本日の区議会区民委員会に区は東京労働局から是正指導(7月15日)されていた法令違反の是正策を報告しました。以下の報告資料です。
具体的には以下のようなフロー図が示されました。フロー図は上部の画像をクリックすると大きくなります。
東京労働局の是正指導書は次の内容です。
違反事項及び是正のための措置(要旨)
(違反事項)
足立区役所は、平成25年3月25日に富士ゼロックスシステムサービス株式会社(以下「富士ゼロックス」という)と業務委託と称する契約を締結し、平成26年1月6日から足立区戸籍・区民事務所窓口の業務を行わせていたが、実態は、
(1)受託者である富士ゼロックスが、発注者である足立区に対してエスカレーションと称した行為により疑義照会することが定められていること。
(2)足立区と富士ゼロックスの間で行うエスカレーションは事実上の指揮命令となっていることから労働者派遣事業に該当するため、左記条項に違反する。
(是正のための措置)
1 上記違反事項については、派遣労働者の雇用安定を図るための措置を講じ、是正すること。
2 現在行っているすべての業務委託契約について、上記と同様の違反等がないか点検を行い、労働者派遣法に違反する事項がある場合は、労働者の雇用の安定を図るための措置を講じることを前提に、速やかに是正すること。
3 上記の点検結果を、東京労働局需給調整事業部需結調整事業第二課あて書面にて報告すること。
指定期日 平成26年8月20日 以上
具体的な仕様書の変更内容は次のようなものです。
区議団の声明を紹介します。
戸籍の外部委託一部撤回についての声明
日本共産党足立区議団
本日、足立区議会区民委員会で、戸籍窓ロ業務の外部委託の一部撤回が報告
された。
足立区は、今年1月から全国に例のない大規模な戸籍窓ロ業務の外部委託を
行い、3月に東京法務局による「戸籍法違反」の改善指導を、今年7月15日
に東京労働局による「労働者派遣法違反(偽装請負)」の是正指導をうけていた。
その対応として、窓口の大半を民間事業者(富士ゼロックスSS)から、区の
職員に戻すこととなった。具体的には、今年10月から是正に着手し、来年4
月には14~5ある窓口の10前後を区の対応に戻すことになる。
これは、戸籍窓口業務の前例のない大規模な委託を憂える広範な区民や労働
組合、国会・区議会が連携して区を追い詰めた結果である。
これを機に包括的な区役所本体業務の外部委託は撤回し、区民の人権とプラ
イバシーを守る区政へと切り替えるべきである。
しかし区は、見直しには言及するものの、国保・介護等新たな委託につきす
すむ姿勢を、区民委員会でも示した。
今回は、改善・前進の第一歩であるが、引き続き撤回を求め、奮闘するもの
である。
※解説ー今回の是正措置は戸籍業務の丸ごと委託(包括委託)の破たんを示したものということができます。
本年3月、法務省より、戸籍法など関係法令に違反するとして、是正勧告をうけ、その改善策として、窓口業務や判断業務は区の職員が行うということになりました。しかし、それは区職員と委託業者による二重行政となり、長時間待たされるなどの区民サービスの低下や税金のムダ使いが指摘されました。さらに、7月の東京労働局の是正指導によって、戸籍事務の丸ごと委託は戸籍法と労働者派遣法により、外部委託が二律背反(相互に矛盾する二つの命題が同等の妥当性をもって主張されること。)するものであり、丸ごと委託(包括委託)そのものが難しいことになったものです。
足立区が推進しようとしている国保や介護などの包括委託は戸籍窓口委託で顕著になった労働者派遣法(偽装請負)違反から免れることができないことを証明したといえます。したがって、国保・介護など区役所本体業務の外部委託は撤回しかないことを区は認めるべきです。
針谷みきお
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