愛の伝道師・マルチンデター

TBSラジオ金曜パック(イン・ミュージック)卒業から45年「愛の伝道師こと札幌のー」から現在、U.Sなどで「不況」活動中

2006年6月18日 追悼 岩城宏之さん

2006-06-18 | Weblog

今日の天気 

人間ドックで診療中の13日の午後。面談の待ち時間を利用し病院のインターネットで「岩城宏之さんの訃報」を知りました。亡くなられた時間から直ぐの情報です。さすがIT情報化社会。

 

岩城宏之さんは、指揮者特有の職業病と戦い、頭と首を固定し車椅子で指揮をとっていた時代がありました。その後、胃がんに始まって何度も手術を受け痛々しいほどの痩せた姿になっても指揮者としてご活躍されていました。

 

話は30年ほど遡ります。
当時、札幌交響楽団の常任指揮者をされており・・・その時私が、初めて岩城宏之さんの生を聴いた時でした。
今でも思い出すのは、プログラムの最後の曲。当時一番好きだった曲。
チャイコフスキーの第6番「悲愴」を演奏していたときのことです。
この曲は第三楽章が一般的な交響曲の第四楽章に見る、ぐーんと盛り上がって終わる「ジャジャジャジャン!」なのです。
それからゆったり静かな悲しみの第四楽章が始まるのですが、その日の第三楽章は、盛り上がり方が異常なほど高揚し、知っている私でも思わず最終楽章と勘違いして第三楽章の終わりに拍手してしまいそうな演奏でした。
ご多分に漏れず盛り上がりにひきづられ会場にいる何割かの人の拍手が鳴り響きました。
「えっ、これはマズイ!!!」
一瞬の出来事なのですが、この先、どー修復するのかと・・・頭の中が予測不能に陥りました。

 


その瞬間。岩城宏之さんは咄嗟に左手で会場の人たちに「拍手ストップ」のサインを出しました。
ちょうど指揮者のお尻側に手を出して拍手を静止したのです。
拍手は一瞬で止み、一呼吸おいて第四楽章が始まりました。
拍手を静止した緊張感が会場内に加わり、結果としては、すばらしい最終楽章の演奏となりました。
演奏終了後の拍手が鳴り止まずアンコールが繰り返され・・・確か3曲くらい演奏されたと記憶しています。
これもまた異例の曲数です。

岩城宏之さんの指揮は、演奏者も聴衆者も引っ張り込んでしまう不思議な魅力の方でした。
謹んで哀悼の意を捧げるとともに故人のご冥福をお祈りいたします。

 

さて、このブログ。
そもそものスタートは、ARINIXという防虫忌避関連のホームページのリンクから誕生しました。
昨年を振り返ると、6月初旬には「アゲハチョウ」 がもう我が家の酢橘に産卵していたのですが・・・。
今年は???といえば、大規模修繕工事のために外壁を囲われていたためでしょうか…アゲハチョウが「スダチ」を発見できないまま今に至っています。

そこで、今日の写真「空室」の看板を掲げてみました。

来週から一週間ほど出かけていますので、入室希望があっても対応できませんが、まぁーやってみましょう。

 

なんだか暢気なブログで、自己嫌悪に陥りそうですね。
岩城宏之さんは晩年、手術の度に身体が不自由になり呼吸をすることすら自分で考え肺に言い聞かせ命令し生きていた!
と岩城宏之さんは亡くなる直前に語っておられました。なんとも壮絶です。
ただ、不思議なことに唯一指揮だけは考えずに自然にできている・・・と。少し救われます。


自然に生きていられる…考えなくとも体が自然に動いてくれることに感謝したく思います。


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