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生存権裁判に見る最高裁の不当判決

2012-03-01 23:56:48 | 介護・福祉

70歳以上の生活保護利用者に支給されていた老齢加算の廃止は憲法違反だとして、全国各地で廃止処分の取り消しを求めている生存権裁判で、初の上告審判決が28日、最高裁でありました。原告13人(1人死亡、1人取り下げ、現在11人)が東京都の10市区を相手取った裁判で、最高裁第3小法廷の岡部喜代子裁判長は「原告の上告を棄却する」と、不当判決をいいわたしました。

老齢加算の縮小廃止(2004年度から06年度)は当時の自公政権による社会保障切り捨ての一環でした。これを判決は追認しました。

 「正当な理由」のない「不利益変更」を禁止した生活保護法56条は、福祉事務所だけでなく厚労相にも適用されると原告は主張しましたが、判決は退けました。また、厚労相の裁量権について、乱用・逸脱はないとしました。

 老齢加算の廃止で、親族の葬儀に香典を包めず参列できないなど、社会から孤立する原告らの深刻な訴えを判決は冷酷に無視。憲法25条を具体化した生活保護法の違反がないので「憲法25条に違反するものでもない」と結論づけました。

私は厚生労働省がふりまく生活保護制度へのこうした攻撃の本質は、新自由主義による構造改革路線にあると考えています。貧困と格差が広がるなかで、高齢者をはじめ弱者への攻撃をおこない、国民同士をいがみあわせ、分断する支配勢力の謀略的手法を許すことができません。

一方では、大企業や富裕層へは平気で減税したり、TPPや沖縄普天間基地などアメリカの不当な要求は受け入れる卑屈とも思える政治は許されるのでしょうか。いまこそ、国民自身が立ち上がるべき時だろうと思っています。


 生存権裁判 生活保護の老齢加算を廃止したことは憲法違反だとして全国でたたかっています。京都、広島が高裁で、秋田、新潟、青森、兵庫が地裁で係争中。福岡は原告が二審で逆転勝訴し、最高裁の判決が4月2日にでます。

 老齢加算 70歳以上の生活保護受給者に対して、加齢に伴う費用の増加があるとして月約1万8千円支給されていました。保護基準額の本体は一定年齢をこえると減り続けます。加算があることで憲法25条が保障する最低生活を維持していました。2004年度から減額、06年度に廃止。受給者の生活扶助費が2割も減りました。