みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

王海著「我が闘いの生涯」(下)02

2014年06月28日 12時40分05秒 | 書籍
 ちょうど二箇月を過ぎたころ、また勝利を知らせる速報が来た。8月23日、空軍航空兵団某連隊の飛行主任張文逸が、浙江省江舟山地区で米軍のP4M-1Q電子偵察機〔P4M-1 マーケーターの電子戦用機〕一機を撃墜したのである。これは我が師団の司令員にとって大きなショックであった。
 外圧を力に変えるべく、パイロットが仲間の部隊の撃墜経験を学び、夜間に侵入する敵を攻撃する方法を繰り返し研究し、指揮官や管制官からパイロットに至るまで皆が必要な準備を行うよう手配した。敵の出現に備えて正確に、機を逸せず、以心伝心で協力して敵機を攻撃できるようにしたのである。
 その時はついに来た。1956年11月10日、我が師団の夜間戦闘の当直任務にあったパイロットは、夕食を終えると、車に乗って駐機場へ到着し、機体の点検を行い、当直の準備をすませた。気象台の予報官が最新の気象予報を送ってくる。こうした複雑な気象には、敵機は出撃し慣れている。パイロット達は「今夜は戦闘があるかも知れないな。高度を保って警戒しなければ」と言う。私も早めに指揮所に行き、各方面の状況を納得するまで点検確認した。
 暗くなってしばらくして、上級指揮所からの敵情報告を受け取った。20時43分南日島上空に敵大型機一機を発見、高度2000メートル、方位300度。21時11分福州西北28キロメートル地点で大陸に侵入、速度毎時330~350キロメートル。21時55分、敵機が周寧の北20キロメートルに達した時、我が師団は命令を受けてMiG-17F一機を第一級警戒態勢に置いた。私はすぐさまこの命令を当直のパイロットに伝えた。