1010 Radio

ラジオから色んな情報が発信されるように、車いすの視点から情報や思いを発信。

ビンラディン氏、殺害をめぐる疑問(2)

2011-05-08 | ラジオ
またビンラディン氏殺害のタイミングに付いては、アメリカで近く行われる大統領選挙と繋げて考える必要があるだろう。
今となってはアメリカ人にとってオバマ政権はヒーローであり、これは大統領選挙に向けた願ってもないスタート台となる。一方でほかの説明も可能だ。
それはすでにアメリカをはじめとする多国籍軍が、リビアで1ヶ月半近くにわたって軍事介入を行っているが、その結果はかんばしくないということだ。
カダフィ氏は依然として国の指導者であり、欧米諸国に対する批判は高まっている。しかも最近では、カダフィ氏の幼い孫3人が殺された事件も起こっている。そのような全ての思わしくない問題が、ビンラディン氏の殺害によって、少なくとも一定期間、吹き飛んでしまった訳だ。

今日専門家らはアルカイダが統一組織ではなく、細胞組織であることを指摘しており、それぞれの細胞が統一的イデオロギーに従いながらも、自立的に活動している。
果たしてビンラディン氏の殺害が、この国際テロ組織を弱体化させることが出来るのだろうか。再びグロジン専門家の話だ。
「少なくともここ2,3年の間、ビンラディン氏は如何なる決定も下してはおらず、過激派にとっての象徴に過ぎなかった。今や象徴はいなくなりましたが、果たしてそれがアルカイダを結合させる細胞体質を弱めることになるのか、それは大きな疑問だ。
どちらにせよ新しい指導者が、その地位を引き継ぐことになるだろう。そしてビンラディン氏は殉教者として奉られることになるだろう。そしてテロ活動は中東や北アフリカを始め、世界各地で引き続くこととなるのだ。
何故ならテロの温床というのは一人の人間ではなく、社会経済的な問題や政治的な問題だからだ。そのような問題の解決には何ら繋がらないのだ」
以上のようにグロジン専門家のコメントで締めくくっている。(何か変な締めくくり方だな)

秘密のファイル〈上〉―CIAの対日工作 (新潮文庫)
クリエーター情報なし
新潮社

5月4日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル