ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

いらねえよ、”DARKNESS”

2008-09-03 16:03:14 | その他の日本の音楽

 ”浅川マキII”by 浅川マキ

 EMIとか言うレコード会社、バカじゃねーの?と、とりあえず言っておこうか。いや、浅川マキのアルバムの発売状況に関しての話なんだけど。

 この間、酔ったついでにふと浅川マキの歌を聴きたくなったんだけど、手元には彼女のデビュー盤のCDしかない。で、それ以後のアルバムを買っておこうかと思って通販サイトを覗いてみたんだけど、やっぱり、あの中途半端な”DARKNESS”のシリーズしかカタログには生きていないんだな。まだこんな状況なのか。呆れました。

 もうどこから見ても大ベテランの浅川マキがかってリリースしたアルバムが、なぜかもう長いことオリジナルな形のものはすべて廃盤のままにされている。この”過去の名作再発掘CD再発売ブーム(?)”の中で、これは極めて異様な状態といえよう。

 その代りに世に出ている浅川作品は、”DARKNESS”なる、60~70年代の初期のレコーディングと、90年代以降の、まあ最近といっていいレコーディング作品とが不自然に抱き合わせにされた奇妙な2枚組CDのシリーズだけなのである。

 なんだろうねえ、これは?ともかくかって出たアルバムの内容をズタズタに切り裂き、まるで発表年代の異なるレコーディングと混ぜ合わせて歪んだ切り張りみたいな盤を出す。そして、その一方でオリジナルな形の盤が手に入るような形になっているならともかく、切り張り盤の”DARKNESS”しか手に入らない状態にしておく。

 なにこれ?浅川マキのファンへの嫌がらせ?他の、浅川マキより知名度が低いであろうと思われるアーティストでさえ、やれデジリマだ、やれ紙ジャケだと口実を並べ立て、何度もCD再発が繰り返されているというのに。
 ”DARKNESS”がシリーズ化されてから、もう10年以上経っているんだからね、ちょっとひどすぎるでしょ、これは。

 で、”DARKNESS”の小売価格も5000円を上回り、つまり価格だけは再発盤と言うよりは新録盤のような設定のアコギな商売。信じられない。

 調べてみたら昨年が浅川マキのデビュー40周年だったらしいんだけどね。それなら、キリの良いところで”浅川マキ・オリジナル・レコーディング完全復刻など、大々的に行なわれても良さそうなものだと思うんだが。
 それがなぜそうならず、彼女のレコーディングだけ、こんなズタズタに切り刻まれた半端な形で放り出されているのか。説明できるんなら説明して欲しいぞ、EMI関係者よ。

PS.
 ”ウィキペディア”によれば、「歌手本人が盤の音質が気に入らないので廃盤にせざるをえなかった」なんてレコード会社のコメントがあるが、気に入らないのだったら気に入るような音質にする努力をし、再発を図るのがあなたがたの仕事だろうと謹んで申し上げたい。