので、いただいた余市を飲んで暇をつぶした。うまいよ、余市。本格的なウィスキーを久しぶりに飲んだ気がする。ワセダ君、プラス1点!
そのあと私は、君は娘と食事に行ったことはないんだよね、と聞いた。
「まだ無理ですよ。緊張して、きっと食事が喉を通らないと思います」とワセダ君は生真面目な顔で答えた。
しかし君は、いま娘の隣でカップ麺を美味しそうに食ってたよ。喉を普通に通ってたと思うよ。
「ああ、たしかに」

そんな話をしたあと、ワセダ君が、「少し娘さんをお借りできますか。ドライブしようと思っているんです。河口湖に行ってみようかなって」と頭を掻きながら言った。
いいよいいよ、行ってきなさい。
「5時過ぎには、帰ってまいりますので」

ちょうどよかった。明日の急ぎの仕事のために、休養が欲しかったところだ。早速私は、ダイニングの隅っこにテントを張って寝ることにした。
この状態のときは、誰も話しかけてこないから、天国なのだ。
2時間ぐっすり寝て、テントを畳んでいたとき、二人が帰ってきた。
お土産に、クソ面白くもない河口湖プリンなどというものを買ってきてくれた。俺、食えないけど、ありがとね。
「では、僕はこのへんで失礼します」
晩メシは、食べていかないのかい。今日は、自家製ピザだよ。美味しいよ。
「いえ、初めてお会いして、晩ご飯までいただくなんて、できません」
つまらないやつだな。
では、こちらからもお土産をあげよう。ラ王、正麺、すみれと自家製チャーシューだ。持って帰るかい。
「あ、いただきます。明日ソロキャンプに行くつもりなので、昼夜朝に食べます。ありがたいです」

君ね、本当に食生活を変えた方がいいと思うよ。金は十分あるだろうに。

帰り際に、ワセダ君が言った。
「その甚平の背中にジンベイザメの絵が書いてありますよね。それって、お父さんのアイディアですか」
そうだよ。
「いいなあ、僕には、そんなセンスまったくありませんよ。うらーらやましいです」
今ちょっと噛んだね。
俺には、小平の豪邸とキャンピングカーが、うらやややましいけどね、


でも、ワセダ君。最後にプラス1点!


 



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