ワールドミュージック町十三番地

上海、香港、マカオと流れ、明日はチェニスかモロッコか。港々の歌謡曲をたずねる旅でございます。

くだらねえ邦題、邦訳に関して

2007-12-09 23:44:03 | その他の評論

 知り合いのバッキンガム爺さんさんのところで、「バーズのどの辺の盤が最高か?」みたいな話題が出ていました。

 私はバーズに関しては”サイケな世界に色気を出してるフォークロックバンド”であった時代がやっぱりあの連中、創造的だったし刺激的だったとおもってるんで、その辺を推します。後のカントリーめいた時代って、完成度はどうだか知らないが、音楽的なスリルが感じられなくてね、なんか退屈じゃないか。

 で、そこの皆さんの書き込みを読みながらふと、「バーズって、そもそもどんなアルバムをどの位のペースで出してきたんだろう?」と気になって調べてみたのです。
 そしたら、昨年、ボックス物が出ていて、その邦題が「巡る季節の中で」なんですね。

 なんだよ、このタイトルは?今、初めて知ったんだけど、かっこわり~!

 恥ずかしいから、この商品がカタログから姿を消すまで、「バーズなんてバンドは聞いたこともない、なんだそれは?」ってな顔して生きて行こうと思います。
 それにしてもギョーカイの人間のセンスのなさって、どうにかならんの?フォークロックがどうの、カントリーがどうの、なんて語ってみても空しいですよ、マツヤマチハルと同じ扱いじゃさあ。

 そういえば昔、心の底から呆れた、「ハエハエカカカザッパッパ」なんてフランク・ザッパの作品に付けられた実にくだらん邦題、あれはまだ生きてるんですかね?面白いですか、ザッパの曲にそんな邦題を付けることが?
 このあたりに如実に現われている、レコード会社の洋楽担当者の趣味の悪さって、ほんと絶望的ですね。ザッパの名に”雑派”なんて漢字をあてたりしてさ。中学生の世間話か?と言うのだよ。

 以前、この”雑派”の件を、所属していた某メーリングリスト(音楽ライターなど、業界人多数参加)で話題にしてみたら、「ザッパ本人に確認を取っているんで、かまわないんじゃないの?」なんて返事が返って来てますます呆れたものでした。

 そりゃザッパにしてみたら、遠い東洋の国に演奏旅行に行った際、「俺らの国ではお前の名前をこう書くんだけど、これで良いよな?」とか訳の分からない文字を見せられたら、「オウイェ~、そいつはゴキゲンだぜ」とか、ご祝儀で言ったりもするだろうよ。それをもって「ザッパ本人もみとめた」ってのはいかがなものか。

 本来であれば、日本、そして東洋における漢字の歴史とその存在、いかなるものかなどを詳細に解説し、”雑派”なる文字表現のいかなるものかを完全にザッパ本人に理解させたのちに、それを名前の表記に使うか否か承諾を迫る、それがスジじゃないのか。
 うん、そんな面倒くさいことはやっちゃいられない。だろ?だからさ、やっちゃいけないんだよ、安易に”雑派”とかさ。

 あと、「××さんの許可取ったから良いんじゃないの?」って発言にも呆れたものでした。”××さん”ってのは、どうやら日本におけるザッパ研究の権威者らしいんだけどね。そんな奴には謹んで「引っ込んでいろ、バカ」と申し上げたい。何が許可だ。手前はザッパ本人じゃねーだろ。根拠のない図に乗り方をしやがってからに。

 それでは、そんなたちの悪いレコード会社の担当者諸氏に捧げるパスティーシュなど。

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 ☆セックスピストルズの最終決定版ボックスセット!

  邦題・”このぬくもり君に伝えたくて”

 ☆キング・クリムゾン、デビュー当時の未発表音源、集大成を公開!

  邦題・”思いやり”

 ☆シド・バレット、知られていなかった本当のラストアルバム発掘さる!

  邦題・”欽ちゃんに会いたかったんだよ”

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 悪ふざけ書いてますけどね、ありえないことじゃないですから。だって、あの”ミスター・タンブリンマン”のバーズのボックス名が”巡る季節の中で”なんだからさあ。