ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

P-DRGS ビジネスモデル化の課題

2006年02月27日 | ITS
P-DRGSがいかにビジネスモデルとして立ち上がるか、を語る前に、もういちどプローブについて考えよう。

一般にプローブカーというと、車両の情報を常時接続のような形でデータセンターに流しつづけるようなイメージを持つ。

速度情報のほかによく言われるのが「ワイパーの作動で降雨情報がわかる」「エアバック展開情報で事故発生が即座にわかる」「急ブレーキ(ABS作動など)で事故もしくは事故発生に近い情報がわかる」などだ。

エアバック展開については否定しないし、急ブレーキ情報が後続車に伝わることも安全向上に有効だろうが、いつも出てくるワイパーの話は、よくわからない。一体誰がそんな超局地的な降雨情報を必要とするのか。
路面状況を把握し交通安全に寄与する、という人もいるが、雨が降ってきたら速度を落とせばいいだけのことで、事前に知っておく必要は全くない。
「何がニーズか」ではなく、単に「何が出来るか」というだけのことだ。こうしたシーズ発想からくる思い入れの積み上げがITSを実体のない化け物にしてしまったのだと思う。

まあ、それはさておき、速度情報である。

実際のリアルタイムな速度情報を取るまでもなく、100メートルごとにセンサーを設置し、通過する車両のIDを取るだけで交通の流れはほぼ把握できる。
常時接続が不要なら、車側のインフラはすでに装備されているETCで賄えるはずだ。

となると、解決するべき問題は

1.ID情報を料金所以外で提供することへの抵抗をどうするか?
2.路側インフラ整備の費用負担をどうするか?
3.渋滞情報の提供メディアを何にするのか?
4.そして、ビジネスモデルを考える上での根幹であるが、その課金はどうするか?

である。