きゃおきゃおの庭

近代建築から現代建築までPHOTOたてもの探訪の記録。大切にしているものなど写真で綴ります。

旧細川侯爵邸とインブリー館 東京文化財ウイーク2009

2009-11-15 | 西洋館
旧細川侯爵邸は、月1回平日に見学会があり、すべて申し込み制となっているため、なかなか行けません。
今回は、東京文化財ウイーク・日曜日の一般公開。さっそく葉書で申し込みました。



門をくぐると、緑の多い敷地の左手奥に和敬塾本館が見えてきました。
館内は撮影可能でしたが、あくまでプライベート用の許可なので、残念ですが写真はUPしません。

戦後連合軍に接収されましたが、大きな改修はされず、その後(財)和敬塾の所有となりましたが、ほとんど使われること無く保存状態の良いまま今日にいたっています。
現在は、和敬塾本館として利用されています。
接収されたのがオランダ軍だったため、ペンキで塗りたてられたり破壊されること無く返還され、その後使われなかったために当時の照明などが残ったのだそうです。接収時、やむなく引っ越した先は、当時事務棟として使われていた場所、現在の永青文庫だという説明が興味深く感じました。

私が持っている「お屋敷拝見」の本で見る、ちょっと薄暗くておどろおどろした印象…。
一歩建物内に入って消えました。

1階は、来客用の部屋として、応接間・大食堂・喫煙室・書斎があります。
喫煙室は、半円形の張り出し窓があり、網がインテリアとして壁に下がっていたため、当時は魚の間と呼ばれていたそうです。
書斎は、栗材を使ってざっくりと刻んだ跡の残る梁を天井や壁にあしらい、重厚なチューダー様式となっています。
玄関ホールや階段室には、卍崩しの木組みが使われ、エキゾチックな雰囲気をかもし出しています。
思ったよりお屋敷は広く、迷子になりそうでした。
この日は、根付作家による作品の展示と尺八の演奏があり、よく公開記事を読んでいなかったので、めんくらいました。申し訳なかったのですが、あまり興味が無く、とまどいました。
見学は、一筆書き状態で、後戻りはできません。見学終了後に自由に見て周れないのも旧古河邸と同じでした。
こうやって、良い状態を保っているのでしょうね。

通常公開していない3階で、絵画サークルの展示会があり、行ってみることにしました。
建物左手にムーミンハウスのような塔屋があり階段室となっています。
螺旋階段をのぼって行くと、思いもかけないような広い屋根裏部屋に着きました。
思い思いの絵画が展示してあり、楽しく見させていただきました。
ここは、子供部屋や書生の部屋。物置があったそうです。
見晴らしもよく、カテドラル聖堂が見えました。

南側の庭に出て、建物を見上げると、あまり印象に残らない、ごく普通の大きめの家といった感じ。
風が吹くと、ぱちぱちと音を立ててどんぐりが雨のように降ってきました。
男子学生寮の敷地にある洋館、不思議な空間でした。
写真は、下記和敬塾HPをご覧くださいね。

旧細川侯爵邸(和敬塾本館)
竣工 1936年
設計 大森茂・臼井弥枝
所在 東京都文京区目白台1-21-2

この日午後からは、明治学院大学のインブリー館へ。
オープンキャンパスに行った時、扉は閉まっていて、見ることは出来ず、この公開を楽しみにしていました。
当時明治学院で教えていた、宣教師の住宅として建てられ、のちにインブリー博士が長年住んだことから「インブリー館」と呼ばれるようになった洋館です。











 



  

窓のデザインが気になります。



窓の外に見えるのは、記念館。



内部は、もっと質素な造りかと思っていましたが、上質な内装の洋館でした。

◇インブリー館(明治学院大学)
竣工 1889年
設計 不詳
所在 東京都港区白金1-2-27

2009.11.1


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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんHA (雨漏り書斎主人)
2009-11-15 21:36:29
細川忠興の系統ですね
応仁の乱の細川勝元と今の細川家は直系じゃないそうです。
anyhow もっと拝見したい気持ちでいっぱいです。


にしてもきゃおきゃおさんのエネルギーには圧倒されます。
2カ所も廻れるなんて!

