R.V.Aircraftのエンジンの続き。さて、私が若かりし頃(学生時代)読みふけっていた航空関係の書物の一つに、サンケイ第二次大戦ブックス『ミグ戦闘機』があります。他にも当時の最新の情報で書かれた本で面白いものがいくつかあるのですが、これもいつかご紹介します。で、このシリーズ、「第二次大戦」ブックスと言いながら、朝鮮戦争やミグ戦闘機と言った戦後物も含まれていました。赤い背表紙で、当時の書店にはずらりと並んでいまして、図書館でも見かけました。意外と政治性抜きで、当時の我々の第二次大戦史の「常識」の部分はかなりこのシリーズから得られたものでした。クラスの男子みんな読んでた感じで、はっきり申し上げますが、このシリーズを読みふけっていた友達で軍国主義者になった人は一人もいません。嫌らしい漫画を見ると全員性犯罪者になる、なんて思い込みがいかに無知で危険なのかが分かります。
それはそれとして、この第二次大戦ブックスのもう一つの特徴、翻訳の文体です。元々はペーパーバックで有名なバランタイン社のシリーズの翻訳で、日本人著者の書き下ろしの物も加わるようになりました。その翻訳ものと書き下ろしものの日本語の文体にあまり落差がない。つまり翻訳ものも翻訳臭がなく、自然なんですね。しかも戦記物の武勲赫々という感じで違和感が無い。軍事用語や技術用語、特に航空関係など訳語も妥当。下手な学術書の翻訳よりもずっとうまい。子供の頃自然に読めたのもそのためでしょう。ちなみにこの『ミグ戦闘機』は軍事評論で有名な野沢正氏の書き下ろしです。この文体がまた面白い。軍事史や技術史を中心とした内容なのに、あなた見てたの?とツッコミたくなるような、臨場感ある会話体が混じるんです。例えばミコヤンとグレビッチが
「党と政府が、わがチームやヤコブレフ・チームにジェット機の開発を命令してきた。私は双発で強力なものにしたいが、メッサータイプよりベルP59タイプのほうが、戦闘機としていいと思うが……」
「もちろんだアルテム(ミコヤン)。ただツアギ(中央空気流体力学研究所)がいっているように、ドイツの排気ノズル(筒)は長過ぎる。これは絶対に効率的に損だよ」
「つまり、排気ノズルはほとんどいらないわけだな。ミカエル(グレビッチ)、それを念頭に設計開始といこう」
「プロペラ機ではおくれをとったが、ジェット機では絶対に負けないぞ。同志、がんばろう」
って会話したりするんですよ。まさに、あんた見てたんかい、の世界でしょ? しかしこの文体がこのシリーズに合ってるんですよね。
さて、ジェットエンジンの話に戻りますと、この『ミグ戦闘機』の中に、ニーンエンジンとVK-1エンジンの件(くだり)が出てくるんです。
それはそれとして、この第二次大戦ブックスのもう一つの特徴、翻訳の文体です。元々はペーパーバックで有名なバランタイン社のシリーズの翻訳で、日本人著者の書き下ろしの物も加わるようになりました。その翻訳ものと書き下ろしものの日本語の文体にあまり落差がない。つまり翻訳ものも翻訳臭がなく、自然なんですね。しかも戦記物の武勲赫々という感じで違和感が無い。軍事用語や技術用語、特に航空関係など訳語も妥当。下手な学術書の翻訳よりもずっとうまい。子供の頃自然に読めたのもそのためでしょう。ちなみにこの『ミグ戦闘機』は軍事評論で有名な野沢正氏の書き下ろしです。この文体がまた面白い。軍事史や技術史を中心とした内容なのに、あなた見てたの?とツッコミたくなるような、臨場感ある会話体が混じるんです。例えばミコヤンとグレビッチが
「党と政府が、わがチームやヤコブレフ・チームにジェット機の開発を命令してきた。私は双発で強力なものにしたいが、メッサータイプよりベルP59タイプのほうが、戦闘機としていいと思うが……」
「もちろんだアルテム(ミコヤン)。ただツアギ(中央空気流体力学研究所)がいっているように、ドイツの排気ノズル(筒)は長過ぎる。これは絶対に効率的に損だよ」
「つまり、排気ノズルはほとんどいらないわけだな。ミカエル(グレビッチ)、それを念頭に設計開始といこう」
「プロペラ機ではおくれをとったが、ジェット機では絶対に負けないぞ。同志、がんばろう」
って会話したりするんですよ。まさに、あんた見てたんかい、の世界でしょ? しかしこの文体がこのシリーズに合ってるんですよね。
さて、ジェットエンジンの話に戻りますと、この『ミグ戦闘機』の中に、ニーンエンジンとVK-1エンジンの件(くだり)が出てくるんです。
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