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魚に「右利き左利き」 人間の脳解明に期待-MSN産経ニュースから

2012-01-09 | 左利き
新年早々左利きの記事を書こうと思いつつ、そのままになっていました。

(画像:7日朝、産経新聞で見た記事)
そこに飛び込んできたニュースがこれ。
これ幸いと、飛びついた、という次第。

魚に「右利き左利き」 人間の脳解明に期待 - MSN産経ニュース
(動画ニュース)
魚に「右利き左利き」 名古屋大研究員らが撮影

《名古屋大の竹内勇一研究員らの研究チームが》、《餌を捕る時に左右性(右利き、左利き)があるとされる魚の捕食行動を明確に撮影、分析することに成功した》と、《6日付の米科学誌プロスワン電子版に発表した》
―というものです。

《人間の利き手と脳構造の関係解明への応用も期待できそうだ。》
―とあります。

記事の冒頭まとめの言葉には、《人間の利き手》とありますが、
記事内の竹内研究員の言葉では、
「今後、魚の左右性に関係する神経系を特定し、人間の“利き”と脳のメカニズム解明につなげたい」》
―と“利き”という表現になっています。

この辺のニュアンスは、私は重要なポイントだと考えています。

「利き手」と言い切ってしまうと、一般の人にはわかりやすいかもしれませんが、
範囲が絞られていまします。
利き手以外にも、利き足や利き目・利き耳などがあります。

あくまでも“利き”というのは、身体全体にわたる偏りの傾向を示すものだと思います。
実際にどちらの側(の手)を使うかというより、どういう傾向があるか、ということです。

人間の場合、意識的に使う場合と無意識に使う場合、また意識していなくても、習慣的に使う場合があります。
学習により習慣化する行動というものがあるわけです。

そういうものを除外して、あくまでも真に“非”意識的な傾向を“利き”と呼ぶのだ、と私は理解しています。

 ・・・

閑話休題―。

昔は、人間にだけ「利き手」がある、と考えられてきました。
「手」を持つのが、人間だけ、という考え方もありますから。

たぶんに、これはキリスト教文明の影響ではないか、と思うのですが、
キリスト教では人間と他の動物とはまったく別格の扱いですから。

理由の一つに、
「ヨーロッパにはサルがいなかったからではないか」という説があります。

人間と他の動物が一つながりのもの、という考えを導き出す
「進化論」をダーウィンが発表するのを何年も押さえていたのは、
一つにはこのキリスト教会からの弾圧を恐れたから、といわれています。


話を戻しまして―。

「左右の非対称性」という考え方をすると、
様々な動物に「利き手」に相当するものが見つかるようになりました。

テレビでも犬や猫の利き手、
シロクマの利き手調査をやっている番組も見たことがあります。

今では人間特有の現象という考え方はないようです。

 ・・・

昨今では、オリンピックの代表選手などが、右利きでも左手で箸を使う訓練をしたり、
『右脳革命』(T.R.ブレークスリー/著 大前研一/訳 プレジデント社 1981、新潮文庫 1993)以来、
左脳に偏った思考に柔軟性を持たせるために右脳を鍛える、
といった理由で、左手を使え、という話があります。

身体の左右のバランスを取るのは、理解できますが、
思考や発想がどうこうというのは、考え過ぎのような気がします。

ちゃんとした脳科学の本

『脳科学の教科書 神経編』理化学研究所脳科学総合研究センター 編
 岩波ジュニア新書680 2011.4

など読んでみますと、ほとんど否定的です。

人間の脳は、通常左右の脳が総合的に働いているので、
右脳がどうとか左脳がどうということは、一概に言えないそうです。

巷に溢れる“エセ”脳科学の本といわれているものには
色々と出ていますが…。

なにはともあれ、
“利き”の解明に近づく第一歩として、大いに期待しています。

*利き手と左利きの研究に関する本:
(日本)
『左対右 きき手大研究』八田武志 化学同人(DOJIN選書 18) 2008.7.20
―1996年11月刊『左ききの神経心理学』以降、世界で研究された成果を一般向けに読み物とした本。
(イギリス)
『非対称の起源 偶然か、必然か』クリス・マクマナス/著 大貫昌子/訳 講談社ブルーバックス 2006.10
―20年にわたる利き手・左利き研究の成果をまとめた本。
(世界)
『「左利き」は天才?―利き手をめぐる脳と進化の謎』デイヴィッド ウォルマン/著 梶山 あゆみ/訳 日本経済新聞社 2006.7
―自身左利きの科学ジャーナリストが、左利きの謎に挑み世界を駆けるサイエンス・ノンフィクション。

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※本稿は、ココログ版『レフティやすおのお茶でっせ』より
「魚に「右利き左利き」 人間の脳解明に期待-MSN産経ニュースから」を転載したものです。
(この記事へのコメント・トラックバックは、転載元『お茶でっせ』のほうにお願い致します。ただし承認制になっていますので、ただちに反映されません。ご了承ください。)
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