インブリー館も、内外面 どこを撮っても絵になりますねぇ ♪
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こんばんは! (きゃおきゃお)
2009-11-15 21:45:21
雨漏り書斎ご主人さまへ

案内の方は、由緒ある家柄~!を連発していました。歴史に弱いので…。へえ~状態(笑!)
「敷地内は非公開」の文字に怯え、UPした写真を1枚消去しました。写真はいつものように撮りましたが、まったく整理していません。
アルバムにしたら、ご連絡しますね。
数年前までは、はしごOKでしたが、印象が薄れるので自粛(?)しています。と言いながら、この日はもうちょっと見学しました。
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素晴らしいです! (julywind727)
2009-11-15 22:14:44
きゃおきゃおさん今晩は。
旧細川公爵邸の内部に行かれたなんて羨ましいです!それにしてもマメですね。よく公開日を調べていらっしゃるし、ハガキをこまめに出していらっしゃるし、感服します。中の写真を拝見したかったです。屋根裏部屋があるのですね。見てみたい!子供の頃「若草物語」に夢中になって以来、屋根裏部屋はアコガレです。この建物もCHQの接収されたのですね。敗戦後、神奈川や東京の建物はことごとく接収されましたね。でも多くがこの建物のように生き残っているのが嬉しく想います。いつの日か訪れてみたいです。

インブリー館も建物自体は見た事があるのですが、華さんの記事で内部公開と知り、行きたいと思っていましたが結局行けませんでした。階段が素晴らしいですね。窓も室内も素敵です。設計不詳なんですか、ちょっとびっくりです。

明学や白金近辺は、やはり思い出の多い場所なので思い出巡りに行かなければ・・と思っています。素敵なケーキ屋さんが多い所ですが、どこか入られましたか?

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まずは郵便局へ (106)
2009-11-15 22:38:20
どちらも特別公開って事で日程の調整が難しいです
とりあえず往復ハガキを買っておく必要がありますね
特別とか限定って余計にそそられます
保存できてる事はありがたいですが周囲に高層ビルが建ってしまうと美観的にちょっと残念
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julyさんへ (きゃおきゃお)
2009-11-15 23:15:38
休日の公開ということで、楽しみにしていました。
見学料は、ちと高めですが…一度はお薦めします。
HPを見ると、秋になって急に見学が満員になったような気がします。
たまたま3階も公開していたので、ラッキーでした。
写真NGなのは、手放した細川家への配慮だそうです。

インブリー館は、年2日間のみ一般公開…と知って
同じく楽しみにしていました。
移動は、楽でしたよ(有楽町線護国寺→飯田橋→南北線白金高輪)

設計した方も後世まで残るなんて、思っていなかったでしょうね。
正門から見える風景が好きなので、正面から入りました。
銀杏がたくさん落ちていて危険でした。
ケーキ屋さん、興味ありま~す!
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106さんへ (きゃおきゃお)
2009-11-15 23:26:36
インブリー館は、申し込み不要で、出入り自由(無料)です。
ぜひ来年の秋に行かれてみてください。
今年の文化財ウイークは、この2か所の見学で終わりました。
内容は濃かったです。

けっこうキャンパス内の古い建物は、移動させられているみたいですよ。
背景の建物は、まー、仕方ないですねー。
小石川後楽園の東京ドームには負けます。
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全部・・・ ()
2009-11-15 23:42:02
こんばんは♪
トラックバックありがとうございました。

中が全部みられてよかったですね。私もよかったです。きゃおきゃおさんのお写真でみることができて。
階段の上はこうなっていたのですね。
来年はこの日に行ければとおもっています。

本日 海洋大学の日でしたが残念な事に野暮用が入り行けませんでした。がっかりです。
次の機会をねらいます。
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華さんへ (きゃおきゃお)
2009-11-16 01:05:31
こんばんは!

どこまで見学できるのか、どきどきでしたが、自由に見て歩けましたよ。

椅子にどかっと座って話し込んでいるご婦人がなかなか動かなくて、思うように写真を撮れなかったのが残念でした。
建物内は、もっと素朴な感じかと思ったら中国風だったり和風(2階階段室天井)だったり、あとは まあよくある洋室で、意外でした。
来年ぜひお出かけくださいね。
海洋大学は、やぶ蚊のいない季節がほんとお勧めです。(観測所は小さい建物なので、しみじみ見る建物ではないです)
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旧細川侯爵邸 (こりす工房)
2009-11-16 17:19:28
旧細川侯爵邸が気になります。
写真がないからでしょうか、余計に興味をそそられますね。
説明の中で
「風が吹くと、ぱちぱちと音を立ててどんぐりが雨のように降ってきました。」
ってありますね。
ドングリが庭にあるお家っていいな~って…

インブリー館は外観も落ち着いて、中もステキですね。
外壁の色ってこういう感じが良いな~って思っています。
それから廊下の板目が斜めになってますね。すごくオサレですね。
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こりす工房さんへ (きゃおきゃお)
2009-11-16 22:33:42
あまりメディアに登場しない洋館で、謎っぽいところが良いのかもしれません。
見学を終えて、南の庭(何もない芝生)を散歩したら、雨のようにどんぐりが降ってきて、びっくりしました。凄い音でしたー。
こんなに広くなくていいけど(笑!)、一軒屋に憧れます。

インブリー館、とても綺麗に修復されていて、気持ちの良い空間でした。可愛らしい洋館で、中を見たくてこの日を楽しみにしていました。
でも…雑司が谷の宣教師館のほうが、好きです。
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