みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

「長空雄鷹」に見るMiG-15 その17

2010年10月05日 00時01分09秒 | 映画
 さて、敵役(かたきやく)の米軍のパイロット、サンダージェットで主人公達と死闘を演じた挙げ句、中国軍の基地を直接爆撃するという作戦に出ました。でもどっちみにプロパガンダ映画ですから、かならず敵役がやられます。これは撃墜される瞬間、うわーっと最後の叫びを上げる中国人俳優、もとい、米軍パイロット。その後、ドカーンと吹っ飛ぶわけです。懐かしい戦隊ヒーローもので、悪者の怪物は必ず最後にひと言叫んでから爆発してしまいますが、ちょうどあれと同じですねえ。
 で、このシーン、パイロットの頭の上にもなにやらポスターかピンナップ写真かが貼ってありますよ。もう、そりゃちょっとやり過ぎだろう! しかし違うんですよ。こういうお笑い映画では、登場人物の役柄や性格を、コスチュームや小道具やその他の「記号」で表現するわけです。善玉はこうで悪玉はこう、顔を見なくてもコスチュームを見れば誰か分かる、ってそういう表現方法ですね。このあたりは伝統劇と同じ。ピンナップはこれが米軍ですよ、という記号なんですね。あきらかに顔が白人っぽくなくても、明らかに中国人がメークしているんでも、ピンナップ写真があったらはい、これは米軍ですよと見なさなければならない。そういうお約束の記号なんですね。
 もう一つ、このシーンのカメラが少し引いてくれているお陰で、この飛行機の風防フレームの形状がよく見えるんです。この窓枠、そして視界を確保するために機体から左右に貼りだした出窓みたいな風防。ワイパーもついている。まさに、アントノフAn-2ですよ。もしもスタジオに作ったセットなら、なにもAn-2そっくりに作る必要はありません。たぶん実機のAn-2をそのまま撮影に使ったんでしょう。中国ではAn-2が民間軍用いずれも大量に使われていたので、撮影用に使うには持ってこい。掲示板の常連さんも、いろんな空港で駐機しているAn-2をたくさん見たそうです。当然今も飛んでいるんじゃないかな。ってことでこの映画、こういう細かいツッコミをしながら見るには大変楽しい作品です。でも見終わった後は、やっぱり空しさしか残りませんが。

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