今議会に日本共産党足立区議団が議員提案で足立区アスベスト飛散防止条例を提出しました。
アスベスト(石綿)は、長期にわたって吸い込むことによって塵肺(じんぱい)、石綿肺(肺繊維症)、中皮腫、肺がんなどの健康被害を起こし、死に至る場合があります。
吸入してもすぐに病気が発症するわけではなく、20年~40年の潜伏期間があります。これこそが、アスベストが「静かな時限爆弾」とも称される理由です。
日本では、多くのビルが建設された1970年代にアスベストは多量に使用されており、環境庁では2020年~2040年には、年間10万トンのアスベストが排出されるとしています。
建設従事者だけで全国で40万人がアスベスト被害者といわれ、建設従事者以外の方々を含めると、足立区でも推定数千人に上ると思われます。
アスベストのクボタショックを契機にアスベスト(石綿)健康被害救済法が制定され、2006年から施行され、遅ればせながら対策が前進しました。
しかし、この法律でも救済の対象にならない部分が残されました
アスベスト被害対策は
①過去にアスベストを吸ってきた方の救済
②現在及び今後のアスベスト飛散防止
③アスベスト含有職場の労働者の救済
④アスベスト含有建物の利用者や解体工事周辺の住民などの救済
⑤医療との連携、労災認定、資料の収集や手続きの円滑化などの分野があげられます。
そういう中で解体工事における「アスベストの飛散防止」等について、今回条例提案をしました。
ポイントは
●解体工事等のアスベスト飛散について規定を設け、区として対策を講じられるようにした。
●関連法令である大気汚染防止法や東京都環境確保条例では規定されていない解体面積や、解体の「元請け」業者の責任を規定し、実効性あるものにしたことなどです。
足立区にはアスベストについて統一して相談を受けたり対策を立てる窓口がありません。現状は環境部・建築部・衛生部にまたがっています。
アスベストに関する窓口を作って相談や対策を進め、全都で5人と言われる専門医の紹介など分かりやすくするべきです。
また、現場で、自治体の的確な対応が行なわれないと被害が拡大したり、救済が遅れる事態が発生しています。
足立区だけが要綱も条例もつくらず
こうした状況のなかで東京23区で他の22区は、条例や要綱をつくってアスベストの飛散防止など対策を講じていますが、足立区だけが条例も要綱もなく、対策がきわめて不十分な状態です。
区内ではアスベスト救済法が施行されたあとでも、無届で解体が行なわれ、アスベストが飛散しているのではないかとの通報がたびたび寄せられ、区の職員が飛んでいって解体業者に「お願い」という形で、飛散防止の対応を求めてきました。
解体業者の方も「後から言われるより最初から決めておいてくれたほうが(飛散防止の対策や解体工事が)やりやすい」と言います。
根拠規定がないから「お願い」という形になるだけでなく、区役所の中にアスベストに関する決まった窓口もありません。
ついには区では対応できず「刑事告発・書類送検」という事件(昨年)も発生。
条例や要綱があれば事前に飛散防止の措置が講じられるし、仮に飛散が発見された場合にも、行政の指導ですぐに対処が出来ます。
日本共産党は三年前から「足立区だけが要綱も条例もない。早急に作って対策を強めるべきだ」と予算委員会、決算委員会、本会議質問と、くりかえし求めてきましたが、条例はおろか要綱も策定されていません。
ことの重大性を考え日本共産党は、議案提案権(議員が議案を提出することのできる権限)を使って、「アスベスト飛散防止条例」を今議会に提しました。