工藤鍼灸院・院長のひとりごと2

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『旅行で便秘』はワケがある

2006年05月06日 22時49分48秒 | 鍼灸・東洋医学
昨日まで3連休を頂いていました。今日は久しぶりに平常通り診療したのですが、やはり僕は治療が好きなようです(^^)
昼食を10分で済ませ、夕食も15分で終わらせて仕事に戻る・・・というのが楽しくて仕方がない(^^;) やっぱり仕事が一番楽しいなぁ、仕事している時が一番幸せだなぁ、と改めて感じました。

さて、連休中はキャンプへ行っていたのですが、気が付けばその3日間全くお通じがありませんでした。平たく言うと便秘だったわけです。普段は毎日お通じがあるのに、僕はこういうイベントではいつも必ずこうなります。
僕だけではなく旅行へ行くと必ず便秘になる方って意外と多いんじゃないかと思いますが、これにはきちんとした東洋医学的な理由があります。

旅行へ行くと心身ともに適度に疲労します。疲れると身体は陰気が虚した状態になり、津液が虚して内熱が発生します。これが腸へ行くと便の水分が乾いて硬くなり、結果的に便秘になるというわけです。
この状態はどちらかといえば生理的な現象ですから苦しさもなく便秘するケースが多く、旅行が終われば自然と改善されます。僕も今朝は普通にお通じがありましたが、本当、体内の気血や津液、寒熱状態の変化は不思議なものです。



枕が替わると眠れなくなる・・・という方もいらっしゃいますが、これにもちゃんとした理由があります。

起きて行動している時には通常、活動的な働きをする陽気が身体の外側に出ており、安静的な働きをする陰気は内側に引っ込んでいます。眠る際にはこの陰陽が逆転し、陰気が体外に出てきて陽気が体内に入ります。この内外の陰陽交代は眠気が発生する要因のひとつなのですが、脾虚証で発生した内熱が上昇して陽明経(頭部)に多くなれば、陽気が体外に残ってしまうため寝つきが悪くなります。
夜中目が覚めるという場合も頭に熱が残っている事が多いようです。その原因は前述の理由意外に、お酒の熱が頭に残っている場合なども考えられます。



旅先では全く眠れない・・・という話も聞きますが、これに関してもきちんとした理由が考えられます。

先ほどのお話で「内外の陰陽交代は眠気発生要因のひとつ」と言いましたが、もうひとつの眠気発生条件は『全身の血が肝に帰る』という事です。
手足を動かしたり頭を使ったりするには血が必要です。つまり我々は手足や頭で血を消耗しながら活動しているのですが、これが度を過ぎると肝に帰るべき血も残らないほどに消耗しきってしまい、その結果として眠気が全く起こらなくなるのです。
血は肝に蔵されていますから、この際の証は肝虚証です。



旅行時の体内の変化は人それぞれです。「旅行へ行っても普段と全く変わらない」という方は、身体が理想的な状態なのかも知れませんね。
コメント (2)
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