ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

CEATEC JAPAN 2014

2014年10月20日 | モバイル・ウエアラブル
海外在住のため自分の目ではみていないのだが,今年のCEATECについては,「特に見るべきものはなかった」というような感想が多いように感じる。
SONYが来ていなかったこと,それにもましてコンシューマー系の展示が例年よりかなり少なかったという声をきく。

すくなくとも,コンシューマー向けには今後のこの分野を力強く牽引するものが見当たらない,ということなのかもしれない。

一般的にこれから来るであろうものとして,4Kテレビ,ウェアラブル,ロボットなどの展示が多かったと思うが,問題はそれらをどう使うのか,ということに尽きる。
4Kテレビは,私には消費者が求めていない単なるオーバースペックにしか思えないし,ウェアラブルに至ってはここまで来てもキラーコンテンツがなんなのかが見えてこない。ってことは,この分野で大ヒットとなるような商品なんて無いんじゃないか?と考えるのが妥当なのではないか。

民生用のロボットについては,孫氏がなんであんなにはしゃいだのか私はまだ理解できない。

そんな中で,確実に「時間の問題」だと思うのは車の自動運転。これは車にかぎらず,交通モビリティ全般にいえることだが,「事故が起きないモビリティ」は実現は可能。
当然インフラ整備とのセットでなくては実現しないが,技術で救える命があるならそこにむかってテクノロジーが進化するのは当然のながれだ。

一方で,これは既存の自動車産業の構造的を根本的に変えてしまうことになる。
自動運転の社会では,車の所有に意味がなくなる。使いたいときに呼べばすぐ来るなら,誰も自分の車を持とうとは思わないし,「他人と性能差がない自動運転機械」への思い入れなんてできないから,所有満足の度合いは今よりもはるかに小さくなる。

要は車は究極的には社会インフラの一部と化し,ブランドの意味は殆どなくなる。
そうはいっても,いい家,いい服,いい車,いい女というような下衆な金持ち願望はついえることはないだろうから,高い金を払って超豪華リムジン仕様の車を呼ぶ,ということになるのかもしれない。

車好きおやじのひとりとして,そんな未来は楽しくないのだが,私とて後20年たっても安全に車を運転できるかどうかはわからない。だからといって,好きなときに好きなところへ行けるというモビリティを奪われたくはない。そんな老人はこれからどんどん増えるのだから,これは仕方がない。

そうなった時にどう生き残るのか。まあ,普通に考えたら大手数社しか生き残らないだろう。プレミアムブランドの欧州メーカーはそれなりの危機感を持っているようだが,国産メーカーでそこまで研究を進めているところはないように思える。


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