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デーセントワークへの挑戦と世界の労働運動2013年

2013-10-19 23:55:49 | 労働・雇用

■ 雇用防衛・非正規雇用規制のたたかい

 欧州では、産業衰退と緊縮政策による内需縮小によって雇用情勢の悪化が進行した。 2007~2012年の間に欧州全体で大企業の従業員は149万900人減ったが、製造業の人員削減が顕著であった。
 とりわけ自動車産業では、2006年のGM・ポルトガル工場、2007年のルノー・スベインエ場、2008年の日産・スペインエ場、2010年のオペル・ドイッエ場などの工場閉鎖・人員削減に続いて、2012年にはフランスのプジョー・シトロエン(以下PSA)、イタリアのFiat、ベルギーのフォードなどで工場閉鎖・大幅な人員削減問題が浮上した。
 PSAでは、7月、オルネーエ場の閉鎖と同社史上最多となる8000人の人員削減計画が発表され、CGTは早期退職の許可と従業員全員の無期雇用を要求してたたかっている。政府は「地域や産業に与える影響は大きい」として、国内生産維持により雇用が守られることを報復先に、労使協議を求めたが、PSAの財務審査を行っ
た政府諮問委員会は、経営上の問題点や労使対話の不足などを指摘しつつも、オルネーエ場の閉鎖を「妥当」と判断した。政府は人員削減数の軽減等を求めたが、受け入れられていない。リストラ反対のかだかいは引き続き続けられている。
 Fiatでは、2011年末以降、ポミリアーノ新工場でのパンダニューモデルの生産が始まったが、当初の経営側の約束に反して、再雇用されたのは2000人に止まり、従業員は約1400人減った。 Fiatの年間生産台数は2000年の約140万台から11年には約48万台に減っており、ミラフィオーリ、メルフィなど他工場の将来も懸念される状況に至っている。組合は、対政府交渉で会社に対し、新しいモデルの開発を急ぐよう求めること、場合によっては他国企業でイタリア国内工場を引き受ける用意のある企業を探すことを要求した。
 フランス、イタリアでの産業衰退傾向は鉄鋼づヒ学などでも顕著になっている。例えば、フランスのアルセロール・ミタルではフロランジュ製鉄所の高炉2基の閉鎖が発表され、組合は高炉と雇用の維持のための国有化を要求してたたかっている。スペインの建設業では、多くの企業が倒産し、建設労働者は他国でと働いている。EUの多くの国で、経済発展と雇用剔出が深刻な課題になっているのである。
 こうした中、フランス政府は、企業競争力強化と雇用対策に関する政策提言作成をガロワ投資総合局長に委託した。 11月発表された「ガロワ報告」は、フランス企業の「競争力の重大な欠如」を指摘し、他国より高い社会保険料の企業負担の軽減とその財源確保のための負加価値税増税を提言した。
 一方、イタリアでは、産業の衰退=雇用問題の深刻化を前にCGILが「新しい労働プラン」を発表した。
プランは1949年、D.ヴィットリオが提唱した「労働ブラン」にならって、失業問題解決のための代案と作成されたもので、他の総同盟組合ばかりでなくを企業、政治諸努力、社会の諸機関に呼びかけ共同で練り上い、草案として提出された。それは、イタリアの危機が欧州的規模のもので一国だけの努力で解決しうるものではないとしつつも、イタリアのそれは政府の産業政策の不在による“企業の発育不全≒「グローバル化への対応としてコスト競争のみを追求した結果としての産業における革新の停滞と低付加価値部門への生産の時化」などの特徴をもつとして、単なるケインズ主義ではない、革新的で質の高いプロジェクトを対象に行われる公共投資などの実施を求めるものだった。エネルギー節約と環境の持続可能可能性のためのエネルギー源再編などの「グリーン経済」への転換も提起されていた。
 スペインでは、3月、政府の解雇規制緩和など「労働改革」と緊縮財政に抗議するゼネストが全土で実行されれた。同日は、自動車産業関連工場、港湾、郵便局などの労働者の77%(労組側発表)がストに参加した。
 不安定雇用の拡張も各国で連んでいる。ニュージーランドでは、2011年、90日以内の解雇には理由を問わないという
「90日法」がつくられたが、2012年にはこの法が本格実施された。若者の雇用機会拡大を口実に、試用期間中の解雇
を合法化したのである。


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