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ストロスカーンIMF専務理事の警告は単なる杞憂か(1)

2011-03-09 | ラジオ
世界経済のアンバランスは、新たなグローバルな危機を引き起こす恐れがある。これはIMFのドミニク・ストロスカーン事務理事が警告したものだ。
ストロスカーン事務理事は若干の専門家達が、世界の経済システムの復活と楽天的に呼んでいるものは、実際は新たなショックへ続く道に過ぎないと述べている。
ストロスカーン事務理事はまた2008年の危機の後、世界経済の回復は続いているが、これは世界の安定に繋がるようなプロセスではない。この間、最も悲劇的な結果をもたらし得る、4つの基本的な問題が先鋭化してしまった。
その問題とは世界における極めて高い失業率、金融、貿易領域において増大する保護貿易主義、国家間に存在するアンバランス、個々の国々の内部の平等の欠如である。特に最後の二つの問題は、最も危険な状況にある。
と、このように述べている。

この問題に付いてロシア科学アカデミーの、ワルドムスキイ経済学博士の見解を紹介したいと思う。
「ストロスカーン事務理事が提起した問題は、正しいが新しいものではない。
少なくとも今後20年、世界経済にとってそれらは脅威となる。世界のグローバル化は、世界の深刻な分極化を呼び起こした。
つまり富める者と貧しい者との間で格差が生じ、彼らの間の溝は、今に至るまで深まり続けている。国の内部でも、また世界共同体の内部でも、社会的な不平等が増している。
収入、チャンス、国と国の間及び国内の発展において拡大しつつある格差は、もちろん、国家内の安定そしてグローバルな安定を乱している」
経済学博士は、このような見解を示している。

IMFのストロカーン事務理事は、実例としてアメリカのように大きな貿易赤字を抱えた国と、中国やドイツのような貿易黒字国のGDPを比較し、アメリカ経済はこれまで内需によって発展し、それに対し中国やドイツでは輸出がGDPを引き上げる牽引の車となっている。
このアンバランスが世界経済回復のプロセスの安定を、リスクにさらしているのだと強調している。

スティグリッツ教授の経済教室―グローバル経済の
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ジョセフ・E・スティグリッツ
ダイヤモンド社


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ストロスカーンIMF専務理事の警告は単なる杞憂か(2)へ続く

2月3日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル