みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

「長空雄鷹」に見るMiG-15 その9

2010年09月02日 00時00分16秒 | 映画
 写真はMiG-15のコクピットが大きく写っているシーンを二枚並べたものです。液晶テレビの画面を直接撮影した画像を編集すると干渉縞が大きく出て、見にくくてすみません。しかし一つずつPCでキャプチャーするのも大変なので、テレビの前に三脚立ててじゃんじゃん撮影したんです。
 写真上は空戦シーン。もちろんスタジオ撮影で、どうも機体は本物を使っているように見えます。セットにしては妙に細かいんで、実機を大きなスタジオに引っ張り込んで撮影したのではないかと思います。そして写真下は基地内をタキシング中のシーン。これは実際に基地でロケをしているように見えます。なにしろ空軍全面協力の国策映画ですからな。
 ご覧になってすぐにお分かりでしょう。両者の大きな違いは、キャノピー天井のバックミラーの有無です。本来MiG-15にはキャノピー上部のバックミラーは装備されていません。これが一般的に見られるのはMiG-17以降です。ところが写真下のMiG-15にはついている。他の場面でもこれがMiG-17ではなくMiG-15であることは確認できます。この映画にはMiG-17は出演していません。
 そうすると考えられるのは、MiG-15にも後になってバックミラーが装着されたということです。朝鮮戦争前後のMiG-15にはバックミラーは確認できません。ところがこの映画が公開されたのは1970年代。もちろんそのころも中国ではMiG-15を補助的にではありましょうが使っていました。そうするとこの時代のMiG-15はそれなりに細かいところが改修されていて、バックミラーも追加されていた、そしてその近代改修された機体がこの映画に出演していた、ってことなのでしょう。バックミラー程度が「近代改修」と言えるかどうか知りませんが(もちろん無いよりはマシでしょう)。そして、スタジオ内で撮影された空戦シーンは、既に退役した展示機か何かを使用したのか、バックミラー未装着の機体だった、ってことなんでしょうね。
 そんな細かいことばかり、とおっしゃらないで下さい。こんな細かいところを楽しむ以外に、こんな古い国策プロパガンダ映画に見所はありません…。

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