ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

モバHOの状況から思うこと

2006年10月12日 | モバイル・ウエアラブル
去年の7月の記事で、モバHOについて書いたが、やはり相当に苦戦をしているようだ。100万人以上を目指していた加入者は2万人程度。
累積赤字も300億を超えているらしい。もちろん、親会社の東芝が支えている、という状態だ。

地デジワンセグが逆風になってしまっているが、はっきり言って放送開始時にはわかっていたことだ。私のような素人でも「こりゃ無理だね」とわかることに、大企業が何百億もつぎ込んでしまう、という事態がなぜ起こるのだろうか。

それは、こういうことだ。

1998年にモバイル放送㈱は設立され、2001年には放送衛星を発注している。地デジなどの環境変化があろうとも、もはやこの時点以降、後戻りはしにくい。そして2004年3月に衛星打ち上げ。もう完全に後戻りは出来ない。

さらに、東芝が筆頭株主であるが、びっくりするくらい多くの会社がモバイル放送に出資している。このあたりも撤退の決断を鈍くさせる。

たとえて言えば、多くの支援者からお金を集めて周到に準備したエベレスト登頂隊が悪天候でも頂上を目指してしまうようなものだ。

しかし、どう考えても勝算がない話だったんじゃないだろうか。