ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

赤道直下のヒイラギの葉

2007-07-07 01:54:17 | アジア

 ”Joy Tobing”

 う~ん、これから話題にしようとしたアルバムに関する情報が欲しくて検索をかけたんだけど、まるで情報が上がってこないし、ジャケの画像も見つからない。購入したお店でも「現地でも品薄だった」と聞いたけど、ひょっとして限定発売とか途中でなにか問題があって発売中止にでもなったんだろうか?なにしろよく分からないジャンルの音楽であるゆえ、なにか文章を書くヒントなど欲しかったんだけど・・・

 え~、そういうわけで。”rindu akan mu”なるアルバムに関して、なんですが。

 これはインドネシアのアイドルスター、ジョイ・トビンが歌うキリスト教の宗教歌謡集であります。この種の歌は、”ロハニ (rohani)”と呼ばれているようです。
 このアルバムのジャケには”Praise & Worship”というサブ・タイトル(?)が付いてますな。これは礼拝の形式名だそうなんだけど、クリスチャンではないこちらとしては、そんな説明を聞かされてもピンと来るものではないですね。

 インドネシアといえばイスラム教国というイメージがあるんで、このようなものが存在すること自体が不思議な気がするけど、かの地はむしろ他民族他宗教国家と考えるべきなんでしょう。

 実は私、以前からこのインドネシアのキリスト歌謡ものに興味を惹かれていて、機会があるごとに買い込んできたのです。まあ、音楽の大つかみなところは、非常に清潔な響きを持ったポップ・インドネシア、と言う感じの音楽なんですが。私なんかにも聴き覚えのある賛美歌のメロディなんかも飛び出してきたりで、なかなか心洗われるような気分になったりする。

 そうそう、初めて聴いたロハニのアルバムは、インドネシア・ポップス界の大スター、ルース・サハナヤのものだったんだけど、聴いていたら、あのアメリカ南部ロックのドン・ニックスのアルバムに入っていた曲が、当然ながらインドネシア語の歌詞を伴って飛び出して来たんで、面白くなって入れ込んでしまった、なんて経緯もありました、今思い出したが。

 この新進、ジョイ・トビンもキリスト歌謡を得意としているようですが、そのようになる背景、たとえばアメリカの黒人歌手だったら子供の頃から教会に通ってゴスペルに馴染んでいたとか、それにあたるものがあるんですかねえ。検索では、そのような事実は見当たらなかったんだけど。

 ともあれ、ややハスキー気味のトビンのアイドル声がパワフルに敬虔な祈りのメロディを歌い上げる。これはなかなか切なくて良いものなんですが、良いんですかね、信者でもないものがこんな具合に楽しんでしまって。・・・と一応言ってはみるが大して気にしてはいません、CDを買ってしまえばこちらの勝手だ。

 現地を知る人の話では、このキリスト教ポップスが昨今、なかなかの人気のようなんですね。これにはどのような背景があるのやら、ちょっと知りたい気分であったりします。もしかして私のように宗教は関係無しで、ただシンプルに美しいメロディを実力派の歌手が歌うのを楽しんでいるだけだなんて。そんなこともあるんじゃないかなんて想像しているんですが。


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