ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

神戸空港開港 なぜ止められないのか?

2006年02月16日 | ITS
北東25キロに伊丹空港、南24キロに関西空港という立地に神戸空港が開港した。
市民の過半数が不要だといい、殆どのマスコミがその採算に疑問を呈してきた問題プロジェクトが実現してしまった。
田中康夫氏によるキャンペーンなどで一時はかなり世論も騒がせたが、結局はできてしまう。
市営空港ということで、破綻した場合は市の財政で面倒を見なくてはならないらしいが、推進派市長を当選させてしまったわけだから、これは仕方がないのだろう。

これほどその「あやうさ」がわかりやすい話でも、官が主導し、税金で作るプロジェクトは止めることができない。
「市民の所得増大効果は3000億円で、建設費に匹敵する」「建設費は空港周辺の土地の売却で賄う」などということで進めたらしいが、空港周辺の土地は全く売れていないらしい。空港周辺は便利だから企業を誘致できる、というような話らしいが、それが事実なら東京でも大企業が蒲田あたりに引っ越しているはずだろう。

経済波及効果や、民活に頼ることでの税負担なし、という青写真を提示するあたりはITSプロジェクトに似ている。ITSのようにその実体が今ひとつわかりづらく、かつ交通安全のような誰もが否定できない旗印があるプロジェクトは、表立った反対運動も起こらない。困ったものだと思う。