足立区ではジェネリック薬品の推進が実施されていますが、中々推進しない現状があります。これは効果は同じ薬の特許期間をすぎた医薬品を提供するもので、患者にとっても、自治体の医療費を抑制するにも効果のあるものです。
ところが、日本で「よく売れている薬」の価格は英国、フランスの約2倍、ドイツの約1・3倍―。日本の薬価水準が先進諸国と比べて依然として高く、医療保険財政を圧迫していることが、全国保険医団体連合会(保団連)と医薬ビジランス研究所の調査でわかりました。製薬大企業は全産業平均の3倍近い利益(粗利益率)をあげ、巨額な内部留保も。医療費の約3割を占める高薬剤費の構造にメスを入れることは緊急の課題です。
保団連による「薬価の国際比較調査」は1995年以来。前回、日本の薬価の異常な高さを明らかにし、医薬品行政の改善につながりました。薬価は、健康保険で使用する医薬品の価格で、政府が決めています。
調査は米、独、仏、英のうち3カ国以上の国で、売り上げが多く薬価が判明した77品目(2010年)を対象に実施。日本の薬価が、新薬を含む先発品を中心に高い実態は前回調査時と基本的に変わらず(グラフ上)、今回、売り上げの多い薬剤ほど海外との価格差が大きいことも分かりました。
また、10年の人口1人あたりの薬剤費をみると、日本は英国の4・1倍。薬価が高いうえに薬剤使用量も多い傾向が推察された、としています。
「日本の薬価問題プロジェクト2011」事務局の小薮幹夫さんは、「国民は高薬価と高い窓口負担によって、安心して薬物療法を継続できない実態があります。窓口負担増が検討されていますが本末転倒です。高すぎる薬の価格を患者が払える範囲まで大幅に引き下げることこそ急がれる」と話します。