針谷みきおの一言 集まり処「はんの木」情報 

集まり処「はんの木」にてスマホ・パソコン教室3時間千円貸出中コカリナ教室など📱070-5458-6220へ

インタビュー「食べもの通信」2016.4ー鳥越俊太郎さん

2016-07-21 12:10:02 | 都知事選挙

インタビュー ジャーナリスト 鳥越俊太郎さん

多くのメディアで活躍し、時事問題ではつねにその発言が注目されています。日本を代表するジャーナリストの一人です。2005年、大腸がんを発見。
その後、肺と肝臓への転移が見つかり、計4度の摘出手術を受けました。
仕事への復帰は早く、精力的に活躍する姿には、多くの人が励まされています。お会いすると、引き締まった筋肉とつやのある肌に、生命力がみなぎっていました。人間愛を感じさせる穏やかな瞳も、印象的でした。聞き手・佐々木悦子(編集部)/写真.矢吹紀人(ルポライター)

野菜と魚中心の食事、運動、睡眠で体調管理

ーー最後の肝臓がん摘出術から7年、体調はいかがですか。
調子はいいですよ。がんになって、自分の体の管理を、ちゃんとするようになりました。努力するのはきらいなので、ほどほどに気を付けています。
昼食は食べません。食事は朝と夜の2回。肉はあまり食べず、できるだけ野菜と魚を中心にしています。食べる量も減らしました。夜、必ず食べるのは、じゃ
ことネギをのせた豆腐です。豆腐は植物性たんぱく質で、消化にもいい。
お酒は抗がん剤治療をしていた3年間、一滴も飲みませんでした。今はたまに外食すると、グラス1、2杯程度は飲んでいます。
運動もするようになり、ジムには週3回、行っています。睡眠も5、6時間とるようにしています。

ーーがん治療のさい、治療法で悩まれたことは。
ないですね。医者に全部任せていました。しかし、西洋医学も東洋医学も両方使って生き延びようと考えて、自分で判断し、抗がん剤と漢方薬を同時に飲ん
でいました。昨年、東洋医学の先生にいつもの脈診をしてもらうと、「免疫力はもうパーフ工クトだ」と言われました。今は、内臓脂肪を減らしておなかをへこませたいと、糖質カットの食事をしています。始めてまだ20日ですが、もう効果が出ていますよ。

「がん=死」ではないなんとかなるぞと考えて

ーーがんはいまや2人に1人といわれる国民病です。克服し、元気に活躍される鳥越さんに、多くの人が励まされています。
気持ちの持ち方は大事ですね。僕は根が楽天的で物事をくよくよ考えない。生まれてこのかた、ストレスを感じたことちないんです。
がんになったときも、あま
りショックを受けすに、なんとかなるだろうと思っていました。
「がん=死」のイメージがあるから、悲観的に考えるとショックは大きいですよね。しかし、ショックを受けても悲しんでも、事態は変わらない。
僕は大腸がんが見つかったとき、ステージはⅡでしたが、肺転移の時点でステージⅣになりました。ステージⅣの5年生存率は17~18%です。でも、生き延び
た。死ぬとは限らないのです。
今の医学で治療を受ければ切り抜けられると、気持ちを切り替えて、がんという現実に立ち向かう以外は考えないことです。

戦争しなかった戦後70年余は日本の宝
ーー闘病中もその後も、変わらず平和を願い、発信し続けています。
僕たちは戦争がいかに無残で、悲惨なものかを知っています。太平洋戦争では、アメリカのB29が焼夷弾を落とし、東京では一夜にレて10万人が死にまし
た。当時、日本中のあちこちが焼け野原になりました。僕ち住んでいた福岡で空襲警報が鳴り、防空壕に飛び込んだ経験があります。
揚げ句の果てに、広島と長崎に原爆が落とされた。日本人は、兵隊も含めて300万人近くの命が失われました。ほとんどの家庭の誰かが戦争で命を奪われ、
悲しみの洗礼を受けています。
こんなことは二度とあってはいけない。日本は戦後70年以上、どこの国とも戦争せずに生きてきました。これは世界でも非常に貴重な歴史的体験で、日本に
とって宝です。
ところが安倍政権は、憲法を「改正」して9条をなくし、日本を「戦争ができる国」にしようとしています。昨年は集団的自衛権を認め、安保法制を議決しま
した。自衛隊が世界のどこにでち行き、機関銃の弾を撃つ可能性ができてしまった。
自衛隊が堂々と世界で戦争することは、なんとしても禁じなければいけないし、憲法9条があればできます。

ジャーナリストと権力 負けちゃだめなたたかい

ーー閣僚などのマスコミへの圧力も危惧もされます。
高市早苗総務相が電波停止を命じる可能性に言及しましたが、これは恫喝(どうかつ)です。
ある意昧で、メディアで働くジャーナリストたちと政治権力のたたかいです。資本主義社会では、圧倒的に政治権力のほうが力をもっていて強い。
だけど、これは世界でも日本でち負けられない、負けちゃだめなたたかいです。だから僕もがんばっているつもりです。世論の支持は大きな力になります。
国民はできるだけ声をあげて、支えてほしいですね。

食べもの通信2016.04号より