kotoba日記                     小久保圭介

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言葉の熱源

2020年03月19日 | 謎のカテゴリー
  


ドクターがわたしの話の途中で

「言葉で伝えたいのだと思います」

と言った

わたし
反論した
めずらしく

「言葉で伝えたいとは思わないです。判ってほしいと思って小説を書いたのは最初の一作だけです。判ってほしいというのは甘えですから。伝えたいというのはエゴですetc」

わたし
かなり力を入れて
話していた

「言葉は深いですからね」

と言って
ドクターが
会話を終わらせた時
残念だった
ガクッとした

「すみません。余談でした」

と笑って
用事を済ませて失礼した

帰路
思った

伝えたいことがあって
言葉を書いてきてはいない
書きたいことがない
から
出発している

ただ
書いていて
あっ
こんなことを伝えたかったんだ

無意識が意識される瞬間がある

そして
気がついた
わたし
そのドクターに
「判ってほしいと思わない」
と言いつつ
判ってほしかったことを

そして
「人間は本当のことを言われると怒る」

誠なり

合点がいった
わたしは判ってほしかったのだ
けれど
うまく伝えられなかった
伝えたかったのだ
ドクターが言った通りなのだ

帰ってから
お札の前で柏手を打ち
頭をたれた

そのあと
判った
「わたしは言葉の熱源です」
と言えば判ってもらえたかもしれぬ


神さまが
愛の熱源であるように
わたしは言葉の熱源です
伝えようとしているわけではなく
勝手に伝わってしまう
伝わる人には伝わる
わたしは
現象のひとつです
と言えばよかったかもしれない

ただ
伝えたい
と最初に言われ
反論し

「伝える」に
どうしても引っかかったのだ
どうしても
何かが引っかかったのだ

音楽家なら
「わたしは音の熱源です」
になるかもしれない


ドクターは意図せず
わたしに思う機会を突然放り込んだ
それは
瞬時に反応し
脳は動いた

誰からでも
あらゆることから
わたしたちは
学ぶ

言葉のことなら
なおさらです




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