1010 Radio

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暴動から6日目を迎えた新疆ウイグル自治区

2009-07-12 | ラジオ
今月5日に大規模な暴動が起きた、中国の新疆ウイグル
自治区では中央政府が状況をコントロールしており、治安
は次第に回復しつつあるものの、依然として緊張状態が続
いている。
暴動では156人が死亡1000人以上が負傷している。

漢族とウイグル族による対決を背景とした暴動が発生した、
ウイグル中心都市のウルムチ市は、現在静けさを取り戻し
ている。市内では治安当局によるパトロールが行われてい
る。
またラジオや通りのスピーカーからは、落ち着きを取り戻し、
国の統一を維持するよう呼びかける言葉が伝えられている。
ウルムチ市の多くの地区では、交通機関の運行も再開され
た。
中国中央委員会常務委員会は自治区区の安定維持は、重
要かつ緊急な課題であるとしている。

9日夜、中国ではG8サミット開催地のイタリアから急遽帰国し、
胡錦涛国家主席の発案による中央委員会の会合が開かれた。
中国政府指導部は暴動の首謀者らは、厳しく罰せられると明
言している。
殺人や略奪をも伴った今回の騒乱に付いて中国政府は、民族
紛争をたきつけ国の領土保全を脅かすものだと評価している。
また政府は暴動は外部から先導されたものだと考えており、特
にアメリカに住む、世界ウイグル会議の議長がインターネット
や携帯メールを使い、民族対立を煽ったとして議長を非難する
立場を示している。

ロシアの東洋学者・ボロジン氏は、その考察は正しいだろうと
して次の様に述べている。
「新疆ウイグル自治区に対する、外部からの影響が存在してい
るという事実はすでに証明されたものだ。
こうした勢力は西側諸国に存在しており、中国近隣諸国で活動
している。
ですから中国政府がパキスタンとの間で、経済協力を行ったり
政府間協定を結ぶなどして、新疆ウイグル自治区での先導を扇
動している、イスラム原理主義勢力の台頭を抑えようとしている
ことは充分に意味のあることだ」
東洋学者は、この様に述べている。

一方で外部からの影響に付いて分析するに当たって、忘れては
ならないのが国内における問題だ
中国東部の地域と新疆ウイグル自治区との間には、経済発展の
レベルにおいて大きな開きがあることは承知の事実だ。

そのレベルの違いは、市民の生活レベルの違いに直接反映され
ている。
また中国は民族対立の問題も抱えている。
分離主義者や、その支援者たちはこうした状況につけ込んでいる
のだ。
九億農民の福祉―現代中国の差別と貧困

王 文亮
中国書店


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7月10日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル