"暮らしのリズム"的できごと

先人が培った暮らしの知恵を通じて今を楽しむ【暮らしのリズム】のブログ。旧暦、落語、音楽、工芸品、食、民俗芸能などをご紹介

土用入り

2005年07月19日 17時28分00秒 | 季節のおはなし

 旧六月十四日。
 満月も近いです。日暮れ前の頃、東の空から大きな月がぽっか~んと浮かび上がってきます。
 昨日のことですが、関東地方も一気に梅雨明け宣言がでました。まさに盛夏到来のこの頃です。暑い日が続きそうですね。今日は土用の入り。ということで、ちょっと暦のお話を。
 土用とは、もともと二十四節気の立春、立夏、立秋、立冬の前、十八日間のことを言っていたそうです。つまり一年に四回あったわけですが、いまでは一般的に夏の土用のことを指しています。またの呼び名が“暑中”。そう、暑中見舞いは今日から土用明け、立秋の前日(今年の場合8月6日)までに出すようにします。
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 さて、土用といえば鰻。この頃になると、鰻やの店先には“土用丑の日”の小旗や張り紙がされますよね。これは暑い盛りのスタミナ補給を目的にという風習ですが、doyou1平賀源内(1728~1779)が鰻屋の看板に書いたことに由来する、という説が一般的ですね。冬に比べると脂の乗りが悪くなる夏場の鰻、客離れが起こる鰻屋の販売促進に一役買ったキャッチコピーだったのかもしれません。
 土用に関しては他にもいろいろと言い伝えがあります。土用の第三日を土用三郎と呼んでいました。これは農家の四厄日の一つに数えられていて、この日の天気が土用の間の天候を表す、つまりは豊作か凶作かを占っていたわけです。明後日木曜日の天気がちょっと気になりますね。みんなで気にしてみましょう。

参考資料:「現代こよみ読み解き事典」編著:岡田芳朗・阿久根末忠 柏書房 1993年