みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

Eduardの1/72、MiG-15 その11 尾翼の角度は…(the tail wings)

2014年04月16日 00時02分38秒 | 航空機(露・軍用機)
 タミヤのMiG-15の尾翼は明らかに先細り、Eduardの尾翼は前縁の後退角はタミヤと似ているものの幅広に見える。ところが、今まで両者をきちんと比べたことはなかったんです。タミヤのキットは1/48で、EduardやKPのキットは1/72。そもそもスケールが違うので、そのままでパーツを並べても尾翼角度や平面形の違いというのが意外と実感しにくい。両者のイメージの違いはどこから来るのでしょうか。1/48ではタミヤのキットに対してCIROモデルの改造パーツを基準に考えていました。一方1/72ではKPを基準に考えていました。ここは一つ、1/48のタミヤと1/72のEduardを比べてみる必要があります。

 最近画像加工用ソフトの使い方もだんだん分かってきました。私は一太郎同梱の花子フォトレタッチを使っているんですが、アドビのフォトショップよりも随分使いやすい気がします。これを使って比較用の画像を作ってみましょう。
 まずできるだけレンズの収差が出ないように、ズームレンズの望遠側の画面中央をなるたけ使って撮影し、周りをトリミングします。そして傾き調整機能によって、水平尾翼翼弦線が水平になるよう調整します。あとは、1/48のキットと1/72のキットができるだけ同じ大きさに見えるように拡大縮小をします。そうして二つの画像を並べたものがトップ画像です。左がEduardの1/72、右がタミヤの1/48です。
 意外や意外。両者の垂直安定板前縁の角度はほとんど違わないんですね。今までCIROモデルに比べてタミヤの尾翼が寝ているので、問題は前縁の後退角だとばかり思っていたのですが、Eduardの新製品は実はタミヤとそう変わらなかったんです。さて、そうすると違いはどこにあるのか。トップ画像をご覧いただければお分かりになると思います。そうなんです。問題は垂直尾翼の後縁だったんです!
 両者を比べると明らかにタミヤの方が先細りです。Eduardは幅広に見える。それはタミヤの尾翼後縁が立ちすぎているからだったようです。そしてもう一つ重要なのが、方向舵の角度と幅です。方向舵の前縁、つまり方向舵と垂直安定板との接線、可動軸線。これの後退角がタミヤではやや大きい。その結果、タミヤの方向舵は先細りで、尾翼全体の平面形もまた先細りに見えたわけです。補助線を入れてみました。

水平尾翼の翼弦線は両者でだいたいまっすぐにしてあります(細い水平線)。そして、黒の太線の垂直尾翼前縁が水平尾翼翼弦線に対して成す角は、両者それほど違わない。問題は赤の太線で示した方向舵の前縁後縁で、タミヤは前縁が寝ていて後縁が立っている。Eduardは前縁が立っていて後縁が寝ている。言い換えればEduardの前縁後縁はより平行線に近い。よってEduardは方向舵が幅広で、その結果尾翼全体が幅広に見えた、タミヤは方向舵が先細りで、その結果尾翼全体が先細りに見えた、ということです。もう一つついでに、青の矢印で示した方向舵の上の角、これはEduardのように丸みが強くて下に落ち込んでいる方が実機に近い。タミヤのは角が立ちすぎです。
 これで長年気になっていたことに答えが出ました。いや、今までだってパーツと実機写真を見比べれば分かったはずのことなのですが、特に実機写真ではなかなか方向舵の幅まで気がつきません。Eduardの製品を手にして、尾翼が寝ているのに気づいて、あれこれ比較して、やっと気づいたんですね。まあ気にせず作ってしまえば分からない程度の話かもしれませんが、でもわざわざレジンパーツを出してここを修正しようとしたCIROモデルの担当者の気持ちが、ちょっと分かったような気がします。