ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ITSビジネスモデル化 残された一縷の望み(2)

2006年02月26日 | ITS
ITSを「ビジネスモデル」として成立させるための最後の望みはP-DRGSだ、と書いた。

ドライバーがカーナビに求めるものは、目的地に迷わず早く到着することである。
極めてあたりまえの話だが、これには強いユーザーニーズがある。

それ以外のカーナビ機能はすべて付帯機能であり、差別化競争でエスカレートしているがそれらは決してキラーコンテンツではない。結局基本性能が勝負を決めることになる。

たまたま今日の「鉄腕ダッシュ」で、カーナビとタクシー運転手の渋滞回避競争が放送されていた。トヨタがスポンサーであることもあり、G-BOOKの宣伝も怠りなくされていたが、長瀬がトイレに行きたくなりオペレーターから近くの公園を聞く、という場面には無理があった。普通は聞くまでもなくナビ画面ですぐ見つかる。

いずれにしても、この番組でも焦点は「いかに渋滞を回避するか」、ということだ。

そういう意味で、P-DRGSはITSにまつわる夢物語の中で唯一「ユーザーが対価を支払う価値のある」コンポーネントになる可能性を持っている。

現在のVICSの精度が満足する域に達していないことは、誰もが感じている。タイムラグと、対応地域の問題だ。

P-DRGS(Dynamic Route Guidance System:頭のPはプローブ?)はP-DRGSコンソーシアムという産学連携団体(トヨタ系、といえそうだが)が研究を進めている「車から情報を集め、その情報をセンターで処理し、予測を含めて車に提供する」システム。

プローブによる情報収集はすでにホンダのインターナビで実施されているが、P-DRGSでは(WEBサイトにも明記はされていないが)DSRCによる情報収集を視野に入れている。ID情報を含めた車両情報を読み取る路側機を数百メートルおきに設置すれば、車の流れに関しては十分な情報が取得できるようだ。
この情報と、既存のVICS情報などを組み合わせて処理し、蓄積データからの予測を含めて渋滞情報を車に流す、というもので、現在のVICSに比べて渋滞回避性能が格段にアップすることは間違いないだろう。

問題は、これをいかにビジネスモデルに組み立てていくか、である。