工藤鍼灸院・院長のひとりごと2

真岡市(ハローワーク向かい)
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あなたの街のはり屋さん
お灸もやってます

鍼やお灸の意外な用途

2006年05月12日 20時58分12秒 | 鍼灸・東洋医学
鍼灸院ですから当然鍼やお灸による治療をしています。日頃は脈診や腹診を主として東洋医学的な治療をしているのですが、鍼やお灸は治療以外でもいろんな事に役立つ道具です。



脈拍が乱れて不整脈になっている方がいた場合、循環器系の異常なのか自律神経系の異常なのかを確かめるために鍼を用いる事があります。
足の甲にある動脈(ちょうど衝陽穴のあたり)に比較的太めの鍼(2~3番くらい)をぶち当てるように刺入し、クリクリと回旋させながら脈を診ます。こうすると血管を介して自律神経を刺激する事ができ、自律神経系の不整脈であればピタッと止まってくれるのです。回旋をやめるとまた不整脈が再開するのですが、回旋中はしっかり止まります。今日も不整脈の方がいたのでやってみたのですが、極度の疲労による一時的な不整脈などは見事に止まります。この方法で不整脈が止まればとりあえずひと安心です。
これで止まらなければ循環器系の器質的な異常が考えられますので、循環器科のお医者様に紹介状を書く事になります。

動脈に鍼を刺しても大丈夫なのか?と思われるかも知れませんが、我々が使用している鍼程度のやわらかいものが動脈に刺さる事などまず考えられません。高名な先生のお話を聞いた際にも「動脈に狙って鍼を刺せたら名人中の名人だ」と言っていました。それぐらい刺さらないものなのです。
血管に鍼先が当たれば血管の方がずれてくれますし、こういう検査はそれくらいの精度でもしっかりした結果を出す事が可能です。
ちなみにですね、毛細血管に関しても前述通りなのですが、密集している顔面部や動脈硬化が進んでいる高齢者などは多少出血しやすい傾向にあります。ですが、やはり動脈に関してはまず刺さらないと思います。



お灸に関してもおもしろい使い方ができます。以前の日記には写真も載せていたのですが、切り傷をお灸でくっつける事ができるのです(画像容量がでか過ぎてここにはUPできませんでした・・・)。これは、タンパク質の熱凝固を応用した止血法なのですが、切り傷をお灸で焼き切ると本当に瞬時にくっついてくれます。

しかもこの方法のすごいところは、比較的大きな切り傷でもくっつける事ができ、くっつけばすぐに水仕事ができるようになるという点です。うちの副院長は料理中によく指を切るのですが(笑)、すぐに鍼灸院へすっ飛んできて「お灸してぇ~!」って言います。すぐにくっつきますから、また料理が再開できるのです。日常生活に支障の出る手指の深い傷には最適な処置だと思います。

そのうちまたやらかしてくれると思いますから(笑)、その時にはお灸の様子を写真に撮ってUPしますね。
コメント (2)
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