先日、韓国の李明博大統領は南北の統一は、そう遠い未来の事ではないと述べたが、ロシアの複数の専門家達は、この発言にコメントし、朝鮮半島は現在、一種のベルリンの壁によって分断されており、それがなくなってしまえば、地域に崩壊状態がもたらされるだろう。そのように指摘した。
韓国政府は統一はどのような代価を支払っても、成し遂げなくてはならないと考えている。
一方北朝鮮側は、そうした方法で南が北を飲み込もうとするならば、宣戦布告を意味する。このように警告を発した。
ロシア科学アカデミー極東研究所のアスモロフ研究員は、李明博大統領の言う南北統一には5兆ドル掛かる。
そうしたお金は今、韓国にはない。韓国の金外貨準備高は、現在その15分の1に過ぎない。加えて南による北の吸収は、アジアに対立の激化をもたらす恐れもあるとの考え方を示し、さらに次のように続けた。
「韓国はいわゆる魔女狩りが好きだが、それは北朝鮮のノーメンクラトゥーラ・特権階級の大変多くの人々が、仕事に就けない状況をもたらしてしまうだろう。
特権階級というのは軍人や技術者、医師そして教師たちだ。
彼らの一部は国を離れる事を余儀なくさせられ、また別の一部は恐らくは、犯罪あるいはテロリズムの道に走ってしまうと思う。
ロシアも中国も難民の流入を望んでいない事は明らかだ。韓国に駐留するアメリカ軍基地が直接、中国やロシアとの国境に置かれた場合、そけがどんな結果になるか、全く予測不可能だ」
アスモロフ研究員は、このように指摘している。
では続いてモスクワ国際関係大学のミズィン教授の意見を紹介しよう。
「朝鮮半島におけるベルリンの壁の消滅は、韓国の同盟国に対する重大な挑戦になると思われる。
アメリカの専門家達は、この消滅を大変恐れている。と言いますのは北朝鮮の核潜在力は、韓国の工業力や先端テクノロジーを、さらに(???)ものにするだろうと予測されるからだ。
北東アジアに、かなり強力な経済的そして政治的なパワーセンターが生まれてしまうのだ。これは当然日本にとっても脅威となる。
中国政府もまたアジアの政治舞台に、そうした強いプレーヤーが出現する事を現実として望まないだろう」
教授はこのように意見を述べている。
こうした状況において、南北朝鮮統一問題において最も大きな影響力を持っているアメリカも、また中国も問題解決を投げ出してはならない。ロシア科学アカデミー・モスクワ国際経済・国際関係研究所アジア太平洋研究センター所長は、そのように考えている。
「今は南北の現実的統一に付いて真剣に話すのではなく、別の事に付いて、つまり、この問題に関するアメリカと中国の間の対話開始と、その継続に付いて話す必要があるのではないだろうか。
この両国は実際上、南北朝鮮に影響力を、それぞれ同盟国として行使できる状態にあり、双方を朝鮮民族にとって、かくも重要なこの問題を。よく考え抜かれた解決の道に導く事ができるのだ。最も肝心なのは、軍事衝突を許さないという事だ」
所長は、このように強調している。
南北朝鮮はそれぞれ巨大な軍事力を保有している。小さな挑発によっても、戦火を交える可能性もある。
それを考えるならば、朝鮮半島のいわゆるベルリンの壁消滅は、予測のつかない結果をもたらす恐れがあり、どのような場合でも、この地域に大きなショックをもたらすのではないだろうか。
※(???)は男性アナウンサーの不明瞭な言葉で聴き取れず
5月13日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
韓国政府は統一はどのような代価を支払っても、成し遂げなくてはならないと考えている。
一方北朝鮮側は、そうした方法で南が北を飲み込もうとするならば、宣戦布告を意味する。このように警告を発した。
ロシア科学アカデミー極東研究所のアスモロフ研究員は、李明博大統領の言う南北統一には5兆ドル掛かる。
そうしたお金は今、韓国にはない。韓国の金外貨準備高は、現在その15分の1に過ぎない。加えて南による北の吸収は、アジアに対立の激化をもたらす恐れもあるとの考え方を示し、さらに次のように続けた。
「韓国はいわゆる魔女狩りが好きだが、それは北朝鮮のノーメンクラトゥーラ・特権階級の大変多くの人々が、仕事に就けない状況をもたらしてしまうだろう。
特権階級というのは軍人や技術者、医師そして教師たちだ。
彼らの一部は国を離れる事を余儀なくさせられ、また別の一部は恐らくは、犯罪あるいはテロリズムの道に走ってしまうと思う。
ロシアも中国も難民の流入を望んでいない事は明らかだ。韓国に駐留するアメリカ軍基地が直接、中国やロシアとの国境に置かれた場合、そけがどんな結果になるか、全く予測不可能だ」
アスモロフ研究員は、このように指摘している。
では続いてモスクワ国際関係大学のミズィン教授の意見を紹介しよう。
「朝鮮半島におけるベルリンの壁の消滅は、韓国の同盟国に対する重大な挑戦になると思われる。
アメリカの専門家達は、この消滅を大変恐れている。と言いますのは北朝鮮の核潜在力は、韓国の工業力や先端テクノロジーを、さらに(???)ものにするだろうと予測されるからだ。
北東アジアに、かなり強力な経済的そして政治的なパワーセンターが生まれてしまうのだ。これは当然日本にとっても脅威となる。
中国政府もまたアジアの政治舞台に、そうした強いプレーヤーが出現する事を現実として望まないだろう」
教授はこのように意見を述べている。
こうした状況において、南北朝鮮統一問題において最も大きな影響力を持っているアメリカも、また中国も問題解決を投げ出してはならない。ロシア科学アカデミー・モスクワ国際経済・国際関係研究所アジア太平洋研究センター所長は、そのように考えている。
「今は南北の現実的統一に付いて真剣に話すのではなく、別の事に付いて、つまり、この問題に関するアメリカと中国の間の対話開始と、その継続に付いて話す必要があるのではないだろうか。
この両国は実際上、南北朝鮮に影響力を、それぞれ同盟国として行使できる状態にあり、双方を朝鮮民族にとって、かくも重要なこの問題を。よく考え抜かれた解決の道に導く事ができるのだ。最も肝心なのは、軍事衝突を許さないという事だ」
所長は、このように強調している。
南北朝鮮はそれぞれ巨大な軍事力を保有している。小さな挑発によっても、戦火を交える可能性もある。
それを考えるならば、朝鮮半島のいわゆるベルリンの壁消滅は、予測のつかない結果をもたらす恐れがあり、どのような場合でも、この地域に大きなショックをもたらすのではないだろうか。
日米同盟vs.中国・北朝鮮 (文春新書) | |
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文藝春秋 |
※(???)は男性アナウンサーの不明瞭な言葉で聴き取れず
5月13日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル