ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

不便な通貨敬遠 電子マネーが駆逐っていうけど のフォロー

2006年10月13日 | 雑記
去る5月のエントリーで、電子マネーが貨幣を駆逐している、とする日経記事を疑ったが、そのフォローアップをしてみよう。

最新の日銀統計によれば、2006年9月の貨幣流通量は2005年9月に比べて

・500円玉 増加
・100円玉 増加
・ 50円玉 横ばい
・ 10円玉 横ばい
・ 5円玉 減少
・ 1円玉 横ばい

となっている。
この一年間でスイカ、エディ、おサイフケータイなどが飛躍的に普及した事になっているが、ここに示す統計結果からは通貨流通が減少したと読むことは、残念ながらまったくできない。

唯一5円玉が減少しているが、それは前の記事で書いたように内税表示によるものだろう。

大体、この日経記事のタイトルは「不便な通貨敬遠」っていうけど、どこの店でも使える通貨のほうが電子マネーよりも便利だと思う。

電子マネーってものが皆さん言うほどに普及しているとは、私はとても思えないのだ。

アルコール検知装置のジレンマ

2006年10月13日 | 雑記
最近飲酒運転による事故が急にクローズアップされ、ボルボが作っているようなアルコール検知装置の車両への装備を進めるべきだ、という世論を良く聞く。
息を吹きかけ、アルコールが検知されるとエンジンがかからない、というような物だ。

しかし、もうご承知の方も多いと思うが、この装置の普及は途方も無く困難である。

まず第一に、こうした新コンポは最初は数が少ないので高額になる。
通常、先進新コンポは高級車から導入されたり、メーカーオプションとして設定される。
ところが、アルコール検知装置というコンポは以下の矛盾を内包している。

・この装置が本来必要とされる飲酒運転常習者は、多分買わない。
・こうした装置の装着を好ましいと思う消費者はそもそも飲酒運転をしないから、こうした装置は必要ない。

つまり、このコンポの普及には、規制による強制装備という道しかのこされていないのだ。しかし、コストを考えると全車強制はなかなか難しい。
特に、善良な運転者にとってそのコスト負担はまったく納得がいかないだろう。

どこかの国では飲酒運転で検挙されると、それ以降、自己負担でこの装置を自分の車に装着しなければいけないというルールがあるらしいが、この辺が着地点のような気もする。