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春闘方針を考える

2011-01-25 23:55:11 | 労働・雇用

財界団体の日本経済団体連合会(日本経団連)が、今年の春闘方針になる「経営労働政策委員会 (経労委)報告」を発表しました。
 長期にわたる経済危機の中でも大企業だけは利益を回復させ内部留保を増やす一方、労働者の年収は12年間で61万円も減るという異常な事態です。

今年こそ大企業の利益や内部留保を還元させ、賃上げや雇用の改善が求められているのに、財界の方針は、賃上げでなく、まず企業の国際的な「競争力」の強化をとあべこべの内容です。雇用の安定や経済の危機打開など、大企業が負っている責任への自覚がまったくありません。
 日本の大企業は利益を急速に拡大し、利益を社内にため込んだ内部留保は244兆円と空前の規模に速しています。お金があるのに使い道がない「金余り」現象さえいわれているのに、労働者や下請け・中小企業には「人減らし」や賃金抑制、単価の切り下げが押し付けられ、失業や倒産も高水準を続けている、まったく異常な「逆立ち」現象が生まれています。

内部留保ため込み固執

労働者や下請け企業の収入が増えないため消費も伸びず、日本経済はほとんど成長しない、世界でも異常な状態です。賃上げと雇用の確保で内需を拡大することは、経済の危機打開にとっても、待ったなしの課題となっています。
 労働者や下請け企業、地域などに支えられて、ものをつくり、サービスを提供する企業は、雇用を確保し、生活できる賃金や下請け単価を支払い、利益を還元してこそ、責任を果たしたことになります。大企業が一人勝ちするだけで、賃金や単価は押さえつけ、法人税減税で税金もまともに払わないというのでは、まったくその責任を果たしていないことになります。

 今回の「経労委報告」にも、「自らの利益だけを追求するのでなく社会や国民生活に貢献する」ということばはありますが、その結論が「国際的な市場獲得競争に勝ち抜く」ための「自社の収益力向上」だというのでは、労働者や下請け企業にさらに犠牲をしわ寄せすることにしかなりません。
 実際「報告」には「最低賃金の引き上げ」は「雇用への影響が強く懸念される」、「総額人件費管理」のため「正規労働者の処遇について(も)…検討」、「労働分配率は基準とならない」など、賃金抑制のための身勝手な理屈が並んでいます。かつて「パイ」の分け前を増やすには「パイ」を大きくしなければならないという理屈が賃上げ抑制のために持ち出されましたが、一人勝ちを続けている大企業が「競争力」の強化にはさらに賃金抑制をというのは、まさに無法の上に無法を重ねるものです。絶対に認めることはできません。

政治の責任で賃上げを

 賃上げで消費を拡大し不況を抜け出すべきだというのは、いまやまともな感覚の持ち主なら、財界系のシンクタンクでも認める結論です。大企業の利益と内部留保を使って大幅賃上げと雇用の改善を実現するのは社会的な要請です。
 民主党政権の責任は重大です。労資の交渉で賃上げを実現するためにも、最低賃金の引き上げや非正規社員の正社員化、中小企業への支援、解雇規制のルール強化など「ワンパッケージ(一括)」の政策で賃上げを主導していくのは、政府が取るべき政治の責任です。


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