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ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

携帯マルチメディア放送は、やめるにやめられない負け戦?

2011年09月30日 | モバイル・ウエアラブル
mmbiの携帯マルチメディア放送「モバキャス」を室内で受信するためには、フェンシングの剣のようなアンテナが必要だと言う。
だからこのビジネスは無理なんじゃない、というような記事が見受けられるが、問題の本質はそんなところにはない。そもそもビジネスとして成立しそうにない。
(まあ、フェンシングアンテナじゃ、さらに厳しいことは事実だけど。)

実は、どうやらこのビジネスに勝算なんてない、ということは関係者はみんなわかっているふしがある。

まず、出発点は総務省が進めてきたTV電波のデジタル化。
アナログTVは貴重な電波資源を非効率に使っているので、強制的にデジタル化し周波数を空けることがまず第一前提としてあった。

周波数空き地を有効利用しないことには、多くの批判を呼んだアナログ停波の説明がつかない。
その中で、携帯マルチメディア放送は有効利用の目玉の一つであり、そこには「国の方針」という大義名分がある。
さらに、クアルコム+KDDIのMediaFLOと空き地の争奪戦を戦って勝ち取ったという経緯もあり、mmbiにとってはこの事業を辞めるわけにはいかない「空気」が十分に醸成されている。

伝聞だが、「この話は降りたい」というドコモに対して、「携帯で儲かっているんだから」と総務省から言われたという。

有料の携帯端末向け放送というビジネスに関しては、すでに「モバHO」が事業撤退し、アメリカのMediaFLOも今年春に事業撤退している。
携帯端末向けの有料エンターテイメントコンテンツビジネスは、そんなに甘いものではない。
「モバキャス」についてもすでに悲観的な観測が流れており、それが放送(ソフト)事業者募集にmmbi以外だれも応募をしなかったという結果につながっている。
魅力あるコンテンツが提供されなければ、成功はもちろんありえない。

すべての状況は、この事業は成立しないことを示しているが、「空気」がそれを許さない。
しかも、NTTドコモのほかに各放送局、伊藤忠、スカパー、電通などの多くの会社が出資をしており、NTTドコモとしても、無理そうだから辞めましょうとは言い辛い状況になっていんだろう。

やっている人達は可哀想だね。

応募わずか1社 携帯マルチメディア放送

2011年09月17日 | モバイル・ウエアラブル
散々ビジネスとして成立しないだろうと書いてきた、携帯マルチメディア放送「モバキャス」。
従来の放送局とは違って、放送(ハード)事業者とコンテンツ(ソフト)事業者を分け、コンテンツ提供事業に対するハードルを低くするという考え方を採用した。
放送事業に関しては昨年、NTTドコモ系のmmbiがKDDI系のメディアフロージャパンと争って総務省から免許交付を勝ち取った。

一方のソフト事業者(放送局)については、総務省が8月3日から9月2日の1カ月間、10~15の参入枠を設けて募集したところ、結局手を上げたのはハードを運営するmmbiだけだったらしい。
要は、やはりこれは事業として成立しないね、と誰もが考えているということだろう。

NTTドコモは事業中止を決断したほうが賢いと思うけどね。

日本の電子ブックについて

2011年09月15日 | モバイル・ウエアラブル
シャープのガラパゴス生産終了をきっかけに、日本の電子ブック市場についてちょっと考えてみた。

アメリカではキンドルが爆発的に普及した。アマゾンは販売台数を公表していないが、2010年までに1000万台が出荷されたと推計されている。
アメリカ人には、「新しくて合理的なものはあっという間に受け入れる」と言う特性があるが、それ以上に価格設定で魅力的になっている。
通常30ドル程度する新刊書が9.99ドル、かつユーザーにダウンロードの通信料負担は発生しない。

ガラパゴスの場合、たとえば「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」は単行本が1680円。TUTAYAガラパゴスで840円。 アマゾンの中古で533円からあり、電子ブックにアメリカほどの値ごろ感はない。まあ、それ以前にたいていのベストセラーは電子化されていない。

ガラパゴスはシャープが提唱した「XMDF」という電子ブックフォーマットを採用している。これは日本語独自の縦書き、ルビ、段組に対応するための独自フォーマットだとされているのだが、その後日本の大手出版、印刷関連業界はこの規格に乗ることに決めた。しかし、世界の流れはHTMLベースのePubだ。
XMDFは専用端末でしか読めない。
出版、印刷関係者は、日本独自の活字文化を守るためにXMDFをサポートするというが、これこそ今まで幾度も犯してきた間違いなのではないか。ePubだって進化する、というか、私もPDFやePubフォーマットの日本語コンテンツを幾つか読んでいるが、まったく不都合はない。
要は出版、印刷業界の黒船対策であり、しかしそれは失敗が運命付けられている悪あがきにしかならないだろう。

ガラパゴスと言う商品名はたいしたものだが、実際にXMDFフォーマットは典型的な悪しきガラパゴスだったようだ。


シャープ ガラパゴス 生産終了のお知らせ

2011年09月15日 | モバイル・ウエアラブル
シャープの電子書籍リーダー「ガラパゴス」が生産終了。1年持たなかった。むしろ、傷を深くする前に撤退することは正しい判断だろう。

この商品が発表された時、そのネーミングには感服した。
自虐的と批判する人もいたが、むしろ日本の技術で日本のユーザーに最も受け入れられる商品で勝負するのだ、という意思が読み取れる素晴らしい商品名だと思った。でも、売れるという気はしなかった。
肝心の商品とサービスがそこまでのものじゃなかった、ということだろう。

実際に、発表時の謳い文句は「日本独自の縦書きサポート、ルビサポート」「新聞・雑誌の定期購読」などだったが、これらがiPadやアンドロイドのタブレットに対して圧倒的に有利なUSPだとは思えない。
とくにルビなんて、いまさら誰が必要とするのだろう。大昔の文庫本なら、旧字体が読めないこともあるけどね。

タブレットPCと電子リーダーはPCとワープロ専用機の関係に似ている。
まだiPadやタブレットPCは電子リーダーとしては不十分だ。その重量から、通勤中につり革に捕まって読みたいとは思わない。電子リーダー専用機はその点では優れている。
しかし、だからといって電子リーダー専用機が欲しいかというと、そうも思わない。
個人的には、通勤中に電子書籍を読む場合はiPhoneで良い。読みやすくは無いけど、大げさなリーダーを使おうとは思わない。

いずれにしても、ワープロ専用機がなくなったように近い将来電子ブックリーダーもなくなることは間違いない事実だと思う。あのタイミングで後発の電子ブックリーダーを出しても苦戦することは目に見えていた。

最後のあがきで、ガラパゴスは8月にアンドロイドOS2.3へのバージョンアップを実施したが、結局アンドロイドのタブレットとしては台湾、韓国勢に価格で勝てるわけもない。

ガラパゴスって名前がいけなかったわけではない。シャープのえらい人はそこを間違えないほうがいいと思うな。

INFOBAR A01

2011年07月28日 | モバイル・ウエアラブル
INFOBAR A01が結構な話題になっている。
ウェブ上での評価ではデザインが良いといっている人が多いのだが、しかし私には幼児の玩具にしか見えない。

最初のINFOBARが世に出たときは確かに衝撃だった。かちっとしたデザインは今までの携帯の常識を覆したものだったし、NISHIKIGOIというカラーコンセプトにも脱帽した。

でもこのA01のデザインは決していいとは思わない。(GUIのデザインは良いけどね)
立ち上がりは目先が変わった商品を望む層にそこそこ売れるだろうが、いつまで続くか。

AUは、過去の成功体験を中途半端に引きずっているようにしか思えないのだが、どうだろう。

携帯端末向けマルチメディア放送の愛称がモバキャスだって

2011年07月21日 | モバイル・ウエアラブル
アナログ停波後の空き地利用である携帯端末向けマルチメディア放送は、ドコモ系のmmbiが来年4月から営業を始めるが、その愛称が「モバキャス」に決まったらしい。

なんか、モバイルキャストの略みたいで、どうなの?と思う。

モバイルキャストってのは、インターネットITS協議会のメンバーで、以前はアウディジャパンのテレマティクス関連を手がけていた。F1のスポンサーをしたり、マークパンサー使ってハンズフリー関連機器のTVCMやったりと一時は派手な事業展開をしていたが、今はそのブランドを第三者に提供しほとんど営業活動を停止しているように見える。
それ以上に、未公開株関連のなにやら怪しい話がでているのだが、いまだに営業実態があるかのようなWEBページを維持しているのはなぜだろう.....
同社のWEBサイトを見ればわかるが、製品一覧はほとんどが生産終了、すでにカスタマーセンターは閉鎖。本社所在地の城山タワーはレンタルオフィスだ。

まあ、あまり縁起のいい名前じゃないね。

しかし、この携帯端末向けマルチメディア放送って勝算あるのか?
無料の地デジだってそこそこの状態だし、有料で事業展開したモバHO!や米国のMediaFLOは撤退。スマホは現在の無料コンテンツで十分以上に楽しめるから、お金を払って動画を見る人がそんなにいるようには思えない。
それ以上に、有料に耐える魅力あるコンテンツを継続的に提供し続けるビジネスモデルが構築できるのか、ということが最大のチャレンジだろう。

フジテレビ、伊藤忠、NTTドコモ、スカパー、ニッポン放送という複数の株主が存在し、さらにKDDI系のMediaFLOと戦ってお国から帯域を獲得したという状況から、勝算がなくてもやめられない状態になっているように思えてしょうがない。

SMS相互接続自由化は何故まったく報道されないのか

2011年07月13日 | モバイル・ウエアラブル
本日から、キャリアをまたいでSMS送信ができるようになった。
個人のケータイメールを交換してない社内や取引先の方など、誰にでもメールを送れるので極めて便利になったのだが、何故かキャリアは全く広報を行わないし、メディアも報道しない。大ニュースだと思うんだけど。

今日会社で10人弱とこの件を話したが、誰も知らなかった。
というか、本来海外の携帯では電話番号で誰の携帯にでもメールが送れる、ということを知っている人が殆どいない。

今まで「ケータイメアドを変えたくない」という理由でMNPをためらっていた人にとっては、キャリア変更への抵抗がなくなったと言えるかもしれない。もちろんSMSは写メは扱えないが、大人になればそんなメールあんまり来ない。

だからキャリア、特にシェアを落としてる会社は、流出が怖いので積極的にSMS相互接続自由化について言いたくないのかもしれない。そもそも日本でSMSを相互接続していなかったのは(多分最大手の意向による)囲い込み策。
スパム避けでバカバカしく長くなってしまったケータイメアドなんてとっても打ち込んでられないから、ガラケーは赤外線が標準装備されているわけで。

もちろん携帯キャリアは広告業界では最大のクライアントであり、メディアはその意向に逆らった報道は出来ない、ということかもしれない。

実際、SMSのキーワードで本日のニュースをGOOGLE検索してもASCIIとJCASTしか引っかからない。

災害とツイッター

2011年03月20日 | モバイル・ウエアラブル
計画停電以降、TVを消してる事が多い。
東京の節電は被災地には関係の無い東京だけのことらしいが、それでも関東が混乱したら被災地救助に多大の影響があることは間違いない。
実際にはピーク時以外は問題はないというが、一旦TVを消してしまうとそんなモンなくてもスマートフォンがあれば情報ははいる、ということがよくわかる。

この一週間、ほとんど貴重な情報はツイッターから入手した。
しかし、これにも様々な問題があることがわかった。

「XX町YY小学校では食料・毛布がなく危機的な状況です」というようなツイートが延々と「拡散希望」などのコメント付きで非公式RTされていた。
さすがにここ数日はないが。
その後すぐに「こうした情報は、RTするのではなくすぐ警察に通報するべきだ」、という意見が出された。これはまっとうな意見なのだが、それで何が起きるかは明らかだ。何百という同じ内容の電話が警察に入り、警察の業務と電話回線に対するとんでもない阻害になる。
 Togetterツイッターをみて警察に電話しました
しかし、だからやめてしまうと最悪誰も連絡をしないという事態も考えられる。

電話が通じない状況で助けを求める場合は知人にメールをするのが正しいのだろう。
ツイッターを使う場合は、電話がかけれそうなフォロワーにDMを出す。ツイートで発信する場合は日時を入れる。受け取ったフォロワーで電話をかけることができる人はRTせず、(非公式RTはさらにだめ)警察に電話をし、連絡完了/もしくは自分が責任持って連絡する、という内容のツイートを返す。それを受けて発信した人はツイートを削除する。
多分、こんな流れが正しいように思うが、公式RTと非公式RTの区別を正確に理解している人は殆どいないと思う。
公式RTは発信源で削除をすれば消えるが、非公式RTは「別のツイート」なので、どこまでも拡散してしまう。

SMSの垣根をなくす話はどうなったのか?

2011年02月12日 | モバイル・ウエアラブル
なんか、去年の秋頃に国内キャリア各社のSMSが相互に受送信可能になる、というような話を聞いた覚えがあるがこれはどうやら立ち消えになっているらしい。
前にも書いたけど、日本の携帯電話は海外の取引先で番号だけを知っている人間にメールを出すことができないので非常に不便だ。海外では番号でSMSを送信するのが常識なので、日本の携帯電話はそれができない(正確には海外の携帯から受信のみできる)ということは全く理解されていない。

逆に、日本のユーザーはどの携帯にも番号だけでメールを送れるというのがグローバルスタンダードであることを全く知らない。メアド交換が携帯コミュニケーションの基本儀式だ。

しかしその状況もやっと解決されるのかと思っていたら、総務大臣が片山さんになってからまったく忘れ去られているらしい。
これは海外のユーザーからすれば考えられない不便さなのだが、国内ではほとんどその事実が認知されていないのでおそらくは当面改善されないんだろう。

なお、携帯番号だけしか知らない相手にSMSがを送る技がある。
スカイプを使うのだ。有料アカウント(Skype Out)ならば、国内の他キャリアを含めて世界中の携帯に番号でメールを送ることが出来る。3G環境でも送信できる。
ただし、こちらの正しい電話番号は表示されないので、本文に名前と返信用の電話番号を書かないといけないのが面倒なところかな。

ペースメーカーと携帯電話

2011年01月23日 | モバイル・ウエアラブル
携帯電話と心臓ペースメーカーの関係について。

どうやら、色々調べてみる限りでは未だかつて携帯電話に起因したペースメーカーの事故はないようだ。
携帯電話のみならず、空港のセキュリティやショッピングセンターの盗難防止ゲートでの事故の記録もないらしい。

携帯電話に関しては、3Gであれば2-3cmまで近づけなければ問題発生の可能性はなく、仮に発生しても離せば復帰するわけで、直ちに心停止になるわけではない。
こうした状況から、現在の規制は過剰ではないか、車内で携帯の電源を切るという指導をしているのは日本だけだ、という議論がある。

特定機種で15cmで問題発生の可能性があり、それに安全率をかけて「22cmはなすこと」と総務省が発表したのが1997年。それ以降15年が経過し大幅に状況は変わってきているのだが、この基準は正式に緩和されてはいない。
総務省は、第二世代携帯が市場に残っている以上はこの基準は変えない、としている。

安全にかかわる基準を緩和するのにはリスクが伴うので、よほどの理由がなければだれもやりたがらない。
で、優先席付近では携帯の電源をお切りください、とか、病院内での携帯電話禁止、とかいっておけば、実際に守られようが守られまいが別段誰も困らないので、現状を維持しているのだろう。
かといって、優先席付近で律義に電源を切っている人はあまり見たことがないし、病院内でのメール受送信はほとんど黙認されているように感じる。

名古屋の市営地下鉄は混雑時に22㎝以内に携帯が接触することは避けられないという考え方で、あえてホームを含め圏外にしているという。一方で、営団、都営、大阪市の地下鉄はトンネル内の電波を整備することにした。
この辺がちょっとダブルスタンダードのような状況で気持ちが悪い。しかし、地上を走る電車は車両内に電波はきているおり、それに起因する事故も起きていないので、ことさら地下鉄のトンネルの電波を遮断することに合理性はなさそうにも思える。

一方で、私の母はペースメーカーを入れている。
医師からは携帯電話のリスクについて説明されており、その内容はやはり1997年の総務省見解に沿ってるので、結構神経質になっている。(とはいっても、商店の盗難防止ゲートはその存在すら認識できていないようだが)
自身の命にかかわる話だから、神経質になるのは当然だろう。

実害があるかないとということと、実際にペースメーカーを入れている人がどう感じるかは別問題であり、これはそんなに単純な話ではないと思う。

地下鉄内の携帯電波

2011年01月20日 | モバイル・ウエアラブル
iPhoneのTwitterで気になるリンクをInstapaperにため込んで、あとからまとめて読む、という使い方をはじめたら朝の通勤時間はあっという間に感じる。

私の場合は通勤中に何回か圏外になるから、一気に落としてくれてオフラインでも読めるInstapaperは重宝する。同様のソフトにReadItLaterもあるが、Instapaperのほうが私は使いやすい。

圏外と言えば、この一週間、地下鉄内は電波が飛んでいないことについてSBの孫社長、猪瀬東京副知事、平松大阪市長らがツイッターでやり取りし、早速今日、孫社長と猪瀬氏の会談が行われた。
東京、大阪どちらも地下鉄内の電波については前向きに検討をするらしい。

こんなことはツイッターがなければ絶対に起こらなかっただろう。しかもこのスピード感には本当に驚く。

最近車内で電話をする人は、「特殊な人」以外めっきり減った。私はむしろ喫煙車両みたいに通話車両を作ればいいと思っているけど、どうも世間の人は他人が電車の中で電話をしているのを聞くのが大嫌いなようだ。

ということで車内ではデータ通信利用が普通になっているなかで、「駅に着いているときに一生懸命受発信する」地下鉄のイライラは誰でも経験している。
いままでなんら議論されず放置されたことのほうが不思議だと思う。

車内での携帯利用ってことになんか引っかかるものがあり、鉄道会社側は積極的に対応を言い出せなかったのだろうか。

大前研一氏、アップルはアンドロイドに負けると予言

2010年12月31日 | モバイル・ウエアラブル
昔、Visor、ClieとパームOSのPDAを使って、「なぜこれで電話がかけられないのか」と素朴な疑問を感じていた。
その後、PDAにもなる電話機を志向してNokia6630, HTC X01HTと出始めのスマートフォンを使ってきた私としては、最近のスマートフォンブームは「来るべくして来た」と感じている。
スマートフォンに関しては、まだ「ビジネス用」「使いこなせない」というようなイメージがあるが、パソコンがワープロ専用機を駆逐したように電話機は多かれ少なかれスマートフォン的なものになっていくだろう。

この一年間でiPhoneはかなりシェアを伸ばしたが、これからアンドロイドOSのスマートフォンがどうなるか、気になる。
これについて、週刊ポストに大前研一氏が書いたコラムが結構面白い。

まず、WIN対MACでMACが負けたことを引き合いに出して、「その二の舞だ、それもわからないジョブスはどうかしている」という論調。そんなことわかっていないわけがない。ジョブスは当事者だったんだから。

そもそもアップルとGoogleはまったく違うビジネスモデルで戦っている。アップルは囲い込み、Googleはオープン、アップルはハード、Googleは広告収入。

囲い込みの方が儲けはでかい。だからアップルは囲い込みを徹底的に行い、それが継続するように商品のデザインにこだわり、信者を作るようなマーケティングをしている。

大前氏が言う
「ジョブズがスマートフォンで勝者になりたいなら、iOSをアンドロイドと同じくオープンソース、あるいはそれに近い方式にして誰でも自由に使えるようにし、SIMカードもフリーにしてユーザーがキャリアを自由に選べるようにすべきなのである」

はまったく的外れだ。そうしないことがアップルなのだ。今のアップルのビジネスモデルでOSをオープンにすることのメリットは何もない。少なくともこれで今はうまく行っており、アップルはGoogleよりも儲かっている。

大前氏は、中国には安いiPhoneのコピーがいくらでもある、という。それらは15ドルくらいで販売され、バッテリーも自分で交換でき、SIMが3つも装備できるものもある、これが正解なのだ、という。

いや、こいつらは中身は単なるGSM携帯であって外見だけのコピーであり、iPhoneの提供するエクスペリエンスはひとつも存在しない。そんなことより、バッテリーの交換やSIMフリーのほうが大事だ、といいたいのか?
どうにもこの喩えが言いたいことが今ひとつ理解できない。

確かに、今後アンドロイドを搭載した廉価モデルが登場し、OSの販売総数ではiPhoneを抜くだろうが、iPhoneは今のポジションをキープすると思う。

ReadWriteWebの2011年予想

2010年12月29日 | モバイル・ウエアラブル
WEBテクノロジー関連の有力ブログ「ReadWriteWeb (RWW)」主宰者のRichard MacManus氏は、最近の記事で2011年の(webに関する)予言を行っている。

1.(iPad用のブログ・ツイッターリーダーである)FlipboardがNews readerとしてブレイクするだろう

これは、結構うなずける。Flipboardは見た目のデザインがとてもかっこいい。読む気になるリーダーアプリだ。
他のソフトやソーシャルサービスとの連携、他のプラットフォームへの対応で、さらに拡大する可能性がある。

2.2011年末までに、電子ブックは20%のシェアを獲得するだろう

北米では、2009年の電子ブックシェアが3.31%、2010年のそれが9.03%だという。
そこから類推すれば、20%は決して「大胆な予測」ではないかもしれない。
しかし、日本ではまだまだ先のことだろう。

3.インターネット自動車が大ヒットする

ははは。これは絶対に実現しないといっておこう。
記事にある「AutoBot」は、まだサービスを開始していないスタートアップだが、その事業内容は以下のとおり。
車両に通信モジュール(GSM系のGPRS)を組み込んだCANアダプター(車両情報通信ネットワークと通信する)を仕組み、スマートフォンで車両を遠隔操作できる、というもの。装置が300ドルで、それにプラスで月々の通信料もかかるだろう。

できることは、ロックアンロック、パワーウインドウの操作、駐車位置がわかんなくなったときのヘルプ、盗難されたときのトラッキング、など。

これほしい?

4.インターネットTVがブレイク

GoogleTVの立ち上がりの不調(米3大ネットワークがコンテンツ提供を拒否)にも言及しながら、2011年は消費者の認知が進み、コンテンツも改善することで(少なくとも北米では)ブレイクするだろう、といっている。

本当かな?どうもTVとネットは「親和性」が悪いように思えて仕方がない。
一人暮らしならともかく、家庭における居間のTVの画面と、きわめて個人的な行為であるネットサーフィンは絶対に融和しない。
それが数々のセットトップボックスの失敗につながっているのではないか?

GoogleTVもAppleTVも、たいしたことにはならないと思う。

5.POPミュージックスターがWEBでなんかすごいことをやる

これは、私はわからない。まあそんなことはあるだろう。

6.おまけ 2011年末時点での最も見られているYOUTUBEはもはやJustin Bieberじゃない。

Justin BieberはYOUTUBEからブレイクした弱冠16歳のカナダ人アーチスト。
ここに書かれていること(コメディアンと赤ん坊のコラボ)は何かジョークのようだが、私にはきちんと理解できなかった。

iPad用ブルートゥースキーボード付きケース

2010年12月28日 | モバイル・ウエアラブル
ebayで注文していたipad用ブルートゥースキーボード付きケースが届いたので、試しにそれで入力している。

実はタイのMBKで値引き交渉後実売2000バーツ(6000円弱)で売っていて、買おうかどうかかなり迷ってやめたのだが、ebayで香港の業者(TOMTOP)で送料をいれてもそれより安く購入(送料込みで4166円)できることがわかったので帰国後に注文した。香港からの発送なので、すぐ届いた。
国内の小売店で販売されている12800円のものと同じかどうかはわからない。
写真から判断するに、ケースはちょっと安っぽいが、キーボードは同じものの様に見える。

日本語入力が出来るか不安だったが、全く問題なし。Mac同様、日英はコマンド+スペースキーで切り替わり、普通にローマ字入力が可能。ブルートゥース接続設定も超簡単。英語の説明書しかついてないが、まあ困らないでしょう。

ただし英語キーボードなのでEnterキーがちいさく、enterをするたびに必ず”」”を一緒に押してしまう。まだブラインドタッチはできないが、それでも標準のソフトキーボードよりは断然良い。また、矢印キーがあるので、画面をタッチしてカーソルを動かすイライラからは解放される。
また、コピペもキーボードショートカットで機能する。

難点は、ケースとして見た時の使い勝手かな。タブレットとして使う時に全然持ちやすくない。
後は重さ。ipadと併せて1.2キロを超える。これなら軽量ノートの方がいいかもね。





アップル対google

2010年11月20日 | モバイル・ウエアラブル
アメリカではgoogleのアンドロイド搭載スマホがiPhoneを抜いたという。
アンドロイドは多くの会社が対応携帯を出して、全てのキャリアで取り扱うわけだから、これは別に不思議なことではない。

しかし、興味深いのはこの先のシェアがどうなるのか、だろう。

アップルがマッキントッシュを出した後、IBM互換機に敗れ、ウインドウズに惨敗した歴史を引き合いに出して、アップルには未来はないという人は多い。
確かにアップルが自社製品だけにOSを搭載し、アンドロイドが汎用OSとしてオープンになっていることから、見た目はWin対Macに似ている。

しかし、結局Win対Macの戦いが圧倒的にWinの勝利に終わった理由はビジネス利用によるものだろう。
Macはいわゆるオフィス仕事で使うには安定性に欠けていた。
ウインドウズのエクセル・ワードがビジネススタンダードになれば、自宅のPCもそれにつられて互換機としなければ色々と不便だ。

スマホに関しては、そうした事情は存在しない。
ビジネススタンダードが、今はブラックベリーで、この先アンドロイドがシェアと伸ばすかもしれない。PC同様、アップルの製品は固いビジネスユースというイメージに欠ける。
しかし、会社で配られる携帯がアンドロイドだろうが、ウインドウズモバイルだろうが、それがiPhoneのシェアを奪う事にはならないだろう。

アップルには他社にはそう簡単にまねのできないiTunesという強力なビジネスモデルがある。
機種数、キャリアを問わないアンドロイドがiPhoneを上回ることはあっても、iPhoneが大きくシェアを落とすことはないだろう。