日本が環太平洋連携協定(TPP)に参加すれば、区内の公共事業に外国企業の参入が広がり、地元建設業者が大きな打撃を受ける恐れがあります。足立区の事例でみると、学校校舎の改築、公共施設の建設など、地域密着型の公共工事にも影響が広がりそうです。
地方公共工事の国際入札基準では
政府や都道府県、政令指定都市、23区が調達する公共工事は、世界貿易機関(wTo)の政府調達協定にもとづき、一定の規模以上で、外国企業に入札を開放しなければなりません。
その基準は、都道府県と政令指定都市、23区の場合、日本では現在、契約額23億円以上です。しかし、日本がTPPに参加した場合、変更が求められる可能性があります。
TPP交渉参加諸国のうち最も低いもので6億9455万円です。日本がTPPに参加した場合、このような低い水準が求められる懸念があります。
日本共産党川崎市議団がNPO法人の建設経済研究所(理事長・松丸和夫中央大学教授)に委託した調査によると、2008年度の川崎市発注工事のうち、国際入札を実施しなければならない工事は契約額約50億円の1件でした。これは市外の大企業が受注しました。
ところが、もし日本がTPPに参加し、参加交渉国のうち最も低い国際入札基準(契約額約7億円以上)の採用を求められた場合、国際入札対象工事は一気に10件に拡大します。
足立区で7億円以上の契約は7件、建設業には致命的な打撃となる
これを足立区でみると平成22年度が7件(学校校舎の改築、土木工事)ありました。この受注はすべて地元建設業が請け負っています。
来年度以降も学校改築工事は計画的に発注されますし、区営住宅の改修や道路・橋梁工事なども7億円以上はすべて、貿易障壁とされ外国企業への開放が要求されます。
改築中の西新井小学校
足立区の建設業にとっては大打撃となることは明らかです。
区内産業を守る上でもTPPへの参加は断じて許すべきではありません。
区民の皆さんのご意見・ご要望をお寄せ下さい。 区議会議員 針谷みきお