ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

でっち上げの”放送禁止”

2008-09-09 02:56:42 | その他の日本の音楽


 森山直太郎の新曲、「生きてることがつらいなら」が問題となっているそうですけど・・・

 問題にするほどの曲かね?話題の歌詞は意味ありげにこけおどしの語彙を並べているが、よく読めば凡庸なことしか言ってはいない。
 結局、歌手と楽曲の話題作りのために”放送禁止騒動”がでっち上げられ、皆、それにやすやすと乗せられてあれこれ論争を始めている、それだけの事じゃないのか?

 だって、ニュースの表題に”禁止曲”なんて打たれてるけど、この曲を放送禁止にした放送局なんてないよね?この曲をかけて会社をクビになった放送局員って、いるの?
 この曲をかけると何の法律に引っかかるの?そんな法律はないよね。

 この曲を流さないと決めたというコンビニだって、実は影でつながりがあって、話題作りに協力してるって事はないのか?
 どうしても店内でその曲をかけなきゃ売り上げが落ちるってものでもなし。そもそもコンビニって物を売る商売で、音楽聴かせる場所じゃないから、どうでもいいでしょ、この曲をかけるかかけないか、なんて。

 ありもしない”禁止の脅威”がぶち上げられ、そいつをネタに、偽装のイベントが走り出す。北朝鮮なんかがよく使う、”我が国への侵略の意図がある”なんて声明とある意味、同質じゃないか。

 そして騒動の後で気が付いてみれば。

 ”問題曲”として話題になったことによる宣伝効果によってCDの売り上げも上々、レコード会社はホクホク顔。 
 歌手本人はまるで受難のヒーローを見るみたいな視線に送られて、”ワンランク上のアーティスト”のポジションに鎮座ましましている。
 そして”賢い消費者”の皆さんは、買い込んだCDを前に、「聴いてみればいい曲なんだよ」とか、こいつも仕掛け人の思惑通り、”予定されたエリート意識”の中で自己満足するという仕組み。

 ”一同めでたく舞い納める”って奴だね、能の用語で言えば。

 まったくものを疑う事を知らない人々って、ある意味、幸福だよねえ。

 ああ、恐ろしい。

 ○直太朗が“放送禁止曲”NHKで全部歌う
 (日刊スポーツ - 09月08日 09:52)
 歌手森山直太朗(32)がNHK「MUSIC JAPAN」(11日深夜0時10分放送)で、一部コンビニエンスストアの店内放送の禁止など、賛否両論の論争が起こっている新曲「生きてることが辛いなら」を約4分半フルコーラスする。民放では、編成上の理由から3分程度の披露だが「今回は作品として、すべての歌詞をきちんと聞いてもらいたい」というNHK側の意向から、異例の、初フルコーラスが決まった。
 フルコーラスが放送される直前には、歌詞の意味や騒動についての思いなどを語った森山のインタビューが約3分間流れる。同番組では異例の構成。不特定多数が出入りするコンビニでは歌詞の一部だけを耳にする可能性があり、一部のチェーンが店内放送を禁止にしたことを重く受け止めたようだ。
 「メッセージは詞の全体に込められています。全体を聞いてほしい」とコメントしてきた森山だが、同番組でコンビニの措置について聞かれ「すごくいい判断なんじゃないかとは思いました。誰かをむげに傷付けてしまうっていう、それだけはやっぱ嫌だ。100人聞いて99人がいいと言ってくれても、1人がネガティブな受け取り方をしてしまうのは、望んでいない」と話したという。
 同番組は07年4月にスタートしたJ-POPの最新ヒット曲を紹介する30分番組。ナビゲーターの関根麻里(23)に代わって自ら森山にインタビューした番組の石原真チーフプロデューサー(50)は「歌にいい印象を持っていない視聴者がいることは理解しているが、世に問うべき曲だと思っている。最後まで通して聞いてみてください、と紹介したい」と話した。