3月10日付朝日新聞朝刊37面『もっと知りたい!』欄に「山手線もホームドア導入」という記事がありました。
なんというか単なる機械を通り越して、もはや崇拝の対象にでもなっているかのような論調には薄気味悪ささえ感じます。
それはさておき、記事中には総事業費が500億円?あれ?550億円じゃなかったの? いきなり50億円ものコストダウンができた理由は書かれてませんし、細かい数字を(細かくないけど)省いただけかもしれません。ここでは550億円で話を進めます。
記事中には「ホームドアは12年連続で3万人を越えた自殺者を防ぐ意味での期待も高まっている」ともあります。でも首都圏の鉄道での自殺は307件(2008年度)ともあり、全体の1%程度でしかない。しかもこれは踏切など駅以外のケースも含まれており、ホームドアで実際にどれだけの自殺を減らせるのか。
ところで自殺の理由の多くが経済的な問題とも言われています。平均的サラリーマンの生涯賃金がいくらなのか、拙者は専門でないため詳しくは分かりませんが2億5千万円くらいとしましょう。
山手線に設置する費用で換算すると220人を終身雇用できる額です。設置のために人員削減が行なわれ、経済的に困窮する人を増やしているとしたら皮肉なものです。まさに“生かさず殺さず”の設備でしょうか。現にホームドアが設置された路線は新幹線を除いて例外なくワンマン化されています。トーチカ有楽町線にも設置だそうですけど、ここもいずれワンマン化されるかもしれません。「ホームドアに前向きなのが東京メトロ」と記事にありますけど、前向きなのはワンマン化の間違いではないかな。
視覚障碍者対策というなら盲導犬の育成や音声案内装置の充実など、ホームドアのお金で何ができるだろう。不慮の事故というなら報道されないだけで全国でいくらでも起こっている。鉄道は報道されるから目立つだけだろう。100%の安全を求めたければ理想郷にでも行けばいいのではないかな。「命はお金に代えられない」というのは自腹を切ることができる人のセリフで、どうせ自分の懐が痛むわけじゃないという人には当てはまらない。そういうのは無責任と言います。だから拙者は言いません。
もっとも1路線で数百億円なら大都市圏全体に普及されれば兆円規模の額になる。そこに利権争いが生まれても不思議ではないでしょう。
かつての国鉄が新幹線建設などの負担で立ち行かなくなったように、今度はホームドアで立ち行かなくなる事業者が出ませんように。
なんというか単なる機械を通り越して、もはや崇拝の対象にでもなっているかのような論調には薄気味悪ささえ感じます。
それはさておき、記事中には総事業費が500億円?あれ?550億円じゃなかったの? いきなり50億円ものコストダウンができた理由は書かれてませんし、細かい数字を(細かくないけど)省いただけかもしれません。ここでは550億円で話を進めます。
記事中には「ホームドアは12年連続で3万人を越えた自殺者を防ぐ意味での期待も高まっている」ともあります。でも首都圏の鉄道での自殺は307件(2008年度)ともあり、全体の1%程度でしかない。しかもこれは踏切など駅以外のケースも含まれており、ホームドアで実際にどれだけの自殺を減らせるのか。
ところで自殺の理由の多くが経済的な問題とも言われています。平均的サラリーマンの生涯賃金がいくらなのか、拙者は専門でないため詳しくは分かりませんが2億5千万円くらいとしましょう。
山手線に設置する費用で換算すると220人を終身雇用できる額です。設置のために人員削減が行なわれ、経済的に困窮する人を増やしているとしたら皮肉なものです。まさに“生かさず殺さず”の設備でしょうか。現にホームドアが設置された路線は新幹線を除いて例外なくワンマン化されています。トーチカ有楽町線にも設置だそうですけど、ここもいずれワンマン化されるかもしれません。「ホームドアに前向きなのが東京メトロ」と記事にありますけど、前向きなのはワンマン化の間違いではないかな。
視覚障碍者対策というなら盲導犬の育成や音声案内装置の充実など、ホームドアのお金で何ができるだろう。不慮の事故というなら報道されないだけで全国でいくらでも起こっている。鉄道は報道されるから目立つだけだろう。100%の安全を求めたければ理想郷にでも行けばいいのではないかな。「命はお金に代えられない」というのは自腹を切ることができる人のセリフで、どうせ自分の懐が痛むわけじゃないという人には当てはまらない。そういうのは無責任と言います。だから拙者は言いません。
もっとも1路線で数百億円なら大都市圏全体に普及されれば兆円規模の額になる。そこに利権争いが生まれても不思議ではないでしょう。
かつての国鉄が新幹線建設などの負担で立ち行かなくなったように、今度はホームドアで立ち行かなくなる事業者が出ませんように。