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工藤鍼灸院・院長のひとりごと2

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夏期大で出た受講生からの質問に答える①

2025年08月21日 16時39分51秒 | 鍼灸・東洋医学
夏期大に受講生として初めて参加したのが25年前。改めて過去の記録を読み起こしてみると、平成20年から運営側に回るようになり、ここ十数年は講師として夏期大に参加するようになりました。
受講生の皆さんからは毎年のように数々の疑問や質問をお受けしていますが、今年は特に基本的な部分、経絡治療の基礎に関する本質的な質問を数多くいただきました。
そこで、印象に残っている質問に対するお答えを、何回かに分けてQ&A方式で書き残しておこうと思います。鍼灸学生の方、経絡治療を学び始めたばかりの方、これから学ぼうとしている方の道しるべになれたら嬉しいです。
なお、専門的なやりとりなので、一般の方にはさっぱり理解できないと思います。ごめんなさい。



Q)経絡治療では証を基本四証に分けて診断治療しますが、世に数多ある病気がたった4種類に集約されているとは到底思えません。本当に4種類の分類で対応できるのでしょうか?

A)気に入った洋服を選ぶ際、皆さんの最後の基準はサイズ感になると思います。店頭にある在庫はS、M、L、XLの4種類くらいですが、世の中の人のほとんどがそのサイズに収まります。病の大枠もそこにあって、肝虚証、脾虚証、肺虚証、腎虚証のいずれかに分類される場合がほとんどです。
細かいことを言えば、同じ肝虚証でも陰虚なのか陽虚なのか、寒熱の波及があるならそれはどこに停滞しているのか…などの違いはあります。しかし病の大枠は四虚証に大体収まるものです。
洋服のサイズは例外的にSSやXXLなど、規格外のサイズの方もいらっしゃいます。それは経絡治療も同じで、肝実証の方や脾虚腎虚証の方など基本四証にあてはまらない場合があります。洋服の場合は特注品や取り寄せ品となるように、経絡治療でも病症や脈証でそれらを把握し、証に合ったオーダーメイドの治療を行います。それが鍼灸、経絡治療の柔軟で良いところです。

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Q)脈差診(比較脈診)の診方なのですが、左右の寸・関・尺の6か所で一番弱い場所を探すと教わっていたのに、先生の脈診を見ているとどうやら今まで教わっていた方法とは違う気がします。正しい診方がわかりません。

A)関東支部では『日本鍼灸医学・基礎編P203』に掲載されている脈の診方がスタンダードであるとして教育しています。
左右の寸・関・尺の6か所でどこが一番弱いのかを探すのではなく、左右の寸・関・尺を比較して脈の強弱を比べるのが、読んで字の如く「脈差診(比較脈診)」です。自己流に走らず、教科書の内容から外れることなく、基礎を学び直してください。

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Q)夏期大でいろんな先生に私の脈を診てもらいましたが、全員に違う脈証だと言われました。やはり脈診なんて信用できません。

A)例えば実技モデルの証を立てる際、望診・聞診・問診・切診の四診を用いて証を組み立てると習っているはずなのに、皆さんいきなり脈を診て証を立てようとします。実はそれでは脈診は上達しません。
望・聞・問・(脈診以外の)切診で集めた情報を基に、今この患者はこういう状態だからきっとこういう脈をしているのでは?と患者の脈を想像しながら脈を診る、というのが私が教わってきた「脈診」です。つまり脈診って「確認ツール」なんです。各臓腑経絡の病理病症をきちんと理解していれば、集めた情報から現在のリアルタイムの脈を推測できるようになります。そしてそれを脈診で確認するわけです。知識がなければ脈は推測できませんから、脈診は座学なのです。
そういう経験を山ほど積んでようやく、患者の脈からこういう症状があるのでは?今こういう脈だからこんな状態なのでは?と患者の体の様子を推測できるようになるというわけです。でもここまで行くにはかなりの経験が必要です。私は臨床28年やっていますけど、まだまだその境地には達しておらず、脈だけで証を立てられる自信はありません。だから私は四診を行い、最後に脈診で確認して証を立てています。この方法なら、ある程度の知識と経験があれば的確に証が立てられます。
経絡治療学会の講師の先生は皆さん経験豊富な臨床家ばかりですが、脈診だけで証を立てられる大名人の先生はほとんどいないと思います。複数人の先生方に脈だけで証を立ててもらえば、全員バラバラの証になっても何ら不思議ではありません。経験豊富な臨床家でもそうなってしまいます。そのくらい、脈診だけに頼るのは難しいのです。でも、各先生方に四診をしっかり診ていただいた上で証を立ててもらえば、最終的にはほとんど似たような、同じような証に集約されてくるはずです。
脈診は確認ツールであり、脈診は座学なのです。それを誤解しているうちは、何年何十年と脈を診ていてもまったく上達しないと断言できます。『日本鍼灸医学・基礎編』の教科書を徹底的に使いこなしてください。
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