みに・ミーの【みにスケール模型日記】

ミニスケールAFVを中心とした模型日記です。

王海著「我が闘いの生涯」(上)02

2013年07月20日 19時39分09秒 | 書籍
初の敵機撃墜

 最初の参戦で連続数回離陸したが、いずれも戦果は得られず、大隊長として私の心はまるで石がずっしりとのしかかったかのようであった。そして11月9日、この日に我々はついに敵機を撃墜することとなった。午前9時44分、地上指揮所より、平壌の南に米空軍F-84戦闘爆撃機8機が旋回行動中との通報を受け、9時51分、我が第9連隊の19機が命令により離陸。副連隊長林虎の指揮でこの敵機を迎撃した。我が編隊が戦域に到達したときには米軍機は既に帰還しており、交戦の機会を逃してしまった。
 我々が機首を巡らし帰還しようとしたその時、地上指揮所から前方40キロメートルに敵FMK-8型機〔訳注:グロスターミーティアF Mk.8のことだと思われる〕一機が行動中との通報を受けた。
 このような絶好の機会を逃せるものか。皆の心はたちまち奮い立った。編隊長機の許可を得て、私は本大隊の焦景文・周鳳性・劉徳林たちを率いて前方へと飛行し、瞬く間に敵機の活動空域に到着。その敵機を一目で発見したのである。
 これは英国空軍の機体で双発。機体は太く、大きな図体をしている。まさに悠々と戦闘哨戒飛行中であった。
 我々が敵機を発見すると同時に敵機も我々に気づき、直ちに急加速して南方に逃走した。
 手にした獲物を逃してなるものか。我々は咄嗟に一百キロ余りを追跡し、鎭南浦上空で敵機に追いついた。
 私はすぐさま敵機の尾部に照準して機関砲の発射ボタンを押した。私の生涯初の敵機に対する発砲であった。満腔の怒りが砲弾と共に敵機に向けて撃ち出された。ドン!ドン!ドン!……一筋に並んだ砲弾が光の線となってまっしぐらに敵機に向かう。見る間に敵機は被弾してふらふらし始めるが、落ちようとしない。私は慌てて発射ボタンを押したが、砲弾が撃ち出される音は聞こえない。砲弾を撃ち尽くしていたのだ。(続